2019年3月30日土曜日

よむよむザ・モールみずほ店


おお、ステキ!

よむよむザ・モールみずほ店

だそうです。
Merci beaucoup !

https://twitter.com/hakusuisha/status/1111558893535059969/photo/1


『異邦人』

先日のジュンク堂でのイヴェントでは、
じゃんぽ~る西さんとわたしそれぞれが、
おすすめの本を紹介したのですが、
中で、じゃんぽ~るさんおすすめの1冊、

『異邦人』(講談社まんが学術文庫)カミュ/須賀原洋行

は、おもしろかったです。
基本、主人公ムルソー(無流想)の主観で描かれていて、
だから、鏡の場面以外、
絵の中にムルソーはいないのです。
また、というわけで絵は彼が見ている世界なので、
まんがのコマが目の形をしていたりします。
どんどん引き込まれました。

ただ、これは会場でも話したのですが、
殺される男がアラブ系に見えない、
という点が、やや気になりはしました。
(これは以前、大きな論争のもととなった事柄なのでした。)

餃子(西川口)

ちょっと用事があって、
西川口に行きました。
で、
夕食をその辺で食べようということになり、
そう言えばこの街は、
中国系の店がたくさんある、
と聞いたことがあって、
そうしたものを探して少し歩いてみることに。

まず、東口をぶらぶるすると、
そこはほとんどが飲み屋さんで、
わずかにそれらしい店が点在するだけ。
で、
西口に回ってみると、
いきなり駅前の小さなロータリーに面したビルの二階に、

東北餃子王

の文字が。
これは、餃子好きには見過ごせません。
東北、とは、
きっと中国東北部のことなんだろうと勝手に決めて、
もう、階段を上がってゆきます。

店員さんも、
まだ二組しかいなかったお客さんも、
(たぶん)中国語で話しています。
そしてメニューには、
13種類の餃子が!
わたしたちは、そのうち5種類を注文し……

この店、
もし家の近所にあったら、
もうしょっちゅう行っちゃうような店でした。
パリの、
北方小館も思い出しました。

http://tomo-524.blogspot.com/search?q=%E5%8C%97%E6%96%B9%E5%B0%8F%E9%A4%A8

2019年3月27日水曜日

Junku堂イヴェント、終了!

じゃんぽ~る西さんとの、
雑誌「ふらんす」新年度号刊行記念イヴェント、
無事終了しました。
今回は、けっこう早めにチケットが完売していたのですが、
今日キャンセル待ちをしていただいた方もいて、
ありがたいことでした。
みなさん、熱心に聞いてくださり、
こちらはとても話しやすかったのですが、
もっと時間があれば、
あれもこれも話したんだけど!
と後で思いました。
でもまあ、今日一番話題にしたかった「黄色いヴェスト」については
(一応)話せたし、
よかったということにしたいと思います。

たまにこういうイヴェントに出ると、
実際にフラ語シリーズを使ってくださっている方々と直にお目にかかれて、
わたしとしてもとても励みになります。
(今年はきっと、
フラ語シリーズの中から、
改訂版を出せると思います!)

来ていただいた方、
ジュンク堂のスタッフのみなさま、
白水社のみなさま、
そしてもちろんじゃんぽ~る西さんにも、
un grand MERCI を送ります !!!

2019年3月24日日曜日

「ジュンク堂池袋本店/雑誌担当」の tweet から



https://twitter.com/junkuike_zassi?lang=ja

おお、これはなかなかステキ!

26日が楽しみです!

2019年3月22日金曜日

「ふらんす」4月号・あす発売!

まだわたしも実物は見ていませんが、
白水社のHPに、
内容紹介が up されました。

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b440753.html

これはおもしろそうですね!
しかも、
収録音声、DLできます!

今回はわたしも、
「フランス語のABC」
で参加させてもらっています。
14ページあるので、
けっこう読みごたえがあると思います。
よろしければ!

