2023年11月27日月曜日

イスラエルを非難している機関

現在のイスラエルのやり方を非難している機関は、
以下の通り;

国連事務総長
国連人権高等弁務官
WHO
ユニセフ
OHCA(国連・人道問題調整事務所)
国連・特別報告者
国連・独立調査機関
世界中の人権団体
世界中の軍縮NGO
無数の法律専門家

彼らは皆、イスラエルは「間違っている」と言っています。


2023年11月24日金曜日

ドイツよ

毎朝、BSでワールド・ニュースを見ていますが、
ここ数年、ドイツも、ドイツのニュースもしっかりしてるなあ、と、
何度も感心させられてきました。

しかし!

今回のパレスチナ問題に対するドイツの対応には、
すごくガッカリさせられました。
アメリカと一緒になって、
イスラエルに対する武器支援を増大させているのです。
なんということでしょう。

この点を、
ドイツ語の先生に尋ねてみたら、
それは……
ドイツにとっては、やっぱりナチの問題がおそろしく大きな十字架で、
「ユダヤ批判」はどうしてもできないみたいなんです……
という答え。
そうだろうとは感じていましたが、
やっぱりそうなんですね。
ふだんのドイツとはまったく違う印象なので、
この十字架は、日本人にはなかなか想像できないものなのかもしれません。
唯一の被爆国、とは声高に言いますが、
日本軍が、大陸で犯した激しい蛮行についての反省は、
めったに聞く機会のない国に住んでいるわけですから。

オランダよ

自由の国、と思っていたオランダで、
驚きの選挙結果が出ました。
下院選挙で、極右が第一党になったのです。


わりとどこも、こんな感じになってしまっていて……

朝日新聞から引用すると;

【欧州の右派勢力の躍進】

・ハンガリー 20224月の総選挙で、オルバン首相が率いる右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が第1党に。

フランス 226月の総選挙、右翼政党「国民連合」が野党第1党に。

・イタリア 229月の総選挙で、ファシズムの流れをくむ右翼政党「イタリアの同胞(FDI)」が第1党に。党首のメローニ氏が首相に就任。

・フィンランド 234月の総選挙で、移民・難民受け入れの制限を掲げる「フィンランド人党」が第2党になり、連立政権入り。

・ドイツ 236月、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が一部世論調査の支持率で2位に浮上。

・スロバキア 239月の総選挙で、民族主義政党「スロバキア国民党」が連立政権入り。


ウクライナの戦争が、
いろんな形で影響を及ぼしているようです。
でももちろん、
気候変動も、コロナも、グローバリズムも、
みんな関係しているわけですが。

それにしても、
ガザの惨状には心が痛みます。
休止期間に、少しでもなんでも改善されることを。

先輩と

一昨日の水曜日、
5年前に退職なさった、
ハプスブルク関連の第一人者である菊池先生と、
同僚一人と、わたしと、
3人で飲む機会がありました。
菊池先生と飲むのは、
退職なさってから初めてです。
なんというか、このままお目にかかれなくなるのはとても残念だったので、
同僚に頼んでセッティングしてもらいました。
(彼は菊池先生の「お弟子さん」筋です。)

5年経っても、
お話のおもしろさはまったく衰えていなくて、
とても嬉しかったです。

「お弟子さん」筋のM先生が、
まだ博士課程の学生だった頃、
ある学会で発表をしました。
そこにいらしたのが菊池先生で、
発表終了後の懇親会で、
M先生は菊池先生からキツイダメ出しをされたんだそうです。
「おまえの発表なあ…… ちょっとなあ……」
(←やや柔らかく表現してあります!)
ガ~ンときたM先生。でも、
それに続けて菊池さんは、いろいろ書いてある紙を取りだし、
「いいか? あそこはこう直して、
ここはこう直して、
それからこんなことも付け加えれば、
ぐっとよくなるだろう?」
そう言って、細かい指示の書いてある紙をくれたそうです。
当時学会の「プリンス」と呼ばれていたM先生は、
菊池先生のアドヴァイスがあまりに的確だったことに感動し、
以来、菊池派になったそうです。
そもそも、発表をちゃんと聞いてもらえただけでもありがたいのに、
的確なアドヴァイスまでくれる人。
それが菊池先生です。
若い院生なら、感動するでしょう。
(教育の本質はおせっかいだ、
と内田樹先生も喝破していました。
こちらもさすが。)

