2012年5月11日金曜日

『動物とは誰か?』


ドイツでの在外研究に入った波戸岡さんの新著、

動物とは「誰」か?―文学・詩学・社会学との対話』

が出ています。
これは副題から想像される通り、
各分野における 3人のフロント・ランナーへのインタヴュー集です。
とはいっても、インタヴュアーが波戸岡さんですから、
話の深まりがちょっと格別です。

この本が、もしいわゆる学術書より読みやすいとすれば、
それは波戸岡さんが、うまく「齟齬」を作り出しているからでしょう。
なにか1つの用語でも、AさんとBさんでは、
その言葉に負わせている意味や文脈がことなっていることはよくあることですから、
そのへんをはっきりさせてくれるのは、読者にとってありがたいですね。
そしてそれ以前に、
その用語のニュアンスそのものがわたしたちによく分からないときでも、
「齟齬」を分解していく過程で、
その用語がしだいに見えてくるという仕掛けです。

動物と人間はどう違うのか? ペットは? 描かれた動物たちは? 「私」は?
そしてもう1度、動物とは誰か?

刺激にあふれた一冊です。