それにしてもこの「ふらんす」という雑誌、
とても内容が濃いです。
まあわたしは「ふらんす」の味方ではありますが、
客観的に見ても、
とてもいい雑誌だと思っています。
そして(これも宣伝というわけではなく)、
この雑誌の良さは、
定期購読するほうが、よく伝わると思います。
単発の特集もおもしろいですが、
連載物は、じっくり毎月読んでいる内に、
じわっと深いおもしろさがにじみ出てきます。

そして!
わたしも欠かさず読んでいる、

ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語放談」

は、もう4年目になるんですね。
こうなったら、もう永遠に続けて欲しいです!
今月号は、
大学の初回の授業が話題になるようです。
ぜひ、参考にしたいと思います!

発売は、明日です!

2019年3月21日木曜日

Ami-Ami

ウィリアム・レブギルは、
この映画で重要な役どころを演じていました。

http://tomo-524.blogspot.com/2018/01/cherchez-la-femme.html

その彼が主演するラブ・コメ、

Ami-Ami (2018)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=HE5XwjBgcik&t=3s

恋に破れた男ヴァンサンが、
もう恋なんてしない! と言って、
「最良の友人」である女性、弁護士のネフェリと同居を開始します。
当初はうまくいくのですが、
やがてヴァンサンはジュリと出会い、
また恋に落ちてしまいます。
でも、それをネフェリには言えず。
一方ネフェリは、ヴァンサンに対する恋心を抱き始め……
という(ややばかばかしい)お話し。

まあ、ありえない。
ネフェリもジュリも可愛くて、
こんな二人に同時に言い寄られるなんてことは、
ありえません。
そもそもこのヴァンサン、
まったく未熟な25歳で、
親からお小遣いをもらっているレベルです。

映画用語に、
「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」
というのがあります。
wiki から孫引きすれば、

「悩める男性の前に現れ、
そのエキセントリックさで彼を翻弄しながらも、
人生を楽しむことを教える“夢の女の子”」

となります。
この映画では、ジュリはぴったり該当する感じだし、
ネフェリだってそうとうそれに近い。
つまり、二人も「夢の女の子」を用意したわけですね。
ありえないわけです。

(またwikiからですが)
この言葉を作ったネイサン・ラビンは、

「繊細な脚本家兼監督の熱に浮かされた想像力の中にのみ、
陰鬱で感情的な若い男に、
人生とその無限の謎や冒険を愛しむことを教えるために存在する」

と言っていて、
まさに、という感じですね。

2019年3月19日火曜日

『キャプテン・マーベル』

今は時間があるので、
やりたかった企画をあれこれ試していると、
あっという間に一日が終わってしまいます。

で今日は、
楽しみにしていた

『キャプテン・マーベル』

見てきました。

https://www.youtube.com/watch?v=kHo8QYfxvok

まず、クリー人が住む星があります。
その国はどうやら「帝国」で、
ヴァース(というかヴィアースと発音してましたが)は、
その精鋭部隊の隊員です。

スクラル人がいます。
彼らはクリー人たちと戦っており、
しかも劣勢で、
ある星に逃げてきたのですが、クリーは執拗に攻撃してきます。

そして地球があります。
「今」は1995年で、
クリー人の戦争のことなど、
まったく知りません。

<以下、ややヤタバレします>

さて、こういう状況のもと、
スクラル人との戦闘の中で、
ヴァースは地球に落ちてきます。
ロサンジェルスです。

彼女を追ってスクラル人も到着。
ただ……
実は侵略的だったのはクリー人のほうで、
スクラル人は安住の地を求めて宇宙をさまよっているだけだ、
ということが分かってきます。
また、
ヴァースは過去の記憶が(断片しか)なかったのですが、
ある記録が見つかり、
彼女は実は地球人だったこと、
クリー人によって改造され利用されていたこと、
が分かってきます。
そして、
「地球人+スクラル人+ヴァース(=キャロル)」
vs.
「クリー人の戦闘部隊」
の戦いが始まるのです。

