『ザ・キラー』
『トルプル・フロンティア』
『セキュリティー』
が、どれもわたしにはイマイチで、
どうしたものかと思っていたんですが、
その次に見た
『ポーラー 狙われた殺人者』(2019)
は、(一部分を除けば)おもしろかったです。
あと2週間で50歳になる「腕がよすぎる」殺し屋ダンカン。
彼が所属する「会社」では、50歳が定年で、
それ以降、多額の年金が入ることになっています。
ところが、
その「会社」が、年金の支払いをケチるために、
ダンカンを殺そうとします……。
まず、この設定がちょっとふざけてる。
殺し屋という稼業と、
年金という制度が、
ぜんぜんマッチしてないからです。
わたしはこの設定が気に入りました。
で、
マッツ・ミケルセン演じるダンカンや、
彼と出会う女性などは、
正統的なギャング映画のスタイルで撮られているんですが、
「会社」の側の人間たちはみな戯画的で、
スプラッター的で残酷なファンタジーの中にいるようです。
この齟齬が、この映画のおもしろさだと感じました。
(ただ、一般の批評家たちの評価はずいぶん低いことを、
後から知りました。
ファンタジーのほうに、乗れなかったのかなと思います。
たしかに、まあそれも分かります。
断片的な残酷なショットをつなぎ合わせたりするのは、
新しくはないし、見ていてイヤな感じはあります。
そこが「一部分」です。)
監督であるジョナス・アカーランドは、
有名ミュージシャンのMVをたくさん撮ってきた人のようです。
(その中には、イギー・ポップもいます。)