2023年5月31日水曜日

『Mr. ノーバディ』

ネトフリで目に入った、

『Mr. ノーバディ』(2021)

という映画を見てみました。


物語は、よく見かけるものです。
小心で、稼ぎがいいわけでもなく、
息子にも軽んじられている小心な中年男が、
実は、元FBI のやり手で、
あることをきっかけに、
昔の貌を取り戻す、というものです。

ただ、べたなんですが、
それなりにおもしろかったです。
主役のボブ・オデンカークがよかったせいもあるでしょう。

一番受けたのは、
彼が復活する切っ掛けとなった事柄です。
家族内でたった一人の味方である幼い娘がいるんですが、
彼女が可愛がっている猫ちゃんのブレスが盗まれたのです。
それに気づき、彼は銃を手に取ります(!)

続編制作中のようです。
見ちゃうと思います!

2023年5月28日日曜日

仏文カフェ

今日、せっかくの日曜日、
仏文カフェにご参加くださったみなさま、
ありがとうございました!
多くの方に参加していたいて、
(内容はともかく)
わたしとしてはお話のし甲斐がありました。
もっと時間があれば、
あと3時間くらいは楽勝でしたが。

こういう会の場合は、
しっかりたいていの方が耳を傾けてくださっているのが分かるので、
こちらも、言葉の一つ一つに、
気合いがこもります。
(といってもまあ、話す内容に変わりがあるわけじゃないんですが!)

今日は『最強のふたり』を取り上げたわけですが、
そしてもちろんこれまでにも、
ざっと20回くらいは見てきましたが、
今回でもう一度、
気合いを入れて(パートⅡ!)見直してから、
今日の準備に取りかかりました。
で、
その結果として、
今日見て頂いたパワポや資料などを作ったわけです。
両方合わせて、15時間くらいはかかりましたが、
もちろんそれは、わたしにとっては楽しい作業でした。
ちょっと消化不良の部分もあったかもしれませんが、
そうした部分は、また時間をかけて解きほぐして行ければと思います。

またいつか、
どこかでお目にかかれることを祈っています!

2023年5月27日土曜日

明日

明日28日、
予定通り、「特別授業」を四ッ谷で行ないます。


どなたでも参加頂けます。
お待ちしています!

2023年5月25日木曜日

『Air/エア』

ベン・アフレック監督の新作、

『Air/エア』

をアマプラで見てみました。
主演はマット・デイモン。
小太りの、運動嫌いの中年男の役です。


ふつうに見ていられるんですが、
映画というより、
ドラマを見ている感じ。
「時間」の扱い方に、
圧縮感がないからなんでしょう。

わたしにとって印象的なことは、
この映画の舞台が1984年だということ。
『パレードへようこそ』
の舞台と同じなんですね。
あの頃アメリカでこんなことが同時進行していたっていうのが、
単純におもしろいです。
ただ、この映画、
ホモソーシャルな感じは否めません。
そういう時代、そういう業種だったのでしょうが、
『パレード』と比べると、
その差が強く感じられてきます。

今度、バスケ部の女子(←フランス語の授業に出ています)と、
この映画について話したいと思います。
見てるかな?

『ブレット・トレイン』

『デッドプール2』


の監督であるデヴィッド・リーチ監督による、

『ブレット・トレイン』(2022)

を、大学院のゼミで見てみました。


わたしは、エンタメのコメディー映画として、おもしろいと感じました。
脚本が「ふざけて」(←褒めてます)いて、
俳優たちの演技もそれに合っていて。
また、音楽も、
『時には母のない子のように』とか、
『500マイル』とか、
『ヒーロー』とか、
完全に「ふざけて」いました。

(院生は若いので、
3曲とも知らないのでした。
『500マイル』は、
ブラザース・4のレコード(!)が家にあったので、
歌詞も覚えていました。
(とても簡単な英語で、しかもゆっくりした歌なので。)


そういえばこのBrothers 4 の曲は、
『地球に落ちてきた男』
でも使われていました。


なつかし~~

大学院進学相談会

先週、大学院進学相談会が開かれ、
われらが総合芸術系からは、
わたしが出席しました。
中国からの留学生などが相談に来てくれて、
中には、わたしの研究室を(今は)希望してくれている学生もいました。
なんでも、
フェミニズム批評をやりたいとか。
それは、わたしも一緒に勉強していきたいヤツです!
一緒に勉強できたら楽しそうです!

