あの『最強のふたり』には、
原作があります。
といってもそれは、小説ではなく、
自伝的エッセイで、
Le second souffle
というタイトルです。
これ、映画とはまったくちがっていて、
貴族出身で超がつく大金持ちの筆者が、
庶民とはまったくかけ離れた人生を42年間送ったのち、
趣味のパラグライダーの事故で全身麻痺となり、
その苦しみの中で18年間を過ごす、
その間のさまざまな思いを、
「文学」的につづった作品です。
映画に登場するエピソードに近いものは多少ありますが、
映画は、ほとんど創作と言えるでしょう。
とにかく、全体のトーンがまるで違います。
今日たまたま、
この原作の日本語訳の本(The second wind)を見る機会がありました。
なんだか、ずいぶん記憶と違う印象なので、
家に帰って原書と見比べると、
なんと、翻訳書冒頭に置かれた「悪童」という章は、
原書では第Ⅱ部の途中の章でした。
しかも訳書は、その「悪童」に続けて、
何の断りもなく第1章が置かれているので、
これではまったく繋がりが分からないのでした。
ちょっと残念!