わたしが以前、
雑誌「ふらんす」で、
パリ映画を紹介する連載を1年間やったことがあります。
そのときも、菊池先生は毎回読んでくださって、
今回はイマイチ、今回はよかった、
と言ってくれるのです。
そして、
これは自分でもわりと上手く書けたんじゃ?
と密かに思っていたときは、
今まで一番いいじゃん!
と言ってもらえて、
わたしもとてもうれしいというか、安心した覚えがあります。

わたし自身、
なんというか、いつのまにか「年長者」になってしまったんですが、
まだまだ先輩たちに教えて欲しいことだらけです。

2023年11月19日日曜日

『ポーラー 狙われた殺人者』

このところみた3本の映画、

『ザ・キラー』
『トルプル・フロンティア』
『セキュリティー』

が、どれもわたしにはイマイチで、
どうしたものかと思っていたんですが、
その次に見た

『ポーラー 狙われた殺人者』(2019)

は、(一部分を除けば)おもしろかったです。


あと2週間で50歳になる「腕がよすぎる」殺し屋ダンカン。
彼が所属する「会社」では、50歳が定年で、
それ以降、多額の年金が入ることになっています。
ところが、
その「会社」が、年金の支払いをケチるために、
ダンカンを殺そうとします……。
まず、この設定がちょっとふざけてる。
殺し屋という稼業と、
年金という制度が、
ぜんぜんマッチしてないからです。
わたしはこの設定が気に入りました。

で、
マッツ・ミケルセン演じるダンカンや、
彼と出会う女性などは、
正統的なギャング映画のスタイルで撮られているんですが、
「会社」の側の人間たちはみな戯画的で、
スプラッター的で残酷なファンタジーの中にいるようです。
この齟齬が、この映画のおもしろさだと感じました。
(ただ、一般の批評家たちの評価はずいぶん低いことを、
後から知りました。
ファンタジーのほうに、乗れなかったのかなと思います。
たしかに、まあそれも分かります。
断片的な残酷なショットをつなぎ合わせたりするのは、
新しくはないし、見ていてイヤな感じはあります。
そこが「一部分」です。)

監督であるジョナス・アカーランドは、
有名ミュージシャンのMVをたくさん撮ってきた人のようです。
(その中には、イギー・ポップもいます。)

2023年11月16日木曜日

「年金問題燃えたパリの声」

これはおもしろそう。

◆爆笑問題のザ・リアル・ボイス▽民主主義をあきらめない!?

 年金問題燃えたパリの声


今度の日曜ですね。
予約しました。


2023年11月15日水曜日

TIMES OF GAZA

現在までのガザの悲惨な状況を、
TIMES OF GAZA が伝えています。
ただし、
日本のメディアでは流さないようなかなり厳しい映像も含まれているので、
苦手は方は見ない方がいいかもしれません。

2023年11月14日火曜日

外務省

はあ????
今それ言う???


赤ちゃんたち死んでるっていうのに?
それを止めさせようともせず?


2023年11月11日土曜日

アル・ジャジーラのニュースから

ガザの内部から報道を続けているアル・ジャジーラ。
今朝のニュースによれば、
ガザの保健省の発表として、
ガザの状況を伝えていました。

死者:11,000人

その内の子ども:4,500人
    女性 :3,000人

がれきに埋もれ発見されていない子ども:1,500人
負傷者:27,000

そしてマクロン大統領は、民間人殺害に「正当性ない」と発言しています;

https://news.yahoo.co.jp/articles/0ca05f80dba1f8956103589f4e8b770797fb1410

ただ一方で、
「イスラエルが国際法に違反しているかどうかについては明言を避けた」
のは、とても中途半端な印象です。
国連のグテーレス事務総長は、繰り返し国際法違反だと指摘しています。
そもそもイスラエルは、
分離壁、ユダヤ人入植など、
数十年にわたって国際法を無視してきています。
そして今回も。

ヨーロッパ文芸フェスティバル

もうすぐです!