2023年5月20日土曜日

『母という名の暗殺者』

ネトフリで公開された、

『母という名の暗殺者』(2023)

を見てみました。
原題は The Mother。
主演はジェニファー・ロペス。
彼女の映画、久しぶりに見ました。


The Mother と呼ばれる女性(ジェニファー・ロペス)。
アフガニスタンなどでスナイパーとして活動してきた彼女は、
マフィア(←かつての仲間)に追われ、
生まれたての赤ん坊の安全を優先し、
その子をFBI の手に委ねます。が、
十数年後、再び敵の手が娘に伸びたとき、
The Mother が戻ってきます……

娘を守る、強くて、コミュニケーションは苦手な生みの母。
十数年間、娘をやさしく世話してきた育ての母。
そのどちらにも愛を見いだす娘。
構造も、物語もごくシンプル。
見せ場はやっぱり、ジェニファー・ロペスのアクションです。
彼女は1969年生まれなので、50歳を越えています。
引き締まった体と、なめらかな動きは、
訓練の賜物なんでしょう。

最後まで、ふつうに見ましたが、
まあ、エンタメとしても、可もなし不可もなし、くらいかな。

『3つの心 あのときもしも』

アマプラで見かけた映画、

『3つの心 あのときもしも』(2014)

を見たんですが、
なんというか、「茶番」でしかありませんでした。

ある中年男が、リヨン駅で最終列車を逃し、
その後たまたま駅前で見かけた女性に声をかけ、
二人は結局一晩中リヨンの街を歩き回ることに。
(そしてなんと、この時点で、二人は恋に落ちている設定。)
名前も連絡先も交換しないまま、
翌週、パリのリュクサンブール公園での再会を約束。
しかし、男は約束に遅れ、女性は傷心のままリヨンに戻り、
もうヤケクソで、求婚者に結婚を承諾。
アメリカに旅立ちます。
一方男は税理士で、顧客の女性と次第に親密になり、結婚。
ところがこの女性は、あの時の女性の妹で……
というわけで、
わたしには「茶番」にしか見えないのでした。

出演者は豪華で、
ブノワ・ポールヴールド、
シャルロット・ゲンズブール、
キアラ・マストロヤンニ、
カトリーヌ・ドヌーヴ……

これだけ集めて、
もったいない……

2023年5月17日水曜日

授業方法

毎年授業をしていて、
毎年少しでもブラッシュ・アップしたいと思い、
そうやって来ています。
で、今年度、
「映画」を使った授業では、
まあ学生のやることは増えることになるんですが、
なんというか、
こんなサイクルを実行し始めました。

1/内容を指定し、その作品に関わる事項について、予習レポートを課す

2/映画を見る(こちらで説明をちょいちょい挟みながら)

3/「予習レポート」を踏まえて分析レポートを書く
  (「分析」の方法は、一応説明済み)

4/提出された分析レポートすべてについて、こちらからコメントを返す

5/提出されたレポートの中から、デキのいいものを、
  しかも視点がばらけるように選び、
  少しだけわたしが直したり書き足したりして、
  「レポート例」として公開する。(名前は伏せて)

6/授業で、作品の解説をする

7/「ディスカッション」という場所で、ここまでのすべてを踏まえ、
  最後のコメントを(学生が)書く

この「ディスカッション」は、
学生がお互いの意見を見られる場所なので、
他の学生の見方を聞いて、
自分の意見と比べられるのがいいところ。
しかも、言語化しなければならないので、
自分へのフィードバックが高まる(はず)

今のところ、いいかなと思っています。
まあ、わたしとしては、
4があるおかげで、
土曜の半分と、日曜全部がつぶれますけど!
(でも、学生が成長してくれればもちろんOK!)

