2018年6月4日月曜日

ファティ・アキン/3

今度は、「死」を扱うとされる、

『そして、私たちは愛に帰る』(2007)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=p4iL8eizYNE

これは、三部構成になっていて、
それぞれ違う人物が主人公なんですが、
全体ではかなり緊密に繋がっていて、
つまり収斂と広がりが同時に達成されていて、
上手いし、好きな映画でした。

ストーリーは、
広がっている部分を含めるとなかなかに「大河」的ですが、
核になるのは、トルコ系ドイツ人の父子です。
トラブゾン出身の父は隠居していて、心臓病を抱え、
でも、ある女性(とは娼婦なのですが)に一緒に住もうと持ち掛け、
受け入れられます。
息子のほうは、まじめでやさしい大学教授。
父親はがんばって、教育を受けさせたんですね。
で、
この父親が連れてきた女性が発端となって、
物語が繰り出されてゆくのです。

これも、目を離すところのない、
おもしろい映画でした。

1つだけ。
ある人物のポスターが、ある部屋のドアに貼ってあり、
誰かな? と思ってそのポスターをキャプチャし、
画像検索したことろ、
Nazım Hikmet Ve Onun Memleketinden İnsan Manzaraları
という本がヒットし、
それを調べると、
ポスターの人は、トルコ出身の詩人、
ナーズム・ヒクメットであることが分かりました。
便利な時代になりました!

そうそう、ハンナ・シグラも出ています。