同僚の先生は、Day4 - 1 に参加すると言ってました。
おもしろそうです。

『エンド・オブ』シリーズ

2013年から3年ごとに作られてきたこのシリーズは、

『エンド・オブ・ホワイトハウス』
『エンド・オブ・キングダム』
『エンド・オブ・ステイツ』

の3作。
続けて見てみました。
この3作で、500億ドル以上の収益があったとされています。
(ただし評価は割れていたようです。)


エンタメとしてはおもしろい、と思います。
古いタイプの映画ですが。

主役のジェラルド・バトラーは、
この手の映画の定番通り、
きわめて逞しく頑丈な肉体と、
揺るぎない精神を持っています。
そして、シークレット・サーヴィスという自分の仕事に、
ほとんど全霊を賭けています。
(心配する家族との板挟み、も定番です。)

まず思うのは、
ストーリーがクリアで、爆発が派手。
視覚的な刺激に満ちています。
一方、心理的な葛藤もないわけじゃない。
特に、第3作になって初めて登場した主人公の父親は、
イラク戦争の傷を背負った人物でした。
(ただエンタメなので、傷はもう塞がれつつあります。)

ただ、アレコレ言いながらも3作見てしまったし、
第4作が完成すれば見るでしょう。
また、
パリとロンドンを舞台にしたテレビ版、

La Chute de Paris


の製作も始まっています。
ただ、主役だとされていたマチュー・カソヴィッツが事故に遭ってしまったので、
どうやら主役は交代する模様ですが。
これも、見るでしょう。

2023年11月7日火曜日

『タイラー・レイク』1&2

ネトフリの大ヒット作、

『タイラー・レイク 命の奪還』

1と2を続けて見ました。


とてもオーソドックスな設定。
超人的な強さのタイラーは、取り返しのつかない後悔を抱えている。
それは、自分の幼い息子がガンと闘っていたとき、
その姿を見るのが辛くて、
アフガニスタンへ戦いに行ったこと。
それは紛れもなく逃避であり、
息子を見捨てる行為だったこと……

1では、
そんなタイラーが、
もともとは依頼された仕事ながら、
いつか、過去の代償行為として、
麻薬王の息子を守り続けます。
そして2でもやはり、
守るべき子どもが登場します。

この映画は、
表面上は苛烈なアクション映画で、
ちょっと殺しすぎの感さえありますが、
構図としては、
父親の再生の物語です。
ただそれは、どこまで行っても、
完全に再生することは叶わないわけですが。

彼の仕事仲間として、
ゴルシテフ・ファラハニが登場します。
もともと好きな女優ですが、
今回もとてもいい感じです。
複雑な人間として描かれているわけではありませんが、
アクションも含め、魅力的です。

決して新しいタイプの映画ではありませんが、
エンタメとして上手に作られていると思いました。

2023年11月6日月曜日

『ゴジラ -1.0』

3日に公開になり、
「大ヒット」しているという

『ゴジラ -1.0』

を見てきました。
(この春にわたしの研究室から東宝に入社した院生が、
チケットを送ってくれました。
こういうことは初めてなので、
しみじみ嬉しかったです。)


見終わって、
感想を聞かせてください、
という院生の希望に従って、
3000字ほど書いてしまいました。
せっかくなのでここにも上げることにしますが、

以下、もろにネタバレ

なので、
それでもいい場合のみ、
ご覧頂ければ幸いです。

**********************************

構図としては、「取り返しのつかないこと」を犯した主人公が、その代償行為を行なう、という形ですね。

 

・敷島が、自分は大戸島で死んでいるのではないか? 自分は本当に生きているのか? と自問する場面はよかったです。現実が、脅迫的な妄想に脅かされ、敷島が狂気の瀬戸際にいるのかと、一瞬思いました。その根底にある罪障感というか、取り返しのつかない感じは、映画の通奏低音としてはよかったと思います。(ただもっと描けるというか、敷島のさいなまれ方がまだ弱いというか、そういう感じもしました。とりわけそこを描こうとは思ってないのでしょう。)

 

・「戦争は終わっていない」というセリフは、敷島の状況を端的に表わしていて、悪くなかったです。ただしこれは、物語の展開を踏まえると微妙でもあります。つまりここでいう「戦争」とは何か、ということです。

