2020年2月15日土曜日

Mon frère

最近、Made in China というコメディ映画のことを書きましたが、
その監督である Julien Abraham の、
打って変わったシリアスな作品、

Mon frère (2019)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=h_up54KfOY4

脇役として、
わたしの好きなアイサ・マイガやヒアム・アッバスの名前が見えます。
また、この映画

http://tomo-524.blogspot.com/search?q=lieutenant

で、主人公アントワーヌを演じていた Jalil Lespert も登場しています。

バカロレアを控えた、アフリカ系の高校生テディ―。
彼は弟や両親と暮らしていたのですが、
この父親が恐ろしくDVで、
そのために母親は出てゆき、
(子供を連れて行こうとしたのですが見つかって失敗)
その後のある日、
やはり荒れ狂った父親がテディ―の首を絞めると、
思い余った弟が銃を構え……
で、テディーは弟の罪をかぶり、
教育的施設に入るのですが、
そこのメンバー札付きのワルたちで……

悪い映画ではないんですが、
かなり重苦しい。
施設にいるのは、
まさに『嘆きのピエタ』の主人公のような子どもたちが多く、
バカロレアが控えていたテディーはむしろ例外。
そんな環境の中で、
テディーは、母親がいるアムステルダムに行くことを夢見、
実際物語の後半で、
彼はそれを実行することになります。
そしてここでは、
母親と子どもというサブテーマが浮き上がってきます。

この監督は、
Made in China と同じ年にこの作品も発表していて、
ずいぶん雰囲気の違う作品を作ったものだなと感じます。
そしてどちらかと言えば、
こちらの、ヘヴィーな作品のほうがデキがいいと思いました。