2025年3月31日月曜日

『モンタナの目撃者』

先日見た『ウインド・リバー』が良かったので、
同じテイラー・シェリダン監督の、

『モンタナの目撃者』Those Who Wish Me Dead(2021)

を見てみました。
(邦題、センスがない。


モンタナ州で、山林火災の消火に当たる警備隊。
そこで男たちに混じって活躍するハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)。
彼女には、かつて、ひどい山火事の中で、
助けを求めていた子供達を見殺しにした記憶があり、
それがトラウマとなっています。
一方、訴訟弁護士の男は、
ワルに命を狙われ、
子供連れて知り合いの家を目指します。
その知り合いとは、モンタナの保安官でした。
この2つの物語が、絡み合ってゆきます。

前半がゆったりしていて、
だんだん加速していく感じ、
自然が大きく、ゆったり写されている感じ、
その自然が途方もない存在で、しかも人間の運命に関わってくるところ、
取り返しのつかない記憶を持つ人間が主役であること、
それと同質の体験をした人間が大きく関わってくること、
これらはどれも、
2つの作品の共通点です。
つまり、2作の構図はとてもよく似ています。

調べてみたら、以前見たこれ、


脚本はテイラーでした。
そう言われてみれば、これも似たところがあります。
もう1回、見直してみようかな。

2025年3月28日金曜日

企画展「清岡卓行展――大連、パリ『円き広場』」

こんなのが開催されます。


弟の秀哉も登場します!




『はなればなれに』

ゴダールの

『はなればなれに』(1964)

の、アマプラでの配信が」終わるというので、
久しぶりに見てみました。

基本は三角関係で、
その中の女性(学生)が住んでいる叔母の家を襲う、
という話なんですが、
有名なダンスシーンとか、
女性(アンナ・カリーナ)が自転車に乗るシーンとか、
懐かしかったです。

ただ久しぶりに見て思ったのは、
こんなに『勝手にしやがれ』に似てたっけ?
ということです。
もう、そっくり。

ゴダールはおもしろいですが、
あくまでカルト的な映画として、
というのが私の印象です。

『クレオパトラ』

ネトフリのドラマ、

『クレオパトラ』

を一気見しました。
彼女が幼い 時代から、
カエサルとの間に息子をもうけ、
カエサルが暗殺された後は、
アントニウスとの間に双子をもうけ、
その間に、兄弟3人を殺してエジプト王になり、
でも最後は、オクタビアヌスの軍に敗れて自殺するまで、です。

ドラマとは言いましたが、
これは、再現ドラマと、
何人かの研究者のインタヴューが交互に流れる構成で、
単なる娯楽作品ではありません。

ただこの作品、
発表当時は特にエジプトで、物議を醸しました。
なぜなら、クレオパトラ役を、
アフリカ系の女優が演じていたからです。
プトレマイオス朝はマケドニア系、つまりギリシャ系で、
エジプトの王宮でも、ギリシャ語が使われていました。
(まあそれを言うなら、ローマ帝国のエリートは、
基本ギリシャ語ができたはずですが。)
で、ギリシャ系のクレオパトラの肌は、もっと白かった、
黒人女優を起用するのは、ブラック・ウォッシングだと言うわけです。

わたしは素人なので、
クレオパトラの肌の色は分かりません。
ただ、彼女の母親が誰かは判明していないので、
「白」と決まったわけでもない気がしますが。

ただ、イギリスの女性研究者のコメントに、
カエサルをはじめとする男たちの描き方が浅すぎる、
というものがありました。
確かに彼らは三人とも、とても単純な人間として描かれています。

そして思うのは、
共和政ローマが、王政のギリシャを「遅れている」とみなし、
さらに「女」王を下に見ていたわけですが、
庶民の生活における自由度は、
王政エジプトの方が遥かに高かった、という点です。
世襲だからこそ「女」王もありだし、
エジプトには女性の医師もいたし、
女性から離婚を言い出すこともできたし、
財産権もあったし。
一方ローマは、共和政と言いながら、
元老院は全員男性だし、
奴隷はいたし、
仕事でも財産でも、女性の権利は厳しく制限されていました。
これなら、明らかに王政の方が暮らしやすい。
共和政、民主主義、と言いますが、
その内容を見ないと、ダメなんですね。
(まあロシアも中国も、自称「民主主義」だし。)

