2008年11月17日月曜日

雪ふりつむ


今日の午後、暖かいので外で本を読んでいたら、真っ赤な蜘蛛、それも体長1mmほどの小さな小さな蜘蛛が、本の上に落ちてきました。

今日読んでいたのは、大御所・三好達治です。(彼は1900年ちょうどの生まれなので、歳と年号が一致して分かりやすいです。)どうでしょう、一番有名なのは、デビュー作『測量船』に入っている「雪」なんでしょうか?

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

この詩を始めて読んだのは、たしか小学校1,2年だったと思います。チョーうろ覚えですが、たしか、雪の降る静けさがどうの、という解説があった気がします。

今日思ったのは、この2行詩は、ちょうど雪の一片一片が、揺れながら落ちて来るように、ちょうどそう見えるように、2行が寄り添っているのかな、ということでした。(縦書きで想像してくださいませ。)ほら、同じ字数で、上下が「、」で分かれ、家と屋根のようにも見えるし、その家の前を、今雪がちらちら舞ってくるんだけど、そのちらちらする感じが、「太郎」と「次郎」が並んでいるあたりに感じられるような…… しかも2回出てくるので、落ちてゆく風情だし。

とまあ書きましたが、こんなことすでに誰かが言っているかも。なにしろ大御所なので、研究書も多いようです。

ところで明日、明大前の和泉校舎で、久間十義さんによる「複製芸術としての<文芸>の今」という特別講義があります。(5時間目。16:20~)参加無料です。わたしはちょうど、和泉校舎の図書館に行きたいと思っていたので、セットにするつもりです。

それにしても、大学って色々やるんですね!