当初、
主人公ヴァースが、
「誇り」を持って「国」のために戦うというのを聞いて、
それはないな……
と思ったんですが、
それは、むしろそれを否定するための導入でした。
よかったです。

で、
スクラル人がユダヤ人の比喩であるのは間違いないでしょうが、
それは同時に、現代の、
大国の空爆などによって居場所を失った難民の比喩でもあるのでしょう。
問題は、「アメリカ」の位置です。
第一印象、クリー人は、
世界最強の軍事力を持つアメリカに見えます。
まあ、アメリカのダークサイド、と言っていいでしょうか。
ただ、ヴァース(キャロル)は、
アメリカ空軍をモチーフにした戦闘スーツを選ぶのです。
そして、侵略のためではなく、
平和のために戦う、ということになっているわけです。
つまり「アメリカ」は、
この2つの面を持つ存在として提示されているように読める気がします。
さらにいえば、
ヴァース/キャロルは、
クリー人であり地球人、という二重性を生きています。
これは、「アメリカ」の二重性とパラレルに見えるわけです。

そしてもちろんこの映画は、
女性のスーパーヒーローを描いていて、
女性たちへの応援歌にもなっています。
それも〇ですね。

というわけで、
わたしはとてもおもしろかったです!

2019年3月16日土曜日

『イコライザー』(1&2)

イコライザーというと、
オーディオのアレかと思いますが、
そうじゃありませんでした。

デンゼル・ワシントン主演の、

『イコライザー』/『イコライザー2』

を、アマゾン・プライムで見てみました。
(『2』だけ有料)

https://www.youtube.com/watch?v=4GGjX9r4JUI

https://www.youtube.com/watch?v=ov_bSLoZPdI

イコールにするもの、
というわけですが、
ここでは、平和をもたらすもの、くらいの意味なんでしょう。
「元CIAの凄腕エージェント」という設定はベタだし、
暴力的だし、
突っ込みどころは満載ですが、
これがヒット作になったというのは、
十分理解できます。
これは一言で言えば、
現代アメリカ版の「必殺仕置き人」で、
法が及ばないワルモノを暴力的に倒すわけです。
わたしたちは、そうした悪の存在をうすうす感じていて、
この映画はカタルシスを与えてくれるわけですね。
勧善懲悪の映画らしく、
特に「1」のほうで、
主人公が繰り返し言うセリフは、

Do the right thing.

でした。
(誰もがスパイク・リーを思い出すのでしょう。)

そして「1」のほうの、
主人公の行きつけのダイナーが、
いかにもホッパー風で、よかったです。
(そう言えば「2」のほうの海辺の雰囲気も、
かすかにホッパー的?)

2019年3月15日金曜日

「野崎歓と世界文学の仲間たち」

文句なしにおもしろそう。

http://www.l.u-tokyo.ac.jp/event/7267.html

そして、まちがいなく混みそう!

2019年3月12日火曜日

『エマ 人工警察官』

アマゾン・プライムでたまたま見かけ、
知らないフランス映画だったので、
とりあえず見てみました。
(無料だったし!)


旧いタイプの刑事のもとに、
若くてきれいな女性研修生がやってきます。が、
彼女はアンドロイド。
知的にも、体力的にもバツグンですが、
感情の理解がともなわない。
で、いろいろ摩擦が起こり、
そこか見どころです。

見る前に思っていたのは、
このアンドロイドが、
ここぞという時に(特撮的に)大活躍をして、
メデタシメデタシで終わる、ということでしたが、
さすがフランス映画というべきでしょうか、
ぜんぜんそうじゃありませんでした。
でもまあ、そういう意味も含めて、
一応おもしろかった、かな。

見終わって調べてみたら、
これはTF1のテレビ映画で、
DVDも出ていませんでした。
(知らなかったわけです!)