トラヴィスにとっても、カーツ大佐にとっても、クリス・カイルにとっても、「戦争」は終わっていませんでした。そしてそれぞれの、その「終わっていないこと」に対する対応は違っていました。

では敷島の場合はどうだったかというと、彼は(「取り返しのつかなさ」の中で)、ついに自爆テロを完遂することで、自分の「戦争」を終わらせようとしました。そしてこの映画の評価は、ここから2つに分かれるでしょう。つまり;

 

1)敷島が生き延びたのは、橘が企図したいわば「偶然」の結果であり、敷島の意図はあくまで自爆することにあった点を重く見る立場があるでしょう。この立場に立てば、敷島が生き残ったという「ハッピー・エンド」は、自爆テロを称揚することのエクスキューズにしか見えないわけです。

2)他人の促しによるものであれ、ともかく「生き残った」、そして典子とも再会し、彼の「戦争」は終わったのだ、という点に意味を見いだすこともできるでしょう。つまり、自爆テロは誤った選択であり、生きることにこそ価値があると。

 

 このどちらかを選ぶのかは微妙です。それは、以下のこととも絡んできます。

 

・主人公の名前「敷島」が、日本海軍の軍艦の名前と一致しています。しかも「敷島」は、「日本」の異名であるともされているので、敷島個人を描いても、どうしても背後に「日本(軍)」の影が透けて見えてきてしまいます。

そしてそれは、ラスト近く、敷島が乗った飛行機に描かれた、あまりに目立つ日の丸とも呼応しているように感じました。彼は飛行機乗りですが、作戦自体は元海軍の兵士が参加し、武装解除されたとはいえ旧海軍の軍艦が参加しているわけです。「高雄」も「雪風」も出てくるし、「敷島」という名前が、軍艦を連想させないというのはムリですね。この辺が、自爆テロを称揚する1)の解釈と繋がるかなと感じます。

 

・後半、船に乗るのを拒否された水島が、「おれだって国を守りたい」を叫ぶシーンがあります。

これはとても多くの映画に言えることなんですが、「国家を守る」ことと、「家族や故郷を守る」ことが、いつの間にかイコールになってしまっています。これは、明確に分ける必要がある、別々の事柄です。なぜなら「国家」とはフィクションであり、想像の共同体であるわけですが、後者は、目の前にある具体的な存在だからです。国家はいつも、この二者を意図的に混同させることで、ワカモノを戦地に送り続けてきました。このあたりの峻別ができていないというか、製作者たちがそれに気づいていない感があります。(最近『1917 命をかけた伝令』を見たんですが、ここでも同じ混同が起きていました。サム・メンデスも分かってないと感じました。)

 別の箇所では、「今度は役に立ちたい」というセリフがありましたが、ここでも、「役に立つ」ことは、「国家」に対してであるように感じられました。

 

・秋津や野田は、国家批判めいたセリフを発しますが、残念なことに浅い。通り一遍の批判でしかなく、もっとえぐるような、突き放すような批判が欲しい気がしました。結局彼らも、国家を突き放してはいないという印象です。

 

・言わずもがなですが、オルガ・キュリレンコもシャーリーズ・セロンもガル・ガドットもカマラ・カーンも出てませんでした、石原さとみさえ! 彼女たちはどこに行ったんでしょう!? 代わりに出てたのは、野良犬のようなたくましさがあり、にもかかわらず健気で、どこまでもやさしくて、包容力がある「待つ女」と、口は悪いが情けに厚く、困った人を放ってはおけない「お母さん」でした。ないものねだりでしょうか!?

 

・これはもう割り切ったんでしょうが、言葉が21世紀でした。

典子の「だからなに?」とか、野田の「最適解(×2)」とか、1940年代に使われていた表現ではないですね。つい笑ってしまいました。(まあ、『3丁目』もファンタジーでしたが。)その一方、恐れ入谷の鬼子母神、も出てきますけど!(21世紀に誰が言う? 寅さんへのオマージュ!?)

