2013年9月10日火曜日
Le Petit Lieutenant
今日見たのは、2005年の作品、
Le Petit Lieutenant
です。かつて、『神々と男たち』という映画がありましたが、
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html
これを撮ったボーヴォワ監督の作品です。
http://www.youtube.com/watch?v=9xyphRWl0uE
ル・アーヴルの警察学校を卒業したアントワーヌは、
家族を離れ、フィアンセとも離れ、
パリの部隊を志願します。
そこで会ったのが、母親ほどの年齢のヴェテラン女性警部。
ナタリー・バイ演じるこの警部は、実は元アル中。
しかも、幼い息子を亡くした経験があります。
そう、生きていれば、ちょうどアントワーヌくらい。
そして事件を追ううち、
アントワーヌに思わぬ凶器が襲い掛かり……
ちょっとキツイところもあるけれど、
落ち着いた、いい映画だと思いました。
わたしの好きなロシュディ・ゼムも、
パリの捜査チームに入っているし。
それにしてもこの監督、1967年生まれなのに、
すでにある種の人生観のようなものがにじんできて、
驚かされます。
熱いハートと冴えた眼。
才能ある監督です。
2017年6月18日日曜日
Marseille - de guerre lasse
マルセイユを舞台にした映画、
Marseille - de guerre lasse (2014)
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=GnV9SNFXNHE
舞台はマルセイユ、2008年。
そしてこの映画の骨格は、
フィルム・ノワールの定番に沿っていて、
まずは、マルチアーノと、ヴェルニョー(チャッキー・カリョ)という、
二人の親分がいます。
で、ヴェルニョーの息子アレックスは、
4年前、マルチアーノの弟を殺し、
その追ってから逃れるため、
外人部隊に入隊しました。
さらに彼の父親も、
それ以上の追跡を止めることの見返りとして、
経営するすべての店の権利を、
マルチアーノに譲りました。
そして、4年後の今、
戦闘によるPTSDを抱えたアレックスが、
「街」に戻ってきます。
それは、恋人だったKatia(サブリナ・ウアザニ)と再会し、
彼女と一緒に逃避行に出るためでした。
けれど、アレックスが戻ったという知らせは、
あっという間にマルチアーノの耳に入り……
というわけです。
ただしこの映画、これは物語の1つの面で、
もう1つ、これと同じくらい重要な面があります。
それは、家族の秘密にかかわる物語です。
実はヴェルニョーは、
かつてアルジェリアで植民者として生きた、
ピエ・ノワールなのです。
しかも、今の彼のパートナーは、
当時彼の家にいたメイドだったアラブ系のライッサ(ヒアム・アッバス)で、
二人の3人の子供(アレックス、カティア、ラシッド)のうち、
アレックス以外は、ライッサと当時の夫との間の子供なのです。
アルジェリア戦争が終わった時、
ピエ・ノワールはヨーロッパに逃げ、
彼らの家で働いていたアラブ系の人たちは、
対仏協力者として、
アルジェリアを追われたわけです。
というわけで、このフィルム・ノワールと家族の物語の結合が、
この映画を独特なものにしています。が、
やはり見ていて、複雑すぎる、と感じないわけにはいきませんでした。
ちょっと詰め込み過ぎたかもしれません。
ただ、マルセイユを選んだ理由についての、監督のこの言葉、
"Un bon décor, ce n’est pas quelque chose de joli qui passe bien à l’image –
c’est un lieu qui raconte une histoire"
これはまったく同感です。
そして、作品が多少複雑すぎるにしても、
今回の俳優陣は、とてもよかった。
しかも馴染みの人たちが多く出ていて、
ジャリル・レスペール(Le Petit Lieutenant) ←母親はアルジェリア系
チェッキー・カリョ(『ニキータ』)
ヒアム・アッバス(『シリアの花嫁』) ←アラブ系(イスラエル人)
