2023年11月2日木曜日

『荒野の風』

ネトフリにある南アフリカ映画、

『荒野の風』

を見てみました。
もしかしたら授業で使えないかな、
という下心からでもあります。


主人公は、二人の汚職刑事。
一人は妻が妊娠中のアフリカ系刑事、
もう一人は持っている牧場が火の車の白人刑事。
彼らは、最後に大きな「事件」を仕掛け、
ギャングから大金をせしめて、
そのまま刑事を辞めようと計画しています。

ストーリーはともかく、
わたしにとっての見所は、
アパルトヘイト廃止後こんなに時間が経っても、
人種間の軋轢は強烈に残っているという描写でした。
特にアフリカ系刑事の場合、
いわゆる「ちゃんとした」仕事に就いているにも関わらず、
さまざまな場面で差別に直面し、
また、警察そのものも、
白人の事件捜査を優先させたりもします。

映画自体は、ややスピード感にかけていて、
今の123分を、
100分くらいに編集し直せば、
だいぶよくなるんじゃないかと感じました。

ちょっと驚いたのが、原題。

Wild is the Wind

わたしにとってはボウイの印象が強い、極めつけの名曲が、
そのままタイトルになり、
もちろん劇中でも流れるのです。
(初出は、1957年のジョニー・マティス版。
この映画で使われているのは、ニーナ・シモン版。
もちろんこれも忘れがたいです。
南アの物語ですから、
当然ニーナ・シモン版を使うしかないですね。)

ちなみに、
アフリカ系刑事を演じたのはモツスィ・マッハーノ。
彼はこれらにも出ていました;