2010年6月2日水曜日

お試し


先週のあるクラスで、ちょっと「お試し授業」をやってみました。
それは、3,4年生しかいないクラスで、一応「フランス語」の授業なんですが、
フランス関連の話も、わりと多めにすることにしているクラスです。

「お試し授業」のテーマは、「市民革命」と「万博」。
まず全員に紙を用意してもらって、
その1行目には「1688」、最終行には「2010」と書き込んでもらいました。
「名誉革命」と、「上海万博」ですね。
でそこから、2 つのラインを話し、そのところどころで
ラインがクロスする、というわけです。だから登場する年号は、
1863(パリ条約), 1789, 1851(第1回万博)、1868,
1889(革命100年万博)、1914, 1945, 1964, 1970,
1973(オイル・ショック)などです。

歴史好きの方には、なにを今さら、という感じだと思います。
でも、明治の理工学部の場合、入試に「社会」がないので、
1789 が何の年か知っている学生は、おそらく……
いや、これは秘密です!

「万博」といえば、これは吉見俊哉ですね。
もちろん授業でも、だいぶ吉見本からの受け売りもありました。

とにかく、たとえ「今さら」と言われても、
就職活動する学生たちに伝えておきたかったのは、
「市民革命」の before と after はこんなにちがうということ。
でもその「革命」も、もちろん万能ではなかったこと。
明治維新と現代日本の間には、「帝国」時代があったこと。
万博が、フランス革命以降に登場したのは、理由があったこと。
(高校の新入生が、たとえば合唱祭を通して「一丸」となるように、
王なき国家は産業を通してまとまろうとした。)
産業革命が、イギリスで最初に起こったのは、
イギリスが植民地を(フランスより)多く持っていたからだということ。
くらいかな?

で、「お試し授業」は、いったい何分かかるか見当がつかなかったのですが、
なんと85分かかりました。う~ん、これじゃあ、
ちょっとした雑談には向きません!

*世界史受験知識で言うと、ちょうど100年刻みで;
1689:権利の章典(前年が名誉革命)
1789:フランス革命
1889:大日本帝国憲法(とエッフェル塔万博)
これ、覚えやすいです!