2001年と言いますから、
もう10年以上前ですが、
『ジェヴォーダンの獣』
という映画がありました。
フランスのジェヴォーダン地方に伝わる、
女性や子供ばかりを襲う獣の伝説。
この伝説をもとにしたフィクション、というところです。
時は1765年、ルイ15世の時代です。
で、主人公フロンサックは、「セント・ローレンス川」で戦ったことがある、
というのですが、これはもちろん、
フレンチ・インディアン戦争(1755 - 1763)のこと。
そして彼の頼りになる友人は、
この戦いのとき彼を助けてくれたインディアン、マニです。
この2人が、王の命を受けて、獣退治にやってくるわけです。
http://www.youtube.com/watch?v=RQ-oWOKbpIY
フロンサックは、獣なんているわけない、という態度。
けれど地元は、あんな獣は見たことない、絶対オオカミじゃない、
と口を揃えます。
マニは……彼は超自然的な力を備え、
オオカミたちと心を通わせ……
この映画、今回6, 7年ぶりに見たんですが、
これは図式化すれば、
フロンサックが体現する合理主義、ないし啓蒙思想、
と、
地元の神父らが体現する旧来の、いわば非合理な思想、
の対決なんですね。
獣はその戦いの象徴で。
ただ気になるのは、マニの存在です。
フロンサックとマニは、ほとんど一心同体。
お互い認め合って。
でも、マニの背負っているのは、
フロンサックの見ているものとはだいぶ隔たりがあり……
このへんに、考えるべき点があるのでしょう。
2013年5月29日水曜日
Fela Kuti
関東も梅雨入り、だそうですね。
例年より10日も早いとか。
その分早く「夏」がくるんでしょうか。
(I hope so ! )
さて、4月に始まった授業も、今日で8回目。
前期の授業は15回ですから、
今日はちょうど折り返しです。
今年の1年生たち(フランス語)は、概して授業での声も大きくて、
授業はしやすいのですが、
小テストの出来は、必ずしも素晴らしいとは言えない気がしないでもない、
というところでしょうか。
でもまあ、試験前には、踏ん張ってくれることを期待しています。
ゼミでは、毎回そこそこ重い課題を課しているのですが、
こちらは20人のほとんどが、
がんばってトライしてくれています。
先日は、『扉をたたく人』に関連して、
映画内で名前の出るミュージシャン、
Fela Kuti の曲をなにかYouTube で聞いて、
その感想を書く、という課題を出しました。
(1回分の課題の、これはごく1部です。)
みんな見てくれて、
まあ希望的観測としては、
映画内で言及されたアーティストについては、
こうして確認することで、
より映画(ないし登場人物)に近づけるということを、
感じでもらえたと思います。
単純なことですが、
これ、言われないとなかなかそこまでしないものです。
http://www.youtube.com/watch?v=RK4zBRkog8o
例年より10日も早いとか。
その分早く「夏」がくるんでしょうか。
(I hope so ! )
さて、4月に始まった授業も、今日で8回目。
前期の授業は15回ですから、
今日はちょうど折り返しです。
今年の1年生たち(フランス語)は、概して授業での声も大きくて、
授業はしやすいのですが、
小テストの出来は、必ずしも素晴らしいとは言えない気がしないでもない、
というところでしょうか。
でもまあ、試験前には、踏ん張ってくれることを期待しています。
ゼミでは、毎回そこそこ重い課題を課しているのですが、
こちらは20人のほとんどが、
がんばってトライしてくれています。
先日は、『扉をたたく人』に関連して、
映画内で名前の出るミュージシャン、
Fela Kuti の曲をなにかYouTube で聞いて、
その感想を書く、という課題を出しました。
(1回分の課題の、これはごく1部です。)
みんな見てくれて、
まあ希望的観測としては、
映画内で言及されたアーティストについては、
こうして確認することで、
より映画(ないし登場人物)に近づけるということを、
感じでもらえたと思います。
単純なことですが、
これ、言われないとなかなかそこまでしないものです。
http://www.youtube.com/watch?v=RK4zBRkog8o
2013年5月26日日曜日
エメ・セゼール 生誕100年
白水社の雑誌「ふらんす」、
6 月号の特集は、
「エメ・セゼール 生誕100年」
です。
筆頭に掲載されているのは、
仲良しの若手研究者、中村さんの文章、
「エメ・セゼールを読む3 つの理由
共和主義・ディアスポラ・第三世界」
です。
文章中、
セゼールに触れたアブダル・マリックのあの曲への言及もあります。
この曲の入ったアルバムについて、
アブダルはこう言っています。
"Je suis très attaché à ce disque.