2023年5月14日日曜日

『キング・オブ・シャドー』

ネトフリにあったフランス映画、

『キング・オブ・シャドー』

を見てみました。
原題は、Le roi des ombres で、
「影」は複数形です。


ラッパーの が、主人公の兄の役で出ています。
(準主役です。)

パリ郊外のシテ。
そこでは、2つの組織が麻薬取引を巡って対立しています。
一方はアフリカ系、他方はヨーロッパ系が中心。
でその前者のリーダーのイブラヒムには、
事故で視力を失った異母弟アダマや、
母親や妹がいます。
父親亡き後、家族の面倒は彼が見てきました。
とはいえそれは、犯罪行為を通してでしたが。
やがて抗争は激化。
アダマら家族も巻き込まれてゆきますが、
そんなとき、あるじけんをきっかけに、
アダマの視力が奇跡的に戻ります。
この、まだ誰も気づいていない事実を利用して、
アダマは事態の沈静化に乗り出しますが……

映画としては、
全体にちょっとずつ緩みが感じられて、
あまりいいデキとは思いませんでした。
「郊外」というものを消費している感じもあって、
『アテナ』には遠く及ばなかったかな。

2023年5月11日木曜日

妊娠中の刑事たち

先日見た『砕け散る絆』には、
妊娠中の主任刑事が登場していました。
で、
そういえば、という感じで記憶をたどると、
『コラテラル』

にも、
『ペーパー・ハウス』

にも、
コーエン兄弟の『ファーゴ』にも、
妊娠中の刑事が出ていたことを思い出しました。
もちろん、
他にもたくさんいるでしょう。
わたしも、もっといろんなところで出会っている気がします。

赤ちゃんは、生命の輝きです。
犯罪ドラマの中に、
そうした輝きを投げ込みたい気持ちは、
とてもよく分かりますね。

2023年5月7日日曜日

『プロミシング・ヤング・ウーマン』

昨日触れた『ザ・クラウン』では、
カミラ役で出演していたエメラルド・フェネル。
彼女が監督した、初めての長編映画、

『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)

を見てみました。(ネトフリ)
主演はキャリー・マリガン。


まず、映画としてテンポがよくて、見やすかったです。
一方内容は、
いわゆる「レイプ&リヴェンジもの」で、
ただ、リヴェンジするのはキャシー(マリガン)ですが、
レイプされたのは親友だったニーナです。
この二人の優秀な女性は、かつて医学生でした。が、
あるパーティーの後、悲惨な事件が起きてしまいます。
キャシーの憧れだったニーナは、
この夜以降壊れてしまい、大学もやめ、おそらくは自殺してしまいます。
キャシーもまた、夢だった医学の道をあきらめ、
大学を去ります。
ニーナの後を追う形でした。
けれども……、「犯人たち」男子学生は、
結局おとがめナシ。
女性校長は、「前途ある男子たちの将来をつぶせない」
というわけです。
「前途ある女子たちの将来」は踏み潰されたのに。
そして数年後、キャシーが働いているカフェに、
大学時代の同級生がやってきて、
「犯人たち」のその後の「活躍」を聞き、
彼女は行動を起こします……

さまざまな映画やドラマで、
見え隠れしていた問題です。
『ハウス・オブ・カーズ』では、
大統領を目指す女性が、
かつて自分をレイプし、
今は軍人として出世した男と出会います。
また、『ある告発の解剖』も、
かなり近いテーマでした。

キャリー・マリガンは、評判通りよかったです。
ラストでの彼女の運命は、もっと違う形もあり得たとは思いますが、
「たとえそれでも許さない」
という意味になっていて、
やはりこちらのほうがいいかもしれません。

(ただ、男性たちの描き方が、
やや戯画的というか、
もう少し多面的でもよかった気もします、映画としては。)

キャリー・マリガンは、最近これを見ました。


そしてこれもそうでした。


この作品は、今回の作品に連なっていると言えるでしょう。
そしてその先に、最新作、


が来るわけですね。
これはYouTubeにレンタルがあるので、見てみます。

2023年5月6日土曜日

戴冠式

チャールズⅢの戴冠式、
そんなにちゃんとじゃないですが、見ていました。

先日見ておもしろかった『エンパイア・オブ・ライト』は、
1980~1年を舞台としていて、サッチャーの名前も出てきてました。
そしてヒロインを演じたオリヴィア・コートは、
ドラマ『ザ・クラウン』で、
エリザベスⅡを演じているわけです。
なので、ちょっと興味が湧いて、
ちょうど1980年代にさしかかる、
シーズン4を見始めました。
すると……


