シーズン6×10話という長いドラマ、Lucifer。
これ、以前1周したんですが、
なぜか、2周目を見ていて、
すでにシーズン4まで見終わりました。
そして、なぜか、前回よりおもしろく感じます。
前回は、事件の謎解きにも意外さの期待があったんですが、
今回は、それはほぼまったく期待してなくて、
あくまで、メインのストーリーの「反映」としてある、
というつもりで見ているので、
当然、よりメイン・ストーリーの持つ、
さまざまなレベルでの「意味」に目が行くからでしょう。
このドラマ、舞台はロスで、
さらに言うなら、ロス市警と、クラブ「ラックス」(と事件現場)です。
この、これ以上ないほど現実的な舞台で、
(元天使の)悪魔が、人間たちと交流します。
もうこの時点で、「作り物」、
つまり、そう言ってよければ、メタな物語なのです。
でも、その悪魔が直面するのは、
父と子の問題であり、
自己決定の可能性であり、
愛のあり方という、
いわばきわめて「人間」的な事柄です。
しかもこの悪魔は、セラピーにも通っているのです!
ただ、悪魔であるLuciferは、
「男性」のファンタスムを生きているとも言えます。
ロマン主義以来、数々登場したあのキャラクター、
「女あそびはすごいけど、実は心に傷を抱えていて、
その傷を癒してくれるのは、彼にとって特別な女性」
というやつです。
Lucifer は、ピッタリこれに当てはまってしまいます。
ただ、だから男性主義的な、反フェミニズム的な、
male gaze 満載のドラマかと言えば、
そうでもありません。
なぜなら、Lucifeにとって特別な女性、クロエ・デッカー刑事の内面もまた、
ある程度以上丁寧に描かれているからです。
クロエの同僚の女性エラも、地獄から来た魔物の女性メイズも、
Luciferの母親の魂が入ってしまう女性シャーロットも、
単なる男性の視線の対象で終わらず、
それぞれの悩みを抱え、
それぞれの人生を歩んでいるからです。
今日見始めたシーズン5の第1話の最後で、
「ハッピー・トゥゲザー」が流れました。
いい声の女性ヴォーカルのカヴァーでした。
で、懐かしくなって、
その後Youtube でオリジナルやカヴァーを聞いていたら、
おお、Lucifer で流れていたヴァージョンがありました。
クィア・ポップのスター、King Princesse でした。
このシーン、ちょっと感動しました。