サブリナ・ウアザニ(Mohamed Dubois ) ←アルジェリア系
ムアメッド・アゼルキ(Cheba Louisa) ←アラブ系
オリヴィエ・ラブルドン(『君を想って海をゆく』)
こんな感じです。
みんなよかったですが、
特に、サブリナは今回、
堂々としていてよかったです。
Marseille - de guerre lasse (2014)
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=GnV9SNFXNHE
舞台はマルセイユ、2008年。
そしてこの映画の骨格は、
フィルム・ノワールの定番に沿っていて、
まずは、マルチアーノと、ヴェルニョー(チャッキー・カリョ)という、
二人の親分がいます。
で、ヴェルニョーの息子アレックスは、
4年前、マルチアーノの弟を殺し、
その追ってから逃れるため、
外人部隊に入隊しました。
さらに彼の父親も、
それ以上の追跡を止めることの見返りとして、
経営するすべての店の権利を、
マルチアーノに譲りました。
そして、4年後の今、
戦闘によるPTSDを抱えたアレックスが、
「街」に戻ってきます。
それは、恋人だったKatia(サブリナ・ウアザニ)と再会し、
彼女と一緒に逃避行に出るためでした。
けれど、アレックスが戻ったという知らせは、
あっという間にマルチアーノの耳に入り……
というわけです。
ただしこの映画、これは物語の1つの面で、
もう1つ、これと同じくらい重要な面があります。
それは、家族の秘密にかかわる物語です。
実はヴェルニョーは、
かつてアルジェリアで植民者として生きた、
ピエ・ノワールなのです。
しかも、今の彼のパートナーは、
当時彼の家にいたメイドだったアラブ系のライッサ(ヒアム・アッバス)で、
二人の3人の子供(アレックス、カティア、ラシッド)のうち、
アレックス以外は、ライッサと当時の夫との間の子供なのです。
アルジェリア戦争が終わった時、
ピエ・ノワールはヨーロッパに逃げ、
彼らの家で働いていたアラブ系の人たちは、
対仏協力者として、
アルジェリアを追われたわけです。
というわけで、このフィルム・ノワールと家族の物語の結合が、
この映画を独特なものにしています。が、
やはり見ていて、複雑すぎる、と感じないわけにはいきませんでした。
ちょっと詰め込み過ぎたかもしれません。
ただ、マルセイユを選んだ理由についての、監督のこの言葉、
"Un bon décor, ce n’est pas quelque chose de joli qui passe bien à l’image –
c’est un lieu qui raconte une histoire"
これはまったく同感です。
そして、作品が多少複雑すぎるにしても、
今回の俳優陣は、とてもよかった。
しかも馴染みの人たちが多く出ていて、
ジャリル・レスペール(Le Petit Lieutenant) ←母親はアルジェリア系
チェッキー・カリョ(『ニキータ』)
ヒアム・アッバス(『シリアの花嫁』) ←アラブ系(イスラエル人)
サブリナ・ウアザニ(Mohamed Dubois ) ←アルジェリア系
ムアメッド・アゼルキ(Cheba Louisa) ←アラブ系
オリヴィエ・ラブルドン(『君を想って海をゆく』)
こんな感じです。
みんなよかったですが、
特に、サブリナは今回、
堂々としていてよかったです。
2023年4月15日土曜日
『ブルゴーニュで会いましょう』
アマプラで無料だったので、
さくっと見てみたのが、
『ブルゴーニュで会いましょう』(2015)
です。
ジェラール・ランヴァン、
ジャリル・レスペール、が出ています。
ブルゴーニュでワイン農家を営むフランソワは、
3年前に妻を亡くして以来やる気を失い、
今や農家は破綻寸前。
このままでは広大な畑が競売にかけられてしまいます。
そんなとき、
15年前に農業を嫌ってパリに出て、
今や有名テイスティング家となった長男が、
散々迷った末、
この農家を引き継ぐ決心をします。
これで、銀行からは、
1年の猶予が与えられるからです。
ただこの父子は、仲が悪い。
なのでワイン作りは簡単には進まず……というお話。
まあ、甘く言って、70点くらい?