J'y mets toute ma personne, j'y parle avec mon coeur et mes tripes.
C'est une façon d'exprimer mon rapport au monde, à l'art et aux autres.
Il y a, par exemple, la chanson Césaire (Brazzaville-Oujda)
: Aimé Césaire est mort pendant que je travaillais sur l'album.
Comme Rimbaud, il m'a beaucoup inspiré,
a façonné mon rapport à la France et à la diversité."
2013年5月23日木曜日
陣野さん
今、「文芸批評」とは何でありえるのか、
何でありえないのか、
というような、「真面目な」連ツイートです。
書いているのは、
ラップ・フランセを語り、
サッカーを語り、
バリバリの現役文芸批評家である、
陣野俊史さん。
https://twitter.com/jinnotoshifumi
たしかに、わたしが東京新聞の「大波小波」を読んでいるのも、
陣野さんの指摘する意味においてです。
考えさせられます。
何でありえないのか、
というような、「真面目な」連ツイートです。
書いているのは、
ラップ・フランセを語り、
サッカーを語り、
バリバリの現役文芸批評家である、
陣野俊史さん。
https://twitter.com/jinnotoshifumi
たしかに、わたしが東京新聞の「大波小波」を読んでいるのも、
陣野さんの指摘する意味においてです。
考えさせられます。
2013年5月22日水曜日
パリのジュンク堂
パリのジュンク堂、
その店員さんたちが作ったリストだそうです。
(重いので、開くのに少し時間がかかります。)
http://www.junku.fr/upload/junkuclub/JUNKUCLUB.pdf#search='%E3%83%91%E3%83%AA+%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%82%AF+%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96'
値段がユーロ表示で、おもしろいですね。
その店員さんたちが作ったリストだそうです。
(重いので、開くのに少し時間がかかります。)
http://www.junku.fr/upload/junkuclub/JUNKUCLUB.pdf#search='%E3%83%91%E3%83%AA+%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%82%AF+%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96'
値段がユーロ表示で、おもしろいですね。
2013年5月20日月曜日
ドランシー収容所
『アイシャ』の舞台となったボビニー。
ボビニー・パブロ・ピカソ駅から、ためしに北に歩いてゆくと、
10分ほどでボビニーを離れ、
となりのドランシーに入ります。
そしてさらに10分ほど歩くと、
あのドランシー収容所があった場所に到着します。
ドランシー収容所、ご存じでしょうか。
大戦中、フランスでナチによって「逮捕」されたユダヤ人の多くは、
まずこの収容所に送られました。
そしてそうした10万ほどの人のうち、
7万人ほどがアウシュビッツに送られました。
そしてこの移送には、フランス側の明確な協力がありました。
つまりこのドランシー収容所は、
フランスのユダヤ人に対する罪の、
象徴的場所ともいえるわけです。
http://www.youtube.com/watch?v=Yoy1lT294Ns
またgoogle map https://maps.google.co.jp/ で、
と入れると、そこがそうです。
この建物は、もちろんもとは団地(ensemble)。
1930年代のもののようです。
また建物近くには、線路と貨車が見えますが、
これはダミー。
実際は、この収容所から、近くの駅までバスで連れていかれました、
もちろん、フランス側の協力のもと、です。
で、
近くの駅は2つあり、
その1つはブルジェ=ドランシー駅、
そしてもう1つが、(旧)ボビニー駅なのです。
1943から1944にかけて、2万人以上のユダヤ人が、
この駅からポーランドを目指しました。
こうした記憶を排除することで、
パリは「パリ」として成立するのですね。
ボビニー・パブロ・ピカソ駅から、ためしに北に歩いてゆくと、
10分ほどでボビニーを離れ、
となりのドランシーに入ります。
そしてさらに10分ほど歩くと、
あのドランシー収容所があった場所に到着します。