『ソヴァージュ』

つい先日、
フレンチ・フィルム・フェスティヴァルで見た、
Sauvage。

http://tomo-524.blogspot.com/2019/02/sauvage.html

この映画が、上映されます。

https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema1903291500/

https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema1904201215/

凄惨ですが、なかなかいいんですよね。

そして、恒例の「フランコフォニーのお祭り」の時期です。

https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/journee-de-la-francophonie-2019/

2019年3月11日月曜日

オマール・シー新作

オマール・シーの新作の話題が、
いくつか上ってきていますが、
中で一番気になるのが、これ。

http://www.leparisien.fr/hauts-de-seine-92/omar-sy-et-virginie-efira-tournent-a-antony-07-02-2019-8006796.php

ヴィルジニー・エフィラと同じ画面に現れるなんて、
想像してませんでした。

3人の警察官が、
おそらくは不法移民を国境まで連れて行くのですが、
途中、ヴィルジニーが、
彼を解放してあげようと言い出す、
というお話のようですね。

監督は、アンヌ・フォンテーヌ。
どうしても、『おとぼけオーギュスタン』の印象がぬぐえないのですが、
今や人気監督ですね。

ちなみに、これもあります。

http://www.leparisien.fr/actus/omar-sy

2019年3月9日土曜日

Demi-sœurs

ちょっと期待していた映画、

Demi-sœurs(2018)    (『異母姉妹』)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=QDoH4Rcy1uc

かなりおもしろかったです!

主人公は3人の女性たち。
この、まったく背景が違う3人は、
実は同じ父親の娘たち。
でも、この父親は子供たちが生まれる前に姿を消し、
彼女らは誰も実の父親の顔を知りません。
でも20年以上たったある日ある日、
彼が死んだという知らせとともに、
パリ7区にある豪壮なアパルトマンが、
彼女らに遺贈されたという連絡を受けます。
で、
3人の異母姉妹たちは、
初めて顔を合わせ、
結局、3人でそのアパルトマンに住むことになるのです。

3人の女性たちは、こんな感じ。  

サルマ(サブリナ・ウアザニ)は26歳。
パリ郊外ラ・クルヌーヴの中学校で、
歴史の先生をしています。
そのクラスは、アフリカ系も多いですが、
半数以上はアラブ系。
サルマ自身も(ウアザニが演じているわけですから当然)アラブ系です。
彼女はまだ男性経験がなく、
実家で母、祖母、妹たちと暮らしています。
(やさしく厳しかった養父は、2年前に他界しています。)

ローレンは28歳。
ファッション業界にいて、
フリーのスタイリストのような仕事をしていますが、
とても派手ではあるものの、
絵にかいたような浮き草家業で、
家賃もままなりません。
男関係もまたなかなか派手で、
セクシャル・ライフを楽しんでいます。
ただ、彼女の深い悩みは、
家族がないこと。
父親は(そういうわけで)おらず、
未熟な母はお気楽者で、
子供をほったらかして旅行三昧。
この喪失感が、彼女のトラウマです。

オリヴィアは29歳。
敬虔なユダヤ人で、
母親や養父と暮らしています。
そんな彼女の気がかりは2つ。
養父の経営していて破綻した菓子店を、
自分の力で再生させること。
そして、ステキな(ユダヤ人の)結婚相手を見つけること、です。

