2018年6月23日土曜日

ファティ・アキン/5

ファティ・アキン監督の作品、

『太陽に恋して』(2000)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=S5PzL-M3aWM

これはいわゆる「ロード・ムーヴィー」ですが、
その行程が、
ハンブルク → イスタンブール
というところが、
アキン監督らしいです。
この2つの都市は、
『愛より強く』でも、
『そしてわたしたちは愛に帰る』でも、登場していた、
監督にとっては2つの故郷なのでしょう。
(そしてその一方がヨーロッパ、
もう一方がアジアである点に、
彼の独自な特殊性があるのでしょう。)

高校の物理教師ダニエルは、
いつも通りかかるマルシェのアクセサリー売りの女性、
ユーリ(7月、の意)に気に入られています。
ついにある日、ユーリはダニエルに声をかけ、
幸運の指輪を売ると、
夜のパーティーに誘うのにも成功します。が、
その会場で、ダニエルは別の女性、メレクに恋に落ちます。
そして、ダニエルは、
イスタンブールに去った彼女に会いに出発するのですが、
ユーリもまた、たまたまダニエルと同道することになり……
というお話。

荒唐無稽なエピソードが挟まるところは、
『ソウル・キッチン』的で、しかも
お馴染みのビロル・ユーネルも登場するんですが、
この『太陽に恋して』を特徴づけているのは、
やはり、あの2つの都市の距離を、
具体的に体感させてくれる点にあるのでしょう。
ハンガリー、ルーマニア、
そしてドナウ川を渡ってブルガリアへ……
トルコ系ドイツ人である監督にとっての、
それはやはり具体的な道のりなのでしょう。
おもしろかったです。