クレオパトラは、エジプトが好きでした。
だからエジプト語を学び、話せるようになりました。
プトレマイオス朝で、
エジプト語が話せた王は、彼女だけだそうです。

When in Rome, do as the Romans do.
と言いますが、
ローマ人のようには、振る舞いたくない気がします。



2025年3月27日木曜日

『ウインド・リバー』

2015年に『ボーダーライン』という映画があって、
主演のエミリー・ブラントが印象に残っているんですが、
その映画の脚本を担当したテイラー・シェリダンの初監督作、

『ウインド・リバー』(2017)

を見てみました。
アマプラで、「あと5日」というのが目に入ったので、急いで。


これ、かなりいいんじゃないかと思いました。
舞台は、ワイオミング州の、
ウインド・リバー・インディアン居住地。
雪深いこの土地で、18歳の少女の死体が見つかります。
彼女はインディアンのカップルの娘でした。
地元の警察がいます。あまりに人数が少なくて、
職務の遂行はままなりません。
そこに、FBI の女性捜査官がやってきます。
またさらに、ピューマなどを駆除するハンターがいます。
彼は、インディアンである元妻との間に娘がいましたが、
彼女もまた、以前、遺体で発見されています。

悲しみが強く流れていて、
見ていて辛くなります。
一方で「映画」として見ると、
表現は新鮮で、雪原に代表される、冷たい美もあります。
アクションの撮り方も上手い。

映画の主人公は、かつて娘を失ったハンターですが、
その土地がインディアン居留区であること、
そして、FBI の若い新人女性の成長物語としても見ることができること、
こうした複層性が、この映画の良さなのでしょう。

脚本も書ける訳だし、才能のある監督だと思いました。


2025年3月23日日曜日

「ふらんす」4月号、発売!



「ふらんす」4月号、
わたしの手元にもやってきました。
特集の最初が、

<フラ語>ワールドへようこそ!

で、「フラ語シリーズ」の大特集になっています!
なんというか、
かれこれ20年近く続いてきたシリーズなので、
こうして並べてみると、
時の流れを感じます。
が、まあそんなことはどうでもよくて、
今、フラ語を勉強しているみなさんに、
何か、勉強のヒントみたいなものになればいいなと思って書いてあります。
もちろんその後、
「フラ語」のどれかを手に取っていただければなおいいですけど!

そしてこの4月号、
全体をざっと読んだんんですけど、
内容の充実ぶりがハンパないです。
いろんな角度、いろんなレベルのコラムがあって、
誰が読んでも、どれかしらピンと来るはずだし、
ちょっと背伸びしてみるのも、
ちょっと確認してみるのもまた楽しからずや!
というラインナップ。
具体的に言い出すと全部になっちゃうので書きませんけど、
本当に充実してます。

「ふらんす」は、日本では唯一のフラ語関係の雑誌で、
この雑誌があるとないとでは、
日本の文化度に大きな違いが生まれてしまうとさえ感じます。
紙の雑誌はみんな苦戦していると聞きますが、
「ふらんす」はマジで貴重。
それは、単に伝統があるからなんかではなくて、
フランス(語)の「今」を伝えているからです。

まあ、わたし自身は、「ふらんす」にお世話になっている身ですが、
それは関係なく、
とってもよ〜く練られた、完全に「お値段以上」の雑誌だと思います。
特に4月号はそうです。
ぜひお手に取ってみてください!
(表紙も可愛いし!)

2025年3月19日水曜日

『オールド・ナイフ』

アマプラで見かけたクリス・パイン主演の映画、

『オールド・ナイフ』(2022)

を見てみました。


元CIAの諜報員で、恋人同士だった二人。
でも彼らは、飛行機ハイジャック事件の対処の失敗を期に別れてしまいます。
が、八年後、
CIA 内部にスパイがいたことが判明。
再調査をする過程で、二人は再会し……
というお話です。
つまり、
かつての恋人たちの物語と、
八年前の事件の真実とは?
という、2つのストーリーが、
絡み合って進んでいきます。

最初の20分ほどはとてもよかった。
その最大の理由は、ショットの魅力。
一体誰が撮影しているの? と思ったら、
シャルロッテ・ブルース・クリステンセンという、
デンマーク人の女性で、
かつて『バラエティ』で、
「注目すべき10人の撮影監督」に選ばれたこともあるとか。
あまりやったことがありませんが、
この撮影監督繋がりで見てみるっているのも、
やってみても面白いかもと思いました。