ドランシー収容所、ご存じでしょうか。
大戦中、フランスでナチによって「逮捕」されたユダヤ人の多くは、
まずこの収容所に送られました。
そしてそうした10万ほどの人のうち、
7万人ほどがアウシュビッツに送られました。
そしてこの移送には、フランス側の明確な協力がありました。
つまりこのドランシー収容所は、
フランスのユダヤ人に対する罪の、
象徴的場所ともいえるわけです。
http://www.youtube.com/watch?v=Yoy1lT294Ns
またgoogle map https://maps.google.co.jp/ で、

Conservatoire Historique du Camp de Drancy
と入れると、そこがそうです。
この建物は、もちろんもとは団地(ensemble)。
1930年代のもののようです。
また建物近くには、線路と貨車が見えますが、
これはダミー。
実際は、この収容所から、近くの駅までバスで連れていかれました、
もちろん、フランス側の協力のもと、です。
で、
近くの駅は2つあり、
その1つはブルジェ=ドランシー駅、
そしてもう1つが、(旧)ボビニー駅なのです。
1943から1944にかけて、2万人以上のユダヤ人が、
この駅からポーランドを目指しました。
こうした記憶を排除することで、
パリは「パリ」として成立するのですね。
授業は英語で?
最近は日本の大学でも、
英語で授業を、
という方向が示されています。
明治大学でも、
英語で行った授業については、
成績表にもそれを明記する、という新ルールが生まれます。
で、
フランスでは(一部を除き)フランス語で授業してたわけですが、
どうも変わってきたようです。
http://www.franceculture.fr/emission-du-grain-a-moudre-reforme-de-l-enseignement-superieur-le-francais-va-t-il-filer-a-l-anglais
たしかに、フランス語だけで授業していたら、
たとえばアジアからの留学生は、
イギリスやアメリカに向かう確率が上がるでしょう。
ただ、「グロビッシュ」は思考そのものを劣化させてしまう……?
教える側も、教わる側も……?
これは議論になりそうですね。
英語で授業を、
という方向が示されています。
明治大学でも、
英語で行った授業については、
成績表にもそれを明記する、という新ルールが生まれます。
で、
フランスでは(一部を除き)フランス語で授業してたわけですが、
どうも変わってきたようです。
http://www.franceculture.fr/emission-du-grain-a-moudre-reforme-de-l-enseignement-superieur-le-francais-va-t-il-filer-a-l-anglais
たしかに、フランス語だけで授業していたら、
たとえばアジアからの留学生は、
イギリスやアメリカに向かう確率が上がるでしょう。
ただ、「グロビッシュ」は思考そのものを劣化させてしまう……?
教える側も、教わる側も……?
これは議論になりそうですね。
2013年5月18日土曜日
「移民の記憶」
最近は、どうも色々忘れっぽいので、
このブログは、備忘録としても機能しています。
あの映画、前に見たけど、どうだったかなあ…… という感じ。
で今日は、これ、
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/12/memoire-dimmigres.html
久しぶりに(まだ途中ですが)見て、
「移民」というものの厳しさが迫ってきます。
「前夜」という雑誌があって、
そのバックナンバーに、
監督であるヤミナ・ベンギギのロング・インタヴューがありました。
わたしのアイデンティティーは、
アルジェリア人でも、フランス人でもない、
それは移民なんだ、
と言っています。
そうなんですね。
このブログは、備忘録としても機能しています。
あの映画、前に見たけど、どうだったかなあ…… という感じ。
で今日は、これ、
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/12/memoire-dimmigres.html
久しぶりに(まだ途中ですが)見て、
「移民」というものの厳しさが迫ってきます。
「前夜」という雑誌があって、
そのバックナンバーに、
監督であるヤミナ・ベンギギのロング・インタヴューがありました。
わたしのアイデンティティーは、
アルジェリア人でも、フランス人でもない、
それは移民なんだ、
と言っています。
そうなんですね。
2013年5月15日水曜日
les «femmes de réconfort» étaient une «nécessité», selon le maire d’Osaka
