2018年10月10日水曜日

『はじめてのおもてなし』続

もう、巷で言われていることなんでしょうが……

この映画は、
ナイジェリアからの移民の青年を、
ミュンヘンに住むブルジョワ家庭が受け入れる、
という話なわけですが、
この受け入れ家庭は、
医師のリヒャルトと、
もと校長先生であるアンゲリカの夫婦が中心です。
で、
リヒャルトと言えば、
そう、まずはリヒャルト・ワーグナーが思い出されます。
そして、彼が反ユダヤ的だったこと、
彼のオペラのでは、
ファルス中心主義的な人物が目立っていたことを考えれば、
この映画のリヒャルトは、
作曲家のリヒャルトをモデルにしたものだろうと考えられます。
ヒトラーも、ワグネリアンでした。

そしてアンゲリカですが、
彼女の思想のバックボーンにはキリスト教があり、
難民受け入れに熱心で、
まぎれもない「西洋の女」(←と自分で言うのです)であり、
名前が「天使」がらみだということを考えれば、
これは、
どうしてもアンゲラ・メルケルを考えないわけにはゆきません。
だとすると……
なんとこの夫婦は、
夫がリヒャルト・ワーグナー、
妻がアンゲラ・メルケルなのです!

ドイツで大ヒットしたというのは、
このあたりのこともあったのだろうと、
推察しています。

(そして実は、
映画のリヒャルトは性的に不能です。
これは……
彼のファルス中心主義は、
もう内部から崩壊しているということなのでしょう。
そう言えば、ウェルベックの小説では、
主人公の不能が、
ヨーロッパの衰退を象徴していました……)