2018年3月14日水曜日

Vol spécial

スイスの不法移民収容センターを舞台にしたドキュメンタリー、

Vol spécial(2011)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=qSRDnIiYI3s ←全編版

舞台は、ジュネーヴ郊外にある、
不法移民収容センター。
ここには、
コソヴォ、
ナイジェリア、
コンゴ共和国、
カメルーン、
ガンビア……
などから来た不法移民たちが収容されているのですが、
事情はそれぞれです。
コソヴォから来た男性は、
20歳の時にスイスに来て、
40年の人生のちょうど半分をそこで過ごしました。
奥さんも子供もいます。
犯罪なんて縁がありません。
でも、滞在許可証だけがないのです。

ここに入れられた時、
彼らは告げられます。
「これからの可能性は3つだ。

1・釈放されて、自由の身になる。
2・自発的に、自由な人間として、故国に帰る。そのあとは自由。
3・拘束され、特別便(Vol spécial)に乗せられ、強制送還される。」

でも、このドキュメンタリーの中で<1>の結果を得たのは、
たった1人。
ほとんどは<3>なのです。

収容所内は、快適とは言えなくても、
劣悪な、というほどではなく、
食事も十分あります。でも、
「入居者」が求めているのはそんなことではなく、
子供や恋人と会ったり、
自由に働いて、自由に暮らすことです。
もちろん税金だってちゃんと払います。
でも……
強制送還が決まり、
大の男がしゃくりあげる姿は……

フィクションで言うと、
『サンバ』との共通点が多い作品です。
DVDには、たくさんの言語の字幕が付いていました。
(日本語はありませんが。)