中島岳志さんによる、
「橋下徹の言論テクニックを解剖する」です。
http://www.magazine9.jp/hacham/111111/
そして「リベラシオン」。
記事の大きさにまずびっくり。
一市長の発言なのに。
(つまりこれは、一市長の、ではなく、
もっと大きな流れの中の、
その流れをよく象徴する出来事に見えた、
ということなのでしょう。)
http://www.liberation.fr/monde/2013/05/14/japon-les-femmes-de-reconfort-etaient-une-necessite-selon-le-maire-d-osaka_902722
「橋下徹の言論テクニックを解剖する」です。
http://www.magazine9.jp/hacham/111111/
そして「リベラシオン」。
記事の大きさにまずびっくり。
一市長の発言なのに。
(つまりこれは、一市長の、ではなく、
もっと大きな流れの中の、
その流れをよく象徴する出来事に見えた、
ということなのでしょう。)
http://www.liberation.fr/monde/2013/05/14/japon-les-femmes-de-reconfort-etaient-une-necessite-selon-le-maire-d-osaka_902722
Space Oddity
昨日、一昨日あたりのニュースで、
カナダ人宇宙飛行士、 Chris Hadfield さんの動画が、
話題になっています。
リアルな、CGじゃない、まさにリアルな、
宇宙の写真もたくさんあるのですが、注目は動画。
彼は宇宙船内で、なんとSpace Oddity を歌っているではありませんか!
Ground Cntrol とMajor Tom (トム少佐)の通信という形を取っているこの曲以上に、
彼の状況にふさわしい曲はないかもしれません。
わたしもかつて、いっぱしのDavid Bowie ファンとして、
この曲に打たれた記憶があります。
(歌詞なしで歌える、数少ない曲の1つです。)
http://www.youtube.com/watch?v=KaOC9danxNo
そして聞いてみて、ああ、と思ったのは、
歌詞が微妙に変えられていること。
そう、オリジナルのSpaceOddity は、
最後なんらかの不具合が起き、
宇宙飛行士トムは、宇宙につりさげられてしまうのです。
ここは、
クリスさんの現実に合わせる必要があったのですね。
それにしても、
こんな試みが可能なんて!
カナダ人宇宙飛行士、 Chris Hadfield さんの動画が、
話題になっています。
リアルな、CGじゃない、まさにリアルな、
宇宙の写真もたくさんあるのですが、注目は動画。
彼は宇宙船内で、なんとSpace Oddity を歌っているではありませんか!
Ground Cntrol とMajor Tom (トム少佐)の通信という形を取っているこの曲以上に、
彼の状況にふさわしい曲はないかもしれません。
わたしもかつて、いっぱしのDavid Bowie ファンとして、
この曲に打たれた記憶があります。
(歌詞なしで歌える、数少ない曲の1つです。)
http://www.youtube.com/watch?v=KaOC9danxNo
そして聞いてみて、ああ、と思ったのは、
歌詞が微妙に変えられていること。
そう、オリジナルのSpaceOddity は、
最後なんらかの不具合が起き、
宇宙飛行士トムは、宇宙につりさげられてしまうのです。
ここは、
クリスさんの現実に合わせる必要があったのですね。
それにしても、
こんな試みが可能なんて!
2013年5月13日月曜日
朗読劇「銀河鉄道の夜」春の関西ツアー
あの朗読劇「銀河鉄道の夜」が、
初の関西ツアーに出るようです。
http://monpaysnatal.blogspot.jp/
電車の中で電車を?
出町柳から!?
豆大福買って乗り込むとか!?
おもしろそう!!
初の関西ツアーに出るようです。
http://monpaysnatal.blogspot.jp/
電車の中で電車を?
出町柳から!?
豆大福買って乗り込むとか!?
おもしろそう!!
2013年5月12日日曜日
母の日に
母の日ですね。
1か月半ほど前、
身内のことなので気が引けながら、
この本のことを紹介させてもらいました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/03/blog-post_20.html
で、母親に今日、久しぶりに連絡したところ、
ここで見て、注文してくださった方もいるようで、
とても喜んでいました。
(わたしからも、merci beaucoup !)
いい本だったと思っていただいたのなら、
いいのですが。
今度は、ある文学者について調べ始めたそうです。
Du courage !
