2017年7月1日土曜日

A moi seule

レダ・カテブ主演という一点で見てみたのは、

A moi seule  (2012)

です。
これは「風変りな」映画で、
ふだんなら、わたしはまず見ないタイプのストーリーです。
10歳の時に誘拐され、8年間監禁されていた少女が、
ある日、なぜか、解放されます。
彼女は当然保護され、母親も駆けつけます。
でも、彼女がこの新しい現実と折り合うのは、
簡単ではなく……

https://www.youtube.com/watch?v=_-R3TFR6uqY

映画は、この重苦しいストーリーのわりには、
見ていてすごくつらい、というほどではありません。
というのも、物語の冒頭に少女は解放され、
監禁されていた時間は、
回想としてしか描かれないからです。
しかも、犯人は、暴力的な面を抱えながらも、
自分をヴァンサンと呼ばせ、
tu で話しかけさせ、
レイプしたりはしないのです。

ラスト、
解放された少女は、新しい「現実」とも、
8年間の「現実」ともうまくやっていくことができず、
ついに、入院していた刑務所のような病院を逃げ出し、
(今度は逃げるのです、(受動的に)解放されるのではなく)
彼女にとってのほんとうの「現実」を探しにゆきます。

レダ・カテブは、いつも通り、よかったです。
(ただファンなだけ!?)
また、少女の母親として、
ノエミ・ルヴォヴスキ Noémie Lvovsky が出ていて、
こちらの演技も素晴らしかったです。