ブルゴーニュの畑の景色は美しいですが、
あとは、ややムリのある、ベタな話です。
そしてこの映画を貫いている「思想」は、
伝統を重んじる「よきフランス人」にとって、
アメリカと日本は相容れない敵であり、
そうした文化に染まったフランス人もいるから、それにも注意すべき、
そして「フランス人」こそは、
ローマ以来の伝統を引き継ぐものなのだ、
というところでしょうか。
実はフランソワの畑の隣には、
ライヴァルである醸造家がやはり広い畑を持っており、
その家の娘は、いったんアメリカ人と結婚するのです。
でも、1年で離婚。
懐かしの畑に戻ってきます。
「フランス人」にとっての原風景である、
ブドウ畑の中に。
そして日本は、フランソワが息詰まったとき、
その畑を買い取ろうとしゃしゃり出てくる役目です。
そしてこの、フランスの魂とも言えるワインを扱う映画には、
アフリカ系も、アラブ系も、アジア系も、
影も形もありません。
見事に全員ヨーロッパ系白人です。
フランス映画が、一般にドメスティックに見えることに、
この映画も貢献しています。
主役であるジャリル・レスペールは、
この映画が印象に残っています。
彼が主演でした。
こんな作品もありました。
これはネトフリに、『ブラザー 若者たちの掟』
というタイトルで挙がっていました。
また、この映画ではバスの運転手でした。
それからジェラール・ランヴァンですが、
彼はやっぱり、
やさぐれ刑事かなんかの方が、
似合うと感じました。
2022年11月8日火曜日
『ノートルダム』
『ノートルダム』
見終わっています。
評価は、まあ、68点くらい?
原題は
Notre-Dame, la part du feu
で、後半は、
faire la part du feu
(一部を犠牲にして残りを救う/ロワイヤル中辞典)
なのでしょう。
メインとなる出来事は、
もちろんノートルダムの火災で、
それに立ち向かう消防士たちの葛藤や決断が描かれます。
その中心にいるのが général であるデュクール。(写真中央)
彼は、ほんの数ヶ月前、
ある火災限現場で、消防士である息子を失っており、
これまで多くの部下を失ってきたこともあり、
退職を決意しています。
そんなとき、ノートルダムで火災が起こり、
彼は現場のリーダーとして出動するのです。
ただ、このドラマはサブ・ストーリーが多い。
簡単に整理すると、
まず、デュクールの亡くなった息子の恋人アリス(右端)がいます。
彼女もまた消防士で、妊娠しているのです。
次に、このアリスの行きつけのカフェの主人、マックス(左端)もいます。
彼の妻は、余命数日で、
ノートルダムのすぐとなりのHôtel-Dieu病院に入院していて、
また彼の娘(左から二人目)は、この2年家でしたままで、
実際にはヤク中の娼婦に成り果てています。
ただ彼は、妻が逝く前に、
妻の元に娘を連れて帰ってやりたいのです。
マックスの追跡が始まります。
3番目は、lieutenant であるアントニーと、
フリーの女性リポーター、エレナの物語です。
二人はレユニオン島の出身で、
実はかつて婚約していたのです。
けれどもエレナは、いわゆる華やかな生活への憧れが捨てきれず、
フィアンセを残してパリへ行ってしまいます。
これは7年前。
そして今、消防士になったアントニーを見つけ、
彼を利用して火災現場に入りこもうとするのです。
4番目は、デュクールのすぐ下の部下、
ヴァレーズ(右から二人目)の物語。
彼女は敬虔なクリスチャンで、
ノートルダムを救いたい気持ちは人一倍強いのですが、
一方で彼女は、同性愛者でもあります。
ここに彼女の、信仰者としての屈折があります。
5番目は、ノートルダムで働いていた屋根職人。
アラブ系の彼は、実はシリアでは医師で、
難民となってパリに来て、今の仕事をしているんですが、
実はパリまでやって来る道中、
婚約者とはぐれてしまったのです。
そして火災の混乱の中、
彼はある女性から目が離せなくなり……
という感じです。
そして残念ながら、
これらのサブスーリーのどれもが、
まあ、イマイチ。
ついでにメインも、イマイチ。
なので、70点に到達しない印象でした。
ちょっと詰め込みすぎたし、
全体に浅い感じでした。
残念!