同居を始めた3人は、
何かにつけぶつかります。が、
この衝突を「バラエティー風」を越えるものにしているのは、
やはり、3人の中に、
アラブ系とユダヤ人が入っているからなのでしょう。
アパルトマンの中に、
それぞれが使う「ゾーン」を決めよう、
と主張するアリヴィアに対して、
「ここはガザなの?」
とサルマは応じるのです。
でも、おもしろかったのは、
オリヴィアが失恋した時の会話。
ベッドインまでしたのに、
なぜダメだったの?
としつこく聞かれたオリヴィアは、ついに言うのです、
彼がユダヤ人じゃなかったから、と。
「……それがなに?」
あきれかえるローレンに対して、
サルマはオリヴィアの味方をします。
「あんたにはわかんないの。これは大事なことなの」
するとローレンはまたもあきれ顔で、
「あんたたちって、
大事なことには何一つ分かり合えないのに、
こんな馬鹿げたことでは分かり合うわけね」
これはもちろん、
中東情勢を踏まえて言ってるわけですね。

ストーリーの持って行き方はかなり通俗的だし、
舞台となっているパリへの視線も感じられませんが、
この3人のヒロインを魅力的に見せたことで、
この映画は成功していると思います。
テーマは、家族、恋愛、仕事、自立、民族、アイデンティティー、
ということになるのでしょう。
(監督の Saphia Azzeddine は、アラブ系の女性です。)

2019年3月8日金曜日

ブーテフリカ大統領

アルジェリアのブーテフリカ大統領、
ついに立候補しました。

https://www.cnn.co.jp/world/35133603.html

彼は、もう4期努めていて、
5年前の脳卒中以来、
ほとんど公務はしていないといわれています。
実際今も、スイスで療養中のようです。

立候補をすると宣言して以来、
アルジェリア各地で反対デモがあり、
パリのレピュブリック広場でも、
アラブ系の人たちがデモを行い、
もうあいつはいらない、
と口々に叫ぶ場面を、ニュースで見ました。

このデモに配慮し、
当選しても、1年後には再び選挙を行い、
これには立候補しない、と言っていますが、
これ、イマイチ意味が分かりません。
反対派の人たちも、当然、
まったく納得していません。

ただ、この大統領は、
国家の中枢を押さえているようで、
選挙をすれば、勝ってしまうかもしれません。

ナリチュウ(=成り行きが注目される)ですね。

「地方自治への二重の背信」

毎日新聞、社説。

大阪知事・市長の策略 地方自治への二重の背信

https://mainichi.jp/articles/20190305/ddm/005/070/110000c

Osaka people の行動も、
全国から注目されるでしょう。

『陽のあたる場所から』

ソルヴェイク・アンスパック監督の、
別の作品を見てみました。

『陽のあたる場所から』(2003)

です。
(原題は、Stormy Weather。
英語題ですが、基本はフランス語です。)

https://www.youtube.com/watch?v=qCOrQBTqIEI

精神科の研修医であるコラは、
ある何もしゃべらない患者を担当しています。
ところがある日、
その患者はアイスランドへ送還されてしまいます。
インターポールの行方不明者のリストに、
彼女が載っていたのです。
それを知ったコラは、
あと数か月で治るのに!
という思いだけで、
アイスランドへ向かいます。
そこで、担当医に話をするつもりなのです。
が、着いてみると、
その女性ロアが、夫や子供と暮らす小さな島には、
町医者が一人いるだけで、
精神科医そのものがいないのです。
しかも、ロアは、
どうやらコラを覚えてさえいないようです。
失意に沈むコラ。
けれども、ある事件をきっかけに、
コラはロアを連れてフランスに戻る決意をします……

あまり明るい話ではなく、
それほど起伏があるわけでもなく、
物語はわりと淡々と進むのですが、
見終わってみると、
やはり前回見た L'Effet aquatique との、
明かな構造の類似を感じないわけにはいきません。
『水の効果』の場合は、
アラブ系の男性がヨーロッパ系の女性を追ってアイスランドへ、
という展開でしたが、今回は、
フランス人女性がアイスランドの女性を追ってアイスランドへ、
という形になっていて、
要は、AがBを追ってアイスランドへ向かう物語なのです。