 

・これは、ほんとに個人的な好みですが、佐々木さんも吉岡さんも演技が過剰に見えました。もちろん、敢えてそうしているんでしょうけど、その意味がよく分からない。

 

・この映画において、ゴジラは1つのモチーフに見えました。つまり、映画のキモは人間ドラマであり、ゴジラの持つ象徴性には、あまり気が行っていない。あるいは少なくとも、その象徴性を更新しようという意図はない。伊福部の音楽で、思い出すものは思い出しますが、新たな意味を帯びているようには聞こえませんでした。

 

・敬礼。あれはどういう意味? ゴジラに敬礼? というか、敬礼そのものが軍隊的。

 

・ゴジラに対応するチームが「民間」だというのは、今風(『キングズマン』シリーズとか、『ハート・オブ・ストーン』とか)でいいと思ったんですが、上記のように、実際は日本軍の影が濃すぎて、「民間」と感じられなくなりました。

 

・日劇 ←懐かしかったです。オールド・ファンは喜ぶでしょう。

(見間違いかもしれませんが、銀座のシークエンスの途中に、国会議事堂らしきモノが見えました。でその後また、服部時計店に戻ったので、アレ? と思いました。でもこれは勘違いかも。)

 

・細かいことを言うようですが、仮に上で書いた2)の立場に立つとしても、行き着く「幸福」が、男女のカップル+子ども、だというのが古典的ではありました。たしかにそういう時代でしたが。

 

・これも細かいですが、クライマックスで、もう十分「充電」したはずなのに、敷島の飛行機が来るまで光線をなかなか発射しないのは、ちょっと「?」でした。誰でも思いつくとおり、充電が始まるあたりから、だんだん近づいてくる飛行機と背びれをクロス・カッティングすればすむんじゃないのかなと。難癖みたいですが、あれだけの時間があれば、光線を左右に振れば、すべての船を破壊できたんじゃないかと。

 

・ゴジラの進路が地図上に示されたとき、その線は新宿の左側に来ていました。そこはやっぱり右側にして、皇居を感じさせて欲しかったです。(避けたんでしょうね? 天皇への言及は一度もないし。)

 

・敷島の苦しみは2つあって、特攻から逃げたこと、大戸島で機関銃を撃たず、他の人間を死なせてしまったこと、でした。前者について言うと、橘は、当初その選択を受け入れていました。なのでこれは、最後のオチと噛み合っていると思いました。そして後者についてですが、これはほとんどの観客が、あれはどうせ撃っていてもムダだった、と気づくでしょう。なのになぜ敷島は悩み、橘はそれをしつこく言うのか。橘だってその場にいたんだから、撃ってもムダだったのは分かるはずなのに。

橘は前者にも後者にも絡んでいますが、なにかちょっと一貫性を欠くような気も。


・ゴジラのルックスですが、シン・ゴジラのほうが怖かった。今回はちょっと可愛いですね。

2023年11月4日土曜日

『1917 命をかけた伝令』

見よう見ようと思いつつ3年(!)も経ってしまった、

『1917  命をかけた伝令』(2020)

を、やっと(アマプラで)で見てみました。
なかなかよかったです。


WW1の最中のフランス。
ドイツ軍は後退しますが、
実はそれは罠でした。
それに気づいた将軍が、
ドイツ軍を追おうとしていた部隊に作戦中止命令を出します。が、
連絡方法はなく、
ドイツ軍が占領していた地区を突っ切って行くしかありません。
その役に指名されたのは、
二人の若い兵士でした……

この映画は、
「全編1カット」であることが喧伝されていました、
もちろんこれは「そのように見える」ということ。
そして実際、
ほとんど編集点は分からないので、
たしかに「全編1カット」のようにも見えます。

この試みは、
たしかに緊迫感を生み、
伝令が届かないと1600人もの兵士が罠にかかるため、
見ている方もハラハラします。

わたしなどがこの映画を見て感じるのは、
戦争の虚しさです。
なんと巨大なムダなのか、と。
兵士たちは必死だし、
命をかける姿は美しくさえありますが、
どうしようもなくムダです。
なぜならそれが戦争だから。
この命とエネルギーを、
なぜ人類は「まともな」ことに使えないのか。
悲惨な戦いを見て思うのはそういうことです。