この時期というのは、
チャールズが(王室によって)カミラと別れさせられて、
半ば捨て鉢な感じで、
そしてカミラへの強烈な未練の中で、
ダイアナに結婚を申し込み、
またダイアナの方も、
王室に嫁ぐことで家系を守れるとの思いもあり(と感じられます)、
結婚に至る時代でもあります。
そして82年になれば、
フォークランド紛争(戦争)が起き、
サッチャーはその本性を現わして好戦的になり、
チャールズの末弟は参戦する意志を見せたりもします。
こうした物語の中で、
オリヴィア・コートが女王を演じているのは、
なんだかちょっと目眩がします。
あの海辺の街の、
傾きかけた映画館で働いていたのに。
とはいえ一番注目しているのは、
やっぱりサッチャーの描き方なんですけどね。

さて戴冠式です。
まずチャールズⅢには、あまりいい印象がありません。
加えて、今日見ていると、
たとえば彼が乗っていた黄金の馬車は、
明らかに植民地主義華やかなりしころの遺物。
それをこんな風に使える無神経さは、さすがです。
(お名前は確認しませんでしたが、
某日本のTV局の中継を見ていたら、
大英帝国の強大さを、
さも素晴らしいことだったかのように興奮してしゃべっていて、
引きました。)
エド・シーランもアデルもエルトン・ジョンも、
みんなゲスト出演を断ったそうですが、
懸命でした。
(まあ、エリザベスの葬儀には加わった人もいましたが。)

フランスのニュースの情報によれば、
イギリス人の 2/3 は、戴冠式に興味はない、と。
それより、こんなことに政府の金を100億円も使うな、
ということなんでしょう。

君主制というものを存続させることに意味があるのか、
わたしは疑わしいと思っています。

2023年5月4日木曜日

『砕け散る絆』

アマプラで無料のフランス映画、

『砕け散る絆』(2018)

を見てみました。
原題は Rondes de nuit(夜回り、夜の巡回)です。


舞台はマルセイユ。
そしてその対岸のアルジェリア。
アルジェリア系の一家は、
母と、区長選挙に立候補している息子、フアド。
そこに、居場所がない家を離れ、パリに行っていた娘ミラが帰ってきます。
ミラは刑事で、
15年間音信不通だった父から、
マルセイユで会いたいという連絡があったからです。
(ミラは「パパッ子」でした。)
そんな時、あるモールで、
浮浪者が殺される事件が起こります。
見つけたのは夜警の男性でした。
そしてこの殺された男性こそ、ミラの父親だったのです。
その後、現場にいた女性が、
フアドの浮気相手だったことが判明し……

犯罪事件と、家族の物語を結びつけた作品です。
画質などから、テレビ映画かなと思います。
脚本のローラ・ピアニは、こんなことを言っていました。

Cette histoire est née d’un fait divers 
que j’ai lu dans Libé il y a une dizaine d’années 
qui racontait la mort d’un clochard dans un centre-commercial de Bagnolet 
et que les vigiles du centre-commercial se sont côtisés 
pour rapatrier son corps en Algérie. 
Cela m’a boulerversé. 
Ce peuple invisible et souterrain de vigiles, de rondes de nuit, de clochards, 
de gens qu’on côtoie tout le temps et dont on ne connaît rien, 
je trouvais que c’était beau.


脚本家らしいと言うか、共感できる話しですね。
ただ、映画のデキ自体は、
可もなし不可もナシ……かな。
わたしとしては、
こんなところにこんな俳優が、という感じがおもしろかったですが。

まず、ミラが所属する犯罪課の主任が、
『パリの家族たち』
の中で、
一番アクの強い役を演じていたオリヴィア・コートでした。

次に、ミラの母親役であるフェイリア・ドゥリバ。
彼女はこの映画
で、主演していました。
変わらない雰囲気で、目立っていました。
彼女は、明日公開予定のこの映画
にも出ているようです。

そしてもう一人が、
フアドの愛人役であるマリアマ・ゲイエ。
彼女が主役を務めたのは
でした。
彼女も、大好きなアイサ・マイガも出ている新作がこれ。

これ見たい!

2023年5月3日水曜日

2023年5月2日火曜日

誤訳? ~マンタラプティング!