で映画の方ですが、
動きの少ない会話劇で、
おもしろいかと言われると、ややビミョーなところです。
まあ、クリス・パインのファンなら、
というところでしょうか。


2025年3月18日火曜日

「フランス人がドイツ語を話していないのはアメリカのおかげ」

まあ、どっちもどっちですが。


トランプが民主主義的に見えないのは確かですが、
一方で、選挙で選ばれてもいるわけです。
でも……

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 私たちの多くは、選挙で投票するのは良いことだと考えている。
投票率を上げるための啓発活動も広く行われてきた。
だが、果たして本当にそうなのか。
この問いを哲学的に検討した本書は、驚くべき答えを示す。
民主国家の市民には、投票する義務はない。
むしろ、正しく投票できない人は投票すべきではないのだ.。

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書評:前田健太郎さんが読む『投票の倫理学』  より

『ザ・ケージ』

ネトフリに上がっていたフランスのドラマ。
まあ、フランスものだから見てみるかということで見始めたのが、

『ザ・ケージ』(La Cage)2024

5エピソードだけなので、
まあ一気に見られます。

スポ根もので、題材は総合格闘技。
で、
わたしは知らなかった、
総合格闘技のレジェンドたちが、
本人として何人も登場しています。
(見終わってから知りました。
ということは、「俳優」に見えてたということ。
これはこれで驚きです。)

格闘技ファンじゃないわたしとしては、
特にどうということはないドラマでしたが、
ファンなら、楽しめるのかな?

主人公のコーチ役で、
フランク・ガスタンビットが出ていて、
彼は演出もしているようです。
今では有名人になった彼ですが、
俳優としてのデビュー作はこれでした;


10年以上前ですね。
こんなに有名になるとは!


2025年3月16日日曜日

『ビーキーパー』

ジェイソン・ステイサムの最新作、

『ビーキーパー』

を、アマプラで見てみました。


bee keeper、
つまり養蜂家という名の、
政府の秘密組織。(classifiedな、ですね)
その組織を引退したはずのジェイソンが、
優しくしてくれた老婦人を自殺に追い込んだ組織を追求する、
というお話です。
アクションは、いつものジェイソンで、
キャラもまたそうです。

半年ほど前、劇場で見た院生は、
ウ〜ン、と言ってたんですが、
そうですね、
一言で言えば、荒唐無稽、ということになるでしょうか。
これだけ無茶な話で、2時間の映画を作ってしまうのには、
皮肉ではなく驚きますが。
(ただそれでも、
部分的には、心を動かされることはありました。)

ジェイソン以外の俳優には、
特に目立つ人もおらず、
もう完全に、彼の映画でした。

『フュリオサ』

この映画


のスピンオフ作品である、

『フュリオサ』(2024)

を、やっと見ました。
(ずっと見たかったんですが、
いざ配信されると、いつでも見られる感じになって……)


『マッドマックス』においては、
シャーリーズ・セロン演じるフュリオサがとても良かったので、
このスピンオフが期待されるのは当然でした。
で、
若き日のフュリオサを演じるアニャ・テイラー=ジョイは、
雰囲気も体の動きも良かったんですが、
今回は脚本が……、という感じ。
冒頭からしばらくは良かったんですが、
中盤からは、物語の中心がフュリオサから離れ気味で、
単純な抗争ものになってしまった印象です。
難しいものですね。

2025年3月12日水曜日

春学期前夜祭「歌と踊りと音楽がはじまった夜」

総合芸術系では、
こんなイベントを開催することになりました。


ご参加はどなたでも。
無料です!

2025年3月11日火曜日

『レベル・リッジ』

ネトフリでオススメされた映画、

『レベル・リッジ』(2024)

を見てみました。


田舎町。
その警察は、
そのいわば閉ざされた地域内で、
好き勝手に振る舞い、
微罪のものたちをカモにしては金を巻き上げるという、
腐敗した状況。
その街に、主人公がやってきます。
彼の目的は、従兄弟の保釈。
もちろんお金も用意していましたが、
このお金が警察の目に留まり、
理不尽なことが連鎖していきます……

