2015年12月4日金曜日

『ぼくの伯父さん』

ジャック・タチの名作、

『ぼくの伯父さん』(1958)

を見てみました。
かれこれ、30年ぶり?

https://www.youtube.com/watch?v=hRjtIg1NM84

チャップリンのトランプ氏のようでもあり、
Mr. ビーンのようでもあり、
いやいややっぱりユロ氏はユロ氏以外じゃない、
という気もして、
往年の、
つまり無声映画的世界を引き継ぐキャラとしては、
忘れられない人でもあります。

この映画は、
ユロ氏が住むパリの下町風の世界と、
彼の義弟であるプラスチック会社の社長がくらす世界の、
かなりはっきりした対比からできています。
で、
フランス版のwiki によれば、
ユロ氏の家はサン=モール=デ=フォセで、
工場はクレテイユで撮影されたとあります。
(社長宅はセット)
サン=モール=デ=フォセは、クレテイユ群の一部ですから、
まあざっくりいえば、両者ともクレテイユで撮られたと言えるでしょう。
でその撮影時期は、1956, 57年。
戦後の早い時期なんですね。
おそらくこの映画が、クレテイユを映した最初なんだと思います。

Google Map で、

Place d'arme, Saint-Maur-des-Fossés, France

を検索すると、
アルム広場が現れます。
この広場の、長細い芝生の三角形の鋭角の部分に、
ユロ氏とジェラール(と犬)の像があるのが見えます。
撮影は、この広場と向かい合うサン・ニコラ教会前の空間、
フール通りとアルム広場で行われたようです。

 
左側がユロ氏の家。
右端に見えているのが、
教会の南西の角ですね。

公開当時、「反動的だ」という批判もあったようですが、
どうでしょう。
バザンが言ったように、
レトロな良さを表現しながら同時に、
モダンの魅力もまた示しているように感じられます。

*Google Map のことですが、
これ、IE だと開くのに時間がかかります。
でもGoogle Chrome だと、ほんとにすぐ開けて、使えます。
わたしは今、Google Map 専用に Google Chrome を入れ、
つまりブラウザが2つある状態なんですが、
これ、なかなか便利です。