2024年11月23日土曜日

この時代のこの行の文脈

谷川俊太郎さんが亡くなったというニュースから数日、
今もなんだかピンと来ません。
そんなことがあるのか?
ニュースが間違ってるんじゃないか?

月曜の「東京詩」の授業では、
小熊秀雄の「地下鉄」という詩も読むんですが、
それに合わせて、
谷川さんのこの詩も読みます。

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男と女ふたりの中学生が
地下鉄のベンチに座っていてね
チェシャイア猫の笑顔を貼り付け
桃色の歯ぐきで話しあってる

そこへゴワオワオワオと地下鉄がやってきて
ふたりは乗るかと思えば乗らないのさ
ゴワオワオワオと地下鉄は出ていって
それはこの時代のこの行の文脈さ

何故やっちまわないんだ早いとこ
ぼくは自分にかまけていて
きみらがぼくの年令になるまで
見守ってやるわけにはいかないんだよ


『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』より

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この詩集が発表されたのは1975年で、
当時高2だったわたしは、
中学生と谷川さんの年齢の間にいて、
不思議な感じで読みました。
今思えば、1冊の詩集として、
実感を込めて読んだのは、この詩集が最初だったのかも。
高校の机の中に入れておいたら、
友人が勝手に持ち出して読み、
よかったよ、とも言ってました。

授業ではこれを読んで、宿題を出します。

「それはこの時代のこの行の文脈さ」
という1行を含む詩を書く

です。

それにしても、
まだ信じられない気持ちです。