もちろんみている方が、
どこかで逆転劇が起きることを信じているんですが、
これが、なかなか起きない!
しかも長い!
中盤では、ちょっとやめようかと思うくらい長い感じでしたが、
最後の3分の1くらいはスピードも出て、
ハラハラ感もあり、だいぶ良くなりました。
でもトータルだと、
どうかな、やっぱりちょっと長いかな。

つい昨日見た『バスティオン36』と比べると、
腐敗の深度がはっきり違っています。
『レベル・リッジ』では、もう州警察が「善きもの」ですが、
『36』では、もっともっと上の方まで「問題あり」です。
でも考えてみれば、
CIAやFBI ものでも、結構上の方までいきますよね、悪の根源は。
とういう意味では、
この『レベル・リッジ』はシンプルなのでしょう。

『バスティオン36』

ネトフリの新作、

『バスティオン36』

を見てみました。
オリヴィエ・マルシャル監督です。


若きアントワーヌは、
精鋭部隊BRI に所属していましたが、
「賭けファイト」に出場していたことが発覚し、
ボビニーの警邏隊BACに左遷されてしまいます。が、
その後、昔の仲間が2人死に、もう1人も行方不明に。
彼は、真相を求めて独自捜査を始めますが、
上からは強烈な圧力が……という話。

おリヴィエ・マルシャルも、
ちょっとスコセッシ的な単調さがあるんですが、
それは今回も同じ。
しかも今回は、通常ならバックストーリとするようなことを、
ふつうの時間の中で最初に描いたので、よりそういう印象は出てしまいます。
でも、もちろん見ていられるレベルですが。

主人公の元上司を、
これ


でおリヴィエ・マルシャルと組んでいた、
テウフィク・ジャラが演じています。
彼はいいですね。

そう、オリヴィエ・マルシャルは、
ドラマの方が向いているかも。
そういう時間感覚なんじゃないかと思います。

2025年3月9日日曜日

「報道特集」〜敗北するアメリカ

YouTube に上がっている「報道特集」、
通勤の時などによく聞きますが、
今回のこれは、とてもよかった。


3人のメンバーもいいし、
トッドや、
アメリカの宗教学者もいい人選。
勉強になります。

2025年3月8日土曜日

はちみつチョコレート・ティー

しばらく前に、知り合いにティーバッグを1つもらいました。
紅茶なんですが、
はちみつチョコレート・ティーです。
試しに飲んでみて、と。

これ、気に意入りました。
もちろん甘いんですけど、
紅茶なのでサラッとしていて、おいしい。

で、早速Amazonで買って、
ついでに同じ会社の4種類セットも買ってみたり。
(はちみつレモン、もいい感じ。)

で、
週4で行くカフェの、
仲良しのスタッフ達にその話をしたら、
なんだか反応が良かったので、
じゃあもってくるね、となって、
昨日お裾分けしてきました。
実は1月に別の人にもお裾分けして、
彼女は気に入ってくれたみたいでした。
今回はどうでしょうか!?

(まあ、わたしが販売してるわけでも、
回し者なわけでもないんですけどね!
もしもご興味があれば、
Amazonなら「ティーアース」で出てきます。)


『ルッツ 海に生きる』

マルタ島を舞台にしたマルタ映画、

『ルッツ 海に生きる』(2022)

を見てみました。(アマプラ)

ルッツというのは、
マルタで使われているカラフルな漁船。
マルサシュロックという港では、
たくさん浮かんでいました。

ただこの映画は、
ルッツを使った漁業が、
もう実質成り立たなくなりつつあることを描いています。
容易に想像できることですが。
なので、マルサシュロックに浮かんでいるルッツも、
実は観光用もかなりあるとか。

マルタ漁業の内情がわかった点はおもしろかったですが、
映画としては、よくある構図、よくあるキャラで、
フツーでした。

豊原国周

同僚の一人からの連絡で、
この展覧会のことを知りました。


彼女の知り合いがもっている作品も、
貸し出され展示されているんだとか。

まあそれは別にしても、
ちょっとおもしろそうですね!

2025年3月1日土曜日

旅、など

まだまだ先の話ですが、
たぶん、共著の本に参加することになりそう、です。
総勢12名を予定していて、
テーマは、大きく言えば「旅」です。
ただ、今回は縛りがあって、
自分のよく知らないことについて書く、
ことになっています。
たとえばわたしだったら、
パリのことばっかり書くのはナシ、という感じ。
(本当は、全編新しいことの方がいいんでしょうけど、
比較のためにも、少しだけパリを入れたくなります。
たぶん、入れちゃうでしょう!)