『陽のあたる場所から』の場合、
唐突ですが、
このコラとロアは、
共に監督の分身であり、
アイデンティティーとか出自とか、
そういったものが隠れたテーマなのだろうと感じられました。
実は、ラストシーンに近く、
ロアがコラの手を取るシーンがあります。
ああ、監督の中で、
何かが和解したのだろうな、と思える場面でした。
そう考えてくると、
『水の効果』のほうも、
単純なロード・ムーヴィー的恋愛ものではなく、
たとえば同じアイデンティティーでも、
フランスのナショナル・アイデンティティーに関わるのだろうか、
などとも考えてしまいます。
これは自信ありませんが。

コラを演じたのは、エロディ・ブシェーズで、
彼女はこの映画の、印象的なヒロインでした。

http://tomo-524.blogspot.com/2013/09/louisetake-2.html

今回も彼女がきれいなので、
それが映画全体の印象をよくしていると感じました。
まあ、当たり前ですが。

今回は日本版のDVDで見たのですが、
こんなひねった作品の日本版が出ているのは、
よろこばしいことだと思いました。

2019年3月7日木曜日

トークイベント <ふらんす、シル・ヴ・プレ!>

3月26日のトーク・イベント、
今、ふと見たら、

満員御礼

の文字が。

https://honto.jp/store/news/detail_041000031213.html?shgcd=HB300

お申込みいただいたみなさま、
ありがとうございます!
Au plaisir de vous voir...

2019年3月6日水曜日

L'Effet aquatique

パリの東側、
モントルイユの市営プールから始まる物語である、

L'Effet aquatique (2016)

を見てみました。
おもしろかったです。

https://www.youtube.com/watch?v=9OaaD_wHqKM ←予告編

https://www.youtube.com/watch?v=mcHhlMqvU88  ←全編版!

アガトは、バツ1で、
プールでコーチをしています。
その彼女が、
言い寄ってきた男を撥ねつける場面にたまたま居合わせたサミールは、
彼女に恋していしまい、
なんとか彼女に接近すべく、
彼女のコーチを受け始めます。
(彼は地元で、高所クレーンを操縦する仕事をしています。)
ただサミールは、本当は泳ぎが上手。
それを隠してコーチを受け、
ある夜、閉館したプールに二人が閉じ込められたことから、
いいところまで行くのですが、
そこに、アガトの男性の同僚が、
派手な女性を二人連れて現われ、
大騒ぎを始め、しまいには、
女性の一人が、飛び込み用の深いプールに落ちてしまいます。
サミールは、
思わず飛び込んで助け、
その結果、彼が泳げることがバレ、
嘘をつかれたアガトは去ってしまいます。
で……
翌日サミールがプールに行くと、
アガトは、水泳関係のシンポジウムのために、
アイスランドへ旅立っていました。
サミールは、彼女を追ってアイスランドへ向かいます……

この映画、実は3部作の最後の作品で、
前2作は、

Back Soon (2008)
Queen of Montreuil (2011) 

です。
これは見てないので、
見ることにします。
で、監督はソルヴェイグ・アンスパック。
彼女の作品は、これがあります。

http://tomo-524.blogspot.com/2015/04/lulu-femme-nue.html

彼女の母親はアイスランド人で、
父親は、ルーマニア系ユダヤ人。
二人は戦後のパリで出会ったようです。
実は今回のフィルムでも、
シンポジウムに出席したイスラエル代表とパレスチナ代表が、
重要な役割を果たします。

アンスパック監督は、
わたしより2つ年下なんですが、
2015年に亡くなっています。
残念です。
(日本版DVDは、『陽のあたる場所から』があります。)

