2015年4月2日木曜日

La Fille de Monaco

またも、ロシュディ・ゼム出演作である、
La Fille de Monaco
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=JNZX4r8S8lY

この予告編を見ると、
「セクシー・ロマンティック・コメディー」
に見えるし、実際そう言ってますが……

舞台はモナコ。そこで、
パリからやってきた有名弁護士に目を付けた、
地元のケーブルテレビの「お天気お姉さん」が、
彼を籠絡すべく動き出し、
その作戦は見事に成功するものの……
というお話です。
この「……」の部分を書くと、
完全にネタバレなので書きませんが、
でもこれがあるおかげで、
後味としては、
「ブラック・コメディー」
と言ったほうが近いでしょう。
実際、comédie noire と評している雑誌もありました。

さてゼムの役柄ですが、
これは弁護士を守るボディーガードです。
彼はかつて、この「お姉さん」と付き合っていたことがあります。
弁護士とボディーガードの、
女性に対する態度のちがいは、
物語を立体的にしてはいますが……

ゼムがアラブ系であることは、言葉では言及されていませんが、
ヨーロッパ系白人をアラブ系が守る、
という形になっていることは、間違いありません。
そして「……」の部分では、この関係が崩れるんですが、
その意味はあいまいな感じもします。

監督は、オーギュスタン・シリーズのアンヌ・フォンテーヌ。
そういえば、『女はみんな生きている』にも、
そういう意味ではブラックな部分がありましたが、
あれも女性監督(コリーヌ・セロー)でしたね。
どちらも、やや処罰的なところがあるように感じます。
特にこの『モナコの娘』は。

途中で思い出したのは、『痴人の愛』でした。