それにしても、
12人ですから、
それなりに厚い本になりそうです。
まだ企画の段階なので、
ほんとに1行も存在してないんですけど、
これが、やがては書かれ、本になるわけです。
いつもながら、マジックのようです。

ふらんす4月号

発売は、まだ3週間先ですが、
「ふらんす4月号」、先日校了しました。
あとは出来上がりを待つばかりですが、
なんだか、申し訳ないくらい「フラ語シリーズ」がページを取ってます!
しかも特集の<1>!
いいのかなと思いつつ、
でも、宣伝しつつ、
基本的な勉強の方針みたいなものにも触れているので、
いいことにしました!
こんな大特集、最初で最後でしょう。
楽しみです!

2025年2月24日月曜日

『ザ・リクルート』シーズン2

というわけで、

『ザ・リクルート』シーズン2

をみ終わりました。
<1>のラスト、宿題が残る感じだったので、
それが続くのかと思ってたんですが、
それは割とあっさりケリがつき、
シーズン2はやはり新しい問題でした。
舞台の多くは韓国のソウルで、
なんというか、アメリカドラマと韓国ドラマ、
両方を見ているような感じでした。
意欲的な試みだったとは思いますが、
うまく溶け合っているというところまでは、
いってなかったかな?
韓国側の俳優たち、
もっといい人がいたと思うんですが……
CIA の職員たちが、それぞれに魅力的なので、
それに比べるとちょっとキャラも浅いし。
とりあえず最後まで「楽しく」は見ましたけど、
シーズン1の方が良かったと思います。
やっぱり続編は難しいですね。
(脇役なんですが、CIA職員のアメリアという女性、
なかなか良かったです。) 

2025年2月23日日曜日

晴れ

東京、晴れの日が続いています。
冬の東京は、そこがいい点ですね。
最近は、「あんまり寒くないね」という会話が多かったんですが、
流石に昨日の夜(というか夕方でしたけど)は、
十分寒かったです。
でも、
ピリッとした寒さで、こういうのも気持ちいいなとも感じました。

で、
「ふらんす」の3月号の発売が間近ですが、
今、このところ、4月号の原稿を書いていました。
というのも、
「フラ語シリーズ」の特集を組んでもらえることになったからです。
シリーズ全5冊、それぞれの紹介と、
サンプルのページや音がついています。
いい紹介になっていると思います!
たくさんの学習者の役に立てれば嬉しいです!

ちなみに昨日、4月号の、
出来立てほやほやの表紙を見せてもらったんですけど、
ネコです❤️
(たまたま昨日は222でしたね。)
1ヶ月先ですけど、どうぞお楽しみに!

2025年2月20日木曜日

一時的に

修士論文で紹介されていて知ったことなんですが、
最近、メルカリをはじめとするフリマがありますよね?
ああいうのを使ってると、
ものに対して、自分のもの、という感覚が薄れて、
一時的に預かっているもの、という感覚が生まれやすい、
という指摘があるそうです。
これ、分かる、と思いました。
店で新品で買って、まあ擦り切れるまで使って捨てる、なら、
そのきている期間は「自分のもの」「自分の服」だったと思いますが、
メルカリで古着を買って、使わなくなったらまた売るなら、
確かに「一時的」と感じられるでしょう。
わたしも何度かメルカリを使ったことがありますが、
それを思い出すと、頷けます。
(ただ、メルカリ利用者って、20%いってないんですね。
意外と少ない。)

また、いわゆる「ゴミ屋敷」に見られるような行為は、
「ホーディング(溜め込み)」という名前がついているようなんですが、
これってフツーは、片付けられないだけ、と見られがちですが、
実は理由は様々なんだそうです。
で、かつてホーダーだった女性の言葉が印象的でした。
彼女は、食べ終わったヨーグルトの容器、
今わたしがこれをゴミ箱に捨てることで、
これから容器が閉じ込められる、ジメジメした暗い世界を思うと、
罪悪感で一杯になる……、と言うのです。

わたしはまったく思ったことがなかったので、
ちょっとショックでした。
(まあ、手紙とか人形とかなら、
捨てにくいのはフツーなんでしょうけど、
ヨーグルトの容器ですからね……)

