2017年3月13日月曜日

日本的家族

今日は大学で、
4つの会議に参加してきましたが、
今年度については、
こういう連続会議の日は今日が最後。
いよいよ年度の終わりという感じです。
(あ、でもまだ卒業式があるんだった。)

「仁義なき戦い」シリーズは、
第3作の「代理戦争」と、
第4作の「頂上作戦」を見ました。
どちらも、緊張感が途切れず、
なかなかの出来栄え。
しかも、無理に引っ張っている感じはまったく感じられません。
そうした点では、
とてもよくできていると思いました。

トッドは、
各地域の家族形態の分析から始めて、
たとえば、
社会主義国家とのあまりに明確な関係を指摘しました。
(キューバ、ロシア、中国など、
外婚制共同体家族 (la famille communautaire exogame) の地域と、
はっきりした相関が認められる、というわけです。)

ヤクザの世界は、いわゆる擬制的な家族でできています。
そしてそのヤクザ的家族とは、とうぜん日本的な家族、
つまり、トッド流にいうなら、
直系家族 (la famille souche) (=親は子に対し権威的であり、兄弟は不平等)
なわけですが、
この映画の家族は、まさにそれ。
親は子に対し権威的であり、兄弟は不平等、そのものです。

当時この映画、どんな受け入れられ方をしたのかは知らないのですが、
(調べてみる価値はあると思います。)
ここで描かれた擬制的家族を通して、
日本の「会社」というものの在りように思いを馳せたということは、
あったに違いないと思います。

日本研究の教材として、
このシリーズは有効ですね。
(どこか海外の大学で、使っている先生がいるのでしょうか?)