2020年2月15日土曜日
Mon frère
最近、Made in China というコメディ映画のことを書きましたが、
その監督である Julien Abraham の、
打って変わったシリアスな作品、
Mon frère (2019)
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=h_up54KfOY4
脇役として、
わたしの好きなアイサ・マイガやヒアム・アッバスの名前が見えます。
また、この映画
http://tomo-524.blogspot.com/search?q=lieutenant
で、主人公アントワーヌを演じていた Jalil Lespert も登場しています。
バカロレアを控えた、アフリカ系の高校生テディ―。
彼は弟や両親と暮らしていたのですが、
この父親が恐ろしくDVで、
そのために母親は出てゆき、
(子供を連れて行こうとしたのですが見つかって失敗)
その後のある日、
やはり荒れ狂った父親がテディ―の首を絞めると、
思い余った弟が銃を構え……
で、テディーは弟の罪をかぶり、
教育的施設に入るのですが、
そこのメンバー札付きのワルたちで……
悪い映画ではないんですが、
かなり重苦しい。
施設にいるのは、
まさに『嘆きのピエタ』の主人公のような子どもたちが多く、
バカロレアが控えていたテディーはむしろ例外。
そんな環境の中で、
テディーは、母親がいるアムステルダムに行くことを夢見、
実際物語の後半で、
彼はそれを実行することになります。
そしてここでは、
母親と子どもというサブテーマが浮き上がってきます。
この監督は、
Made in China と同じ年にこの作品も発表していて、
ずいぶん雰囲気の違う作品を作ったものだなと感じます。
そしてどちらかと言えば、
こちらの、ヘヴィーな作品のほうがデキがいいと思いました。
その監督である Julien Abraham の、
打って変わったシリアスな作品、
Mon frère (2019)
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=h_up54KfOY4
脇役として、
わたしの好きなアイサ・マイガやヒアム・アッバスの名前が見えます。
また、この映画
http://tomo-524.blogspot.com/search?q=lieutenant
で、主人公アントワーヌを演じていた Jalil Lespert も登場しています。
バカロレアを控えた、アフリカ系の高校生テディ―。
彼は弟や両親と暮らしていたのですが、
この父親が恐ろしくDVで、
そのために母親は出てゆき、
(子供を連れて行こうとしたのですが見つかって失敗)
その後のある日、
やはり荒れ狂った父親がテディ―の首を絞めると、
思い余った弟が銃を構え……
で、テディーは弟の罪をかぶり、
教育的施設に入るのですが、
そこのメンバー札付きのワルたちで……
悪い映画ではないんですが、
かなり重苦しい。
施設にいるのは、
まさに『嘆きのピエタ』の主人公のような子どもたちが多く、
バカロレアが控えていたテディーはむしろ例外。
そんな環境の中で、
テディーは、母親がいるアムステルダムに行くことを夢見、
実際物語の後半で、
彼はそれを実行することになります。
そしてここでは、
母親と子どもというサブテーマが浮き上がってきます。
この監督は、
Made in China と同じ年にこの作品も発表していて、
ずいぶん雰囲気の違う作品を作ったものだなと感じます。
そしてどちらかと言えば、
こちらの、ヘヴィーな作品のほうがデキがいいと思いました。
2015年6月3日水曜日
『チャップリンからの贈り物』
7月18日から公開されるこの映画、
http://chaplin.gaga.ne.jp/#
わたしはまだ見ていませんが、
ちょっとおもしろそう。
原題は La Rançon de la gloire です。
ロシュディー・ゼムとグザヴィエ・ボーヴォワのコンビは、
これで3回目。
前2回は、
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/noublie-pas-que-tu-vas-mourir.html(1995)
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/le-petit-lieutenant.html(2005)
なんだか、ほぼ10年に1回ペースなんですね。
2005年の作品はよかったけれど、
今度はどうもコメディー・タッチのよう。
期待したいところです。
http://chaplin.gaga.ne.jp/#
わたしはまだ見ていませんが、
ちょっとおもしろそう。
原題は La Rançon de la gloire です。
ロシュディー・ゼムとグザヴィエ・ボーヴォワのコンビは、
これで3回目。
前2回は、
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/noublie-pas-que-tu-vas-mourir.html(1995)
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/le-petit-lieutenant.html(2005)
なんだか、ほぼ10年に1回ペースなんですね。
2005年の作品はよかったけれど、
今度はどうもコメディー・タッチのよう。
期待したいところです。
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