2015年1月6日火曜日

『まなざしの長さをはかって』

イタリア映画、
『まなざしの長さをはかって』(2008)
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=VAJbFjKjn4w

(この予告、まるでホラーみたいですが、全然ちがいます。)

イタリア北部の小さな村、
そこに、代用教員として、
若く美しいマーラ(ヴァレンティーナ・ロドヴィーニ)が赴任してきます。
そして彼女を取り巻いて、
人間関係の変化が起こり……
というのは、まあベタな部類に入る展開なんでしょう。
この設定でイタリアとなると、
モニカ・ベルッチや、
(ちょっと違いますが)ラウラ・アントネッリなど、
「イタリアの魅惑の女性」の系譜が思い出されます。
で、たしかにそうした系譜にも連なっていると思います。
このヴァレンティーナ・ロドヴィーニという女優さんは、
たしかにチャーミングだと思いました。

わたしがこの映画を見ようと思ったのは、
そのマーラに恋するのが、
チュニジア系移民のハッサンだという紹介があったからです。
長男だった彼は、11歳の時父親が死ぬと、
「食べてゆくために」イタリアに渡ったのです。
今は小さな自動車修理工場を経営していて、
近くには、弟夫婦とその子供たちも住んでいます。
モロッコ人の親戚も、
近くのダイナーでシェフをしています。
(ただし彼は、クスクスが作れなくなっています。
ホームシックになるのがいやだから、ということのようです。)

ヴァレンティーナ・ロドヴィーニがきれいだし、
映像もきれいなので、
見ていて飽きません。が、
後半、殺人事件が起きてからの展開は、
どうなんでしょう。
この映画に必要だったのか……?
ハッサンは、迫害されている様子など全くなかったのに、
唐突に、チュニジア人だから犯人にされた、
みたいな話になってゆきます。
前半の流れが、うまくこの展開に乗っていっていないように感じました。
また、
メイン・ストーリーとは関係ないところで、
アジア系の不法労働者たちが逮捕される場面もありました。
これもまた、
やや唐突な感じがしました。