1か月半ほど前、
身内のことなので気が引けながら、
この本のことを紹介させてもらいました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/03/blog-post_20.html
で、母親に今日、久しぶりに連絡したところ、
ここで見て、注文してくださった方もいるようで、
とても喜んでいました。
(わたしからも、merci beaucoup !)
いい本だったと思っていただいたのなら、
いいのですが。
今度は、ある文学者について調べ始めたそうです。
Du courage !
2013年5月11日土曜日
The Next Day
ゲイリー・オールドマン、
は言わずと知れた有名俳優。
『レオン』での刑事の印象は強烈でした。
マリオン・コティヤールといえば、
やっぱり『タクシー』シリーズでの、
主人公の恋人役の印象が強いです。
この2人が、
ボウイの新曲のクリップに登場!
http://www.francetv.fr/culturebox/david-bowie-regardez-le-clip-de-the-next-day-avec-marion-cotillard-135823
http://www.youtube.com/watch?v=7wL9NUZRZ4I
修道士、僧、キリスト、娼婦……
コメントにある通り、
たしかに分かりやすくはないですね。
は言わずと知れた有名俳優。
『レオン』での刑事の印象は強烈でした。
マリオン・コティヤールといえば、
やっぱり『タクシー』シリーズでの、
主人公の恋人役の印象が強いです。
この2人が、
ボウイの新曲のクリップに登場!
http://www.francetv.fr/culturebox/david-bowie-regardez-le-clip-de-the-next-day-avec-marion-cotillard-135823
http://www.youtube.com/watch?v=7wL9NUZRZ4I
修道士、僧、キリスト、娼婦……
コメントにある通り、
たしかに分かりやすくはないですね。
2013年5月10日金曜日
窒息するドーベルマン
今日の授業で、
Pardon !
を使う回数がとても多いという話をしているうちに、
なぜか都市伝説の話しになり、
院生の頃に読んで強烈な印象を残したあの本、
『チョーキング・ドーベルマン』と
『消えるヒッチハイカー』
の紹介をしてしまいました。
今は日本でも、都市伝説を扱うテレビ番組さえありますが、
そういうところで語られるものは、
どうも物語性に欠けるように思われます。
物語のオチや、結末ではなく、
物語をドライブさせる力そのものを、
ある種の時代の気分が支えているんだ、
というようなことを話しました。
たとえば、「見知らぬ人たちに囲まれて生きる都会生活の不安」は、
ふだんは隠れているけれど、
ある物語の形をとるとき、
強い引率力を発揮しそうです。今でも。
Pardon !
を使う回数がとても多いという話をしているうちに、
なぜか都市伝説の話しになり、
院生の頃に読んで強烈な印象を残したあの本、
『チョーキング・ドーベルマン』と
『消えるヒッチハイカー』
の紹介をしてしまいました。
今は日本でも、都市伝説を扱うテレビ番組さえありますが、
そういうところで語られるものは、
どうも物語性に欠けるように思われます。
物語のオチや、結末ではなく、
物語をドライブさせる力そのものを、
ある種の時代の気分が支えているんだ、
というようなことを話しました。
たとえば、「見知らぬ人たちに囲まれて生きる都会生活の不安」は、
ふだんは隠れているけれど、
ある物語の形をとるとき、
強い引率力を発揮しそうです。今でも。
2013年5月9日木曜日
Matebkich
GWに挑戦した『アイシャ』の(自分用)台本作り、
めでたく完成し、
今日はその延長として、
舞台となった土地ボビニーそのものを調べてみました。
やはり知らなかったことも多くて、
たとえば、フランス本国にいるムスリム専用の墓地があり、
そこにはイザベル・アジャーニの父親が埋葬されている、とか、
あのアヨーが設計した、
ナンテールのそれにとても似ているHLMがあるとか。
(http://tomo-524.blogspot.jp/2013/04/la-tour-aillaud.html)
そしてそのあとは、
映画内に使われている曲をチェック。
1番印象深いのは、これかな。
http://www.youtube.com/watch?v=SH88ocdi7js&list=PLB4B18CD790977ED5
Don't cry という英訳がついているこの曲、
YouTube の、コメントの1番上に来ているもの、
これはおそらく歌詞の仏訳なんでしょう。
********************************
眠れない人たちがいる
昼間は幸せそうにふるまって、