監督のサム・メンデスは、

自分よりずっと大きいなにかのため、
会ったこともない誰かのために自分を犠牲にするというのは
どのような意味があるのだろうか?
だから戦争の物語を語るんだ。

と言っていますが、
それが「国家」であるなら、
虚しいことだとわたしはいつも思ってきました。
人間が、その幸福のために導入した「国家」というシステム。
なのになぜ、
人間がそのシステムのために死ななければならないのか。
そんなはずはないと感じます。
なので、
メンデス監督の言っていることと、
作品からわたしがうけとったことは、
まったく違います。
(監督は、兵士たちが賭けているのは「国家」でさえない、
それは故郷であり、家族だ、
みたいなことも言っていますが、
これって、
国家がワカモノを動員するときの、
典型的な詐術です。
国家は、故郷や家族を守れ、と言いながら、
実質的には、想像の共同体を守らせているわけです。
監督は、それに気づいていないことになります。)

主演は、
『パレードへようこそ』のジョージ・マッケイ。
ほかに、
アンドリュー・スコット、
コリン・ファース、
ベネディクト・カンバーバッチ、
リチャード・マッデンなど、
有名俳優がいいポイントで出ています。
アンドリュー・スコットは、
歩く姿勢自体が演技になっていて、すごいと思いました。

2023年11月3日金曜日

イスラエル警察の暴行

イスラエルにいる超正統派のユダヤ教徒たちは、
反シオニズムの立場です。
となると、たとえイスラエル人に対してでも、
イスラエル警察はこんな振る舞いです。


10/7 にハマスがしたことは、
間違いなくテロであり、論外です。
ただし、今イスラエルがしていることは、
それ以上に許しがたい気持ちです。
この期に及んでなお、
イスラエルの「自衛権」を言ういくつもの国家も、
情けない限りです。


2023年11月2日木曜日

『荒野の風』

ネトフリにある南アフリカ映画、

『荒野の風』

を見てみました。
もしかしたら授業で使えないかな、
という下心からでもあります。


主人公は、二人の汚職刑事。
一人は妻が妊娠中のアフリカ系刑事、
もう一人は持っている牧場が火の車の白人刑事。
彼らは、最後に大きな「事件」を仕掛け、
ギャングから大金をせしめて、
そのまま刑事を辞めようと計画しています。

ストーリーはともかく、
わたしにとっての見所は、
アパルトヘイト廃止後こんなに時間が経っても、
人種間の軋轢は強烈に残っているという描写でした。
特にアフリカ系刑事の場合、
いわゆる「ちゃんとした」仕事に就いているにも関わらず、
さまざまな場面で差別に直面し、
また、警察そのものも、
白人の事件捜査を優先させたりもします。

映画自体は、ややスピード感にかけていて、
今の123分を、
100分くらいに編集し直せば、
だいぶよくなるんじゃないかと感じました。

ちょっと驚いたのが、原題。

Wild is the Wind

わたしにとってはボウイの印象が強い、極めつけの名曲が、
そのままタイトルになり、
もちろん劇中でも流れるのです。
(初出は、1957年のジョニー・マティス版。
この映画で使われているのは、ニーナ・シモン版。
もちろんこれも忘れがたいです。
南アの物語ですから、
当然ニーナ・シモン版を使うしかないですね。)

ちなみに、
アフリカ系刑事を演じたのはモツスィ・マッハーノ。
彼はこれらにも出ていました;


『ヴォルーズ』

昨日ネトフリに来たフランス映画、

『ヴォルーズ』(Voleuses)

を見てみました。


メラニー・ロランが主演・監督・共同脚本、
彼女とアデル・エグザルコプロスが主演で、
ボス役でイザベル・アジャーニも共演しています。

女泥棒たち、というタイトルそのままの話なんですが、
雰囲気は、まあ、『ミッション・インポッシブル』的なのでしょうか?
でも、MI を10点だとすると、
こちらは、甘く付けて3点、というところ。

この映画に限りませんが、
いわゆる「フランス映画」のダメさ加減が横溢していて、
「ローカル映画だなあ……」
と思ってしまいます。
フランス語の教員なので、
一応最後まで見ましたが、
ふつうなら途中でやめているところです。
アクションも、脚本も、ストーリーも、人物造形も、
どれも平均以下。

フランス映画、大丈夫?