2019年2月15日金曜日

Diane a les épaules

MFFFの2本目は、
クロチルド・エム主演の

Diane a les épaules

です。

まず、設定がとてもレア。
ディアンヌという女性がいて、
彼女は、知り合いのゲイ・カップルの子供を、
代理出産しようとしています。
しかもそれは好意であって、報酬のためではないんです。
そこに、電気修理の男性、ファブリチオが登場し、
ディアンヌと恋に落ちます……。

映画の時間は、
ディアンヌのお腹=赤ちゃんの成長で計られます。
一般に、代理母は、
おなかの赤ちゃんに情が移ると言われますが、
まあ、当然なのでしょう。
ディアンヌもまた、例外ではありません。
でもおもしろい(?)のは、
ファブリチオです。
彼はディアンヌを愛してゆくなかで、
彼女のお腹の子どもも愛おしくなってくるのです。
そんなことって…… 
でもやっぱり、あるのでしょうね。
というか、そういうものだという気もしてきました。

そしてこのフィルムの雰囲気を決定してるのは、
もちろん、ディアンヌの個性です。
ディアンヌを演じるクロチルド・エムは、
『黒いスーツを着た男』の時の、
都会的でスマートなイメージを一転させ、
粗野で、気まぐれで、自由で、強がりで、やさしくて……
という女性を全身で演じています。
やっぱり、俳優ってすごい、と感じました。

このフィルムが提起しているのは、
1つには、もちろん生殖の問題。
社会にとって、また個人にとって。
それは当然、LGBTの問題系とも繋がるのでしょう。
大げさに言えば、
人類の未来の問題です。

*妊婦を直接に起用した作品としては、

http://tomo-524.blogspot.com/2018/07/blog-post_90.html

が思い出されました。
でも作品としては、
今回のほうがだいぶよかったです。