でも夜、一人で泣いている人たちが。
心配しないで、泣かないで。
でもわたしには、だれもそう言ってくれなかった。
心配しないで、泣かないで。
そう、だれかに言って欲しかったのに。
まちがいは、だれにだってあるんだって。
めでたく完成し、
今日はその延長として、
舞台となった土地ボビニーそのものを調べてみました。
やはり知らなかったことも多くて、
たとえば、フランス本国にいるムスリム専用の墓地があり、
そこにはイザベル・アジャーニの父親が埋葬されている、とか、
あのアヨーが設計した、
ナンテールのそれにとても似ているHLMがあるとか。
(http://tomo-524.blogspot.jp/2013/04/la-tour-aillaud.html)
そしてそのあとは、
映画内に使われている曲をチェック。
1番印象深いのは、これかな。
http://www.youtube.com/watch?v=SH88ocdi7js&list=PLB4B18CD790977ED5
Don't cry という英訳がついているこの曲、
YouTube の、コメントの1番上に来ているもの、
これはおそらく歌詞の仏訳なんでしょう。
********************************
眠れない人たちがいる
昼間は幸せそうにふるまって、
でも夜、一人で泣いている人たちが。
心配しないで、泣かないで。
でもわたしには、だれもそう言ってくれなかった。
心配しないで、泣かないで。
そう、だれかに言って欲しかったのに。
まちがいは、だれにだってあるんだって。
「もうひとつのパリ」
先日、
6月8日(土)15:30~17:00「もうひとつのパリ・移民街と文学」
@朝日カルチャーセンター・新宿教室
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=198293&userflg=0
についてお知らせしましたが、
朝日カルチャーがこれについて、 twit していました。
ということは…… 残席あり、ということなんでしょう。
1月の港さんとのトークイベントと内容はかぶりますが、
よろしければ、お越しください。
6月8日(土)15:30~17:00「もうひとつのパリ・移民街と文学」
@朝日カルチャーセンター・新宿教室
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=198293&userflg=0
についてお知らせしましたが、
朝日カルチャーがこれについて、 twit していました。
ということは…… 残席あり、ということなんでしょう。
1月の港さんとのトークイベントと内容はかぶりますが、
よろしければ、お越しください。
2013年5月7日火曜日
2013年5月5日日曜日
「大学入試にTOEFL」の黒幕は経済同友会
というタイトルのブログ、これです。
http://blogs.yahoo.co.jp/gibson_erich_man/32794750.html
先日も、グローバリストであるユニクロの社長は、
仕事に付加価値がつけられないなら、
「年収100万円でも仕方ない」という内容の発言で、
注目を集めました。
上のブログの中の、
「(……)財界やグローバル企業がほしいのは、
ほんの一握りの英語が使えるエリートだけで、
他の子どもたちの教育は視野にありません。」
という部分と、見事に符合していますね。
http://blogs.yahoo.co.jp/gibson_erich_man/32794750.html
先日も、グローバリストであるユニクロの社長は、
仕事に付加価値がつけられないなら、
「年収100万円でも仕方ない」という内容の発言で、
注目を集めました。
上のブログの中の、
「(……)財界やグローバル企業がほしいのは、
ほんの一握りの英語が使えるエリートだけで、
他の子どもたちの教育は視野にありません。」
という部分と、見事に符合していますね。
2013年5月4日土曜日
ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版
ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版、再開しています。
これはレベルが高いので、
時間があるときじゃないと、ちゃんと読めません。
GWはいいかも。
http://www.diplo.jp/index.html
それぞれの記事を開くと、
原文も読めるようになっています!
2月号「フランス映画の現実−−意義の薄れる助成金制度」もあります。
こういうサイト、ありがたいですね。
これはレベルが高いので、
時間があるときじゃないと、ちゃんと読めません。
GWはいいかも。
http://www.diplo.jp/index.html
それぞれの記事を開くと、
原文も読めるようになっています!