主演のフロランス・ロワレ=カイユはよかったです。
彼女が出ている作品、もっと見てみたいです。
もう一人の主演、サミール・ゲスミは、
これが印象深いです。

http://tomo-524.blogspot.com/2015/04/camille-redouble.html

ほかには、

http://tomo-524.blogspot.com/2013/10/hors-la-loi.html

そして、モントルイユの隣のバニョレが舞台だった、

http://tomo-524.blogspot.com/search?q=Gaucho

いい映画だった

http://tomo-524.blogspot.com/2016/07/gare-du-nord.html

にも出ていました。

L'Algérino - Va Bene

そして『タクシー5』の主題歌(?)が、これ。

https://www.youtube.com/watch?v=ZMwbswoUdP8

メディア・ミックス的な戦略ですね。
そしてこの曲、
見事にヒットしました。
まあ、曲自体がいいしね。

Taxi 5

「タクシー」シリーズの第5弾、

Taxi 5 (2018)

見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=_LzD6UtBgZk

上司の奥さんとの浮気が見つかり、
マルセイユに飛ばされたパリの「暴走」刑事シルヴァン。
彼は着任後、「個性的」な部下たちや、
やはり「暴走」で捕まったウーバーの運転手エディーと協力して、
フェラーリに乗ったイタリア系マフィアの犯罪を阻止する、
という(たわいない)お話し。

「タクシー」シリーズは、
ここまでの4作は、
サミー・ナセリとフレデリック・ディーファンタルのコンビが、
ずっと主役を務めてきました。が、
今回はだいぶ様子が違っています。

まず、監督・主演がフランク・ガスタンビッド。
彼は、今までこの2作を監督してきました。

http://tomo-524.blogspot.com/2013/04/les-kaira.html

http://tomo-524.blogspot.com/2018/10/pattaya.html

そしてこのPataya には、
今回の「5」にも出ているサブリナ・ウアザニが出ていて、
このウアザニとガスタンビッドは、
今ホットなカップルのようです。

https://www.parismatch.com/People/Franck-Gastambide-et-Sabrina-Ouazani-les-amoureux-du-Festival-de-l-Alpe-d-Huez-1600077

そしてもう一人の主演が、マリク・バンタラ。
彼もまた、Pattaya に出ていて、
この映画にもちょっとだけ出ていました。

http://tomo-524.blogspot.com/2013/04/nous-york.html

彼ら以外にも、
Moussa Maaskri
Édouard Montoute
Anouar Toubali
Ramzy Bedia
François Levantal
など、顔なじみが大勢出ています。

そうそう、エディーの「マブダチ」として、
ラッパーのソプラノも出ていました。
また、Cut-Killer がDJ役で出ていて、
これはどうしても、
『憎しみ』を思い出させます。

いわゆる「軽蔑語」が満載で、
もうPC的にはゼンゼンアウトなんですが、
ただ、その「軽蔑(と言うか、からかいと言うか)」が全方位的で、
どこかの集団だけに対してのものではないので、
見ている分には、わたしは問題があるとも思いませんでした。

この「タクシー」シリーズは、
日本では、いわゆるコメディー、というユルイ枠に入るのでしょうが、
実際は、かなりアラブ色が濃い映画でした。
この「5」では、
それが一層強くなったと感じました。

2019年3月4日月曜日

SYNONYMES

ベルリン映画祭の金熊賞、
『シノニムズ』。

https://www.youtube.com/watch?v=80RJL6FM3RU

「イスラエル出身の若者がパリに渡り、
自らの出自と向き合いながら、
不慣れな土地でもがく姿を追う」
(朝日新聞)

とても興味があります。
ただしまだ、フランスでもDVDにはなっていません。
日本公開はあるのでしょうか?

2019年3月3日日曜日

「フランス語のABC」

今週は、
会議日やら送別会やら、
なかなか落ち着かない1週間でした。
でもこれで、一段落した感じです。
(まだ、大事な送別会がありますが。)


雑誌「ふらんす」の4月号では、
まあ4月号らしく、
「フランス語のABC」というコーナーを担当しています。
今、そのゲラの最終段階、
というところですが、
これは、編集のMさんのアドヴァイスにより、
なかなか楽しいものになったんじゃないかと思っています。
4月号、ご期待ください!