「16区を遠く離れて」の監督であるウォルター・サレス。
彼が、10年振りに発表していた映画を見てみました;
『アイム・スティル・ヒア』(2024)
実話に基づいた映画で、
舞台は、リオのレブロン地区。
コパカバーナの隣の、高級地区のようです。
時代は1970年代初頭。
軍事独裁政権の時代です。
夫婦がいます。
夫は元議員で、今は建築業。
妻は元大学教員。
子供は4人います。
「超」は付かないにしても、
文化的にも経済的にも豊かな一家です。
ただそんな中、
反政府活動に関わっていた夫が軍に連行され、
妻と長女もまた連行されます。
女性2人はまもなく解放されますが、
夫はなかなか戻って来ません……
主人公は、妻です。
この妻を演じたフェルナンダ・トーレスが素晴らしい。
これはわたしが言うまでもなく、
すでに、とても高い評価を受けているようです。
そして物語を見ていると、
「軍事独裁政権」というものの、日常レベルでの恐ろしさが、
深く伝わってきます。
概念的にではなく、リアリティーとして。
映画自体はとてもいいと思うんですが、
どうしても1つ気になるのは、
主人公たちが「上層」の人たちであること。
庶民には、もっと違った形での、
恐怖の感じ方があるはずだろうと。
もちろん実話なので、
こういう指摘はややズレがあることになるのでしょうが。
とはいえ映画としてはいい出来で、
おもしろかったし、
見る価値は十分あると思いました。