2月号「フランス映画の現実−−意義の薄れる助成金制度」もあります。
こういうサイト、ありがたいですね。
2013年5月3日金曜日
台本を
連休です。
何か、少し時間がかかってもいいから、
ベースになるようなことを、と思って、
映画『アイシャ』の台本を、自分で再現してみることにしました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/10/blog-post_30.html
といっても、もちろん完璧な台本なんてムリですから、
まずはタイミングと場面(場所と養生人物)をすべて書き出し、
重要そうなセリフは書き起こし、
固有名詞や特定できる場所ははっきり示す、
ということくらいのことですが。
数十年前、初めて映画についての論文を書いた時も、
1週間くらいかけて、そうした自分用の台本を起こしました。
その時の楽しさが、だんだんによみがえってきています。
好きな映画なら、これ、楽しいですよ!
(そして間違いなく、よち深く理解できます。)
何か、少し時間がかかってもいいから、
ベースになるようなことを、と思って、
映画『アイシャ』の台本を、自分で再現してみることにしました。
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/10/blog-post_30.html
といっても、もちろん完璧な台本なんてムリですから、
まずはタイミングと場面(場所と養生人物)をすべて書き出し、
重要そうなセリフは書き起こし、
固有名詞や特定できる場所ははっきり示す、
ということくらいのことですが。
数十年前、初めて映画についての論文を書いた時も、
1週間くらいかけて、そうした自分用の台本を起こしました。
その時の楽しさが、だんだんによみがえってきています。
好きな映画なら、これ、楽しいですよ!
(そして間違いなく、よち深く理解できます。)
2013年5月1日水曜日
『検閲帝国ハプスブルク』
今日はもちろん授業日で、
(と言いつつ、休みになっている大学もあるようですが)
学生たちも通常通りの出席状況でした。
理工学部は、基本、まじめです。
さて、わたしの敬愛する先輩にして同僚、
ミスター・ハプスブルグこと菊池先生の新著が刊行されました。
http://www.amazon.co.jp/%E6%A4%9C%E9%96%B2%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%8F%E3%83%97%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%8F%8A%E6%B1%A0-%E8%89%AF%E7%94%9F/dp/4309624553/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1367410931&sr=1-1&keywords=%E6%A4%9C%E9%96%B2%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%8F%E3%83%97%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF
これはそそられるタイトルですね。
当然、現代を貫く問題です。
神聖ローマ帝国ですから、
むろんフランスも無縁ではありません。
カール5世の母語はフランス語だった! そうですし。
(どうしてそんなことになったのかは、本書で!)
それにしても、グーテンベルクは偉大でした。
彼の発明がなければ、
ルターの宗教革命も、
いやそれどころか世界の文化のあり方まで、
大きく変わっていたかもしれません。
そして印刷物が増え、影響力が増したところで、
検閲は強化されるのですね。
人間の心理というものについての抜群の経験値を持つ菊池先生が、
上からの空論ではなく、
王様たちを含む人間たちをドライブさせる力を、
検閲というシステムを通して追いかけます。
GWに!
(と言いつつ、休みになっている大学もあるようですが)
学生たちも通常通りの出席状況でした。
理工学部は、基本、まじめです。
さて、わたしの敬愛する先輩にして同僚、
ミスター・ハプスブルグこと菊池先生の新著が刊行されました。
http://www.amazon.co.jp/%E6%A4%9C%E9%96%B2%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%8F%E3%83%97%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%8F%8A%E6%B1%A0-%E8%89%AF%E7%94%9F/dp/4309624553/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1367410931&sr=1-1&keywords=%E6%A4%9C%E9%96%B2%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%8F%E3%83%97%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF
これはそそられるタイトルですね。
当然、現代を貫く問題です。
神聖ローマ帝国ですから、
むろんフランスも無縁ではありません。
カール5世の母語はフランス語だった! そうですし。
(どうしてそんなことになったのかは、本書で!)
それにしても、グーテンベルクは偉大でした。
彼の発明がなければ、
ルターの宗教革命も、
いやそれどころか世界の文化のあり方まで、
大きく変わっていたかもしれません。
そして印刷物が増え、影響力が増したところで、
検閲は強化されるのですね。
人間の心理というものについての抜群の経験値を持つ菊池先生が、
上からの空論ではなく、
王様たちを含む人間たちをドライブさせる力を、
検閲というシステムを通して追いかけます。
GWに!
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