今年のベストの1つ、
と先日書いた『ザ・ディプロマット』ですが、
その、とてもいいと思ったシーンで、
日本語字幕が誤訳? と思われる箇所がありました。
エピソード8の、22分あたりです。
備忘のために書いておきます。

イギリスの外務大臣デニソン(男性)と、
駐英アメリカ大使ケイトが、
フランスの女性外務大臣に面会する場面。
まずデニソンが提案を説明し、フランス外務大臣に拒否されます。
続いて、今度はケイトが話し始めるのですが、
そこでデニソンが再び話に割り込み、
(マンタラプティング!)
またもや拒絶され、この会見は一旦終わります。
が、
二人はめげず、今晩もう一度説得しようと話し合います。
で、ケイトはデニソンが一人で行くことを想定するのですが、
デニソンは、
いや、行くのは君だ、と答えます。なぜなら……

I interrupted you. 
And then gave you a chiding shake of the head.
Makes women furious.
She clocked it too.
You never have to mention it,
but you'll have an unspoken bond
build around your shared irritation.
With me.

この部分、字幕は、

邪魔者は私
君をたしなめて 神経を逆なでした
彼女も気づいていた
私と いら立ちを共有することで
不思議な連帯感が生まれる

となっています。
まず、論理的に意味をなしていない気がします。
「私と」誰が、「いら立ちを共有する」のか、
誰と誰の間に、「連帯感」生まれるのか?
よくわかりません。

ここでの誤訳のポイントは、最後の With you. です。
ここは、女性の話を遮って話した男性に対して、
女性二人がいら立ち、その結果、無言の内に、
(女性同士の)連帯感が生まれた、
ということなんでしょう。
つまり、With me. の with は、
その前の irritation から続いていて、
「私に対するいら立ち」
のことだと思われます。
それを通して、女性の連帯感が生まれたわけです。
デニソンは、女性の話しを途中で遮るという、
自分の男性中心主義的な失敗を踏まえて話しています。
なので、
With me. 
と彼が言うとき、
彼の声は、とても複雑に響くのです。
この部分は

(彼女の前で、私がやらかしたことに触れる必要はまったくないが、)
あなたたち女性二人の間には
不思議な連帯感が生まれている
いら立ちを共有することでーー
私に対する

くらいなんじゃないでしょうか?

2023年5月1日月曜日

Wes Anderson Directing ‘Star Wars’? A.I. Trailer

ウェス・アンダーソンが『スターウォーズ』を撮ったら!?

AI が作ったトレーラー。

『エンパイア・オブ・ライト』

院生が「よかった」と言っていた、
サム・メンデスの新作、


を(Disney+で)見てみました。
田舎の映画館が舞台、と聞いて、
あまり好きじゃない『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い出し、
どうかな、と思いつつ見始めたんですが、それは杞憂でした。
とてもよかったです。

舞台は、1980~81年のイギリス。
ドーバーの北に位置する海辺の街、マーゲイトです。
その、まさに海辺に建つ映画館、エンパイア劇場で、
統括マネージャー(というと現代的ですが、要は「主任」という感じ)
として働いているのが、ヒラリー(オリヴィア・コールマン)です。
40代後半にさしかかった彼女は、
映画館の支配人に性的に搾取されており、
精神的にも不安定です。
そんなとき、一人のアフリカ系のワカモノが、
アルバイトとして入ってきます。
彼は、大学入学が許可されず、
将来が不透明なままやってきたのです。
この、素直で明るいワカモノと、
沈滞気味だったヒラリーの間に、「物語」が生まれます……

……と、「恋愛映画」的な紹介の仕方をしましたが、
そしてそれが縦糸ではあるんですが、
この映画には多くの横糸があり、それらも魅力があります。
絵も、とくに色味が作品と合っていて、美しいです。

1980年と言えば、サッチャーが就任して間もない頃ということになります。
実際、彼女が政権についてから人種差別が激しくなった、
というようなセリフも出てきます。
(これは映画には出てきませんが、
サッチャーは、アパルトヘイト廃絶にも消極的だった、
と言われています。)

また、これはわたしにとっては大学生時代であり、
劇中に出てくるバンド、スペシャルズなどは、
レコードを買って聴いた記憶があります。
あの時代、イギリスで、
彼らが人種を越えたバンドであるという点に、
これほど注目が集まっていたなんて、
考えもしませんでした。
(わかってない大学生でしたねえ……)


なつかしい~!