『ザ・リクルート』再

以前ネトフリで、

『ザ・リクルート』

というドラマを見ました。
その時の感想も書きましたが、
なんというか、「まあまあ」という印象を持ったみたいです、
自分のことですが。


で、このシーズン2が来たんですが、
(『ナイト・エージェント』で学習したので)
もう1度<1>の最初から見直し始めました。
で、<1>を見終わったところなんですが……

1回目の印象より遥かに良くて、ちょっと驚きました。
なんとなく雰囲気をしてるという安心感もあったと思いますが、
こんなにおもしろかったけ? という感じ。
おもしろい時は、要は「続きが見たくなる」わけですね。
完全にそれでした。

そしてこれから、シーズン2に入ります。
『ナイト・エージェント』とは違って、
<1>は「終わってない」状態で終わってるので、
質は落ちにくいんじゃないかと期待しています。
(でも『ザ・ディプロマット』は、
続きだったけど<1>の方がよかったけど。)
どうでしょう!?

2025年2月17日月曜日

修士論文の季節

がやってきて、今週は発表会も控えています。
で、ここ数日は、いくつかの修論を読み続けています。
大枠で言えば、
絵画論や、消費社会論、ファッション批評などですが、
それぞれにおもしろさがあるし、
やっぱり感覚が若いので、新鮮です。
ただ読む時は、
こちらも確認したり調べたりしながらなので、
それなりに時間がかかります。
それもおもしろいですけど。

で、今はカフェで、
消費社会論についてあれこれ見ていたんですが、
ふとメールを見ると、
いつものCourrier から、
「フェラーリ」についてのニュースが来ていました。
それはもう、自動車メーカーではなく、
ラグジュアリー・ブランドだというのです。
というのも、
去年フェラーリが作ったのは、たった1万3663台だったにも関わらず、
その時価総額は、
数百万台作ったGMやフォードの2倍、なんだそうです。
この数字はちょっと驚きますね。

エルメスが、ヴィトンを引き離そうとしていますが、
フェラーリもまた、うまくいってるわけですね。
記号消費ばかりに注目する消費社会論は古い、
という指摘もあり、
たしかになあ、と思います。
ただやはり、記号消費もまだまだ続いているわけですね。

2025年2月11日火曜日

『ラインゴールド』

ファティ・アキンの2022の作品。

『ラインゴールド』

を(同僚から借りたDVDで)見てみました。

 
実在のラッパーの、
奇妙な小説みたいな「成り上がり」物語を、
2時間以上かけて描いています。

題材のせいもあるし、
そういう風にしたかったんだろうとは思いますが、
いつものアキンの作品に比べると、
よく言えば「語り」的、
悪く言えば、時間にルーズな感じ。
そう、スコセッシの作品て、
わたしには大抵はダラっと感じられるんですが、
それに近い印象。
HPを見ると、MYmovies.it という雑誌(?)に、

クルド難民の物語、クライムもの、タランティーノ風、
ガイ・リッチー風、スコセッシ風、Xatarの伝記……
『RHEINGOLD ラインゴールド』はこれらすべてを内包している。

とコメントされていて、
やっぱりスコセッシを思う人がいるわけですね。
(これは「いい意味」で言ってるんでしょうけど。)
ちなみに、「タランティーノ風」だと言いたい気持ちはわかりますが、
それは表面で、タランティーノとは全然違うと思いました。
あの乾いた笑いみたいなものはありません。
またガイ・リッチーとも、トーンが違うと感じました。


2025年2月9日日曜日

ビアホール

一昨日の夜、
大学の業務のあとで、
同僚3人とビアホールに行く機会がありました。
そのうちの1人が、
今年度一杯で退職するので、
そのプチ・サヨナラ会も兼ねて。
(ちゃんとした送別会はまた後日。)

行った店は、神保町のここ;


いかにも歴史あります風の、
でもやっぱりいい雰囲気の店でした。
わたしは初めてでしたが、
明治大学の先生たちは、割と使ってるという話でした。
確かに、駿河台校舎からなら近いし、
味も良かったです。
(まあ値段もそれなりに良かったですが、
昨今、こんなもんでしょう。)

今回の4人というのは、初の組み合わせでした。
楽しく過ごせました!

『ナイト・エージェント』シーズン1

先日「シーズン2」を見た『ナイト・エージェント』のシーズン2。
これはこれででまあOKでしたが、
なんとなく、シーズン1はもっと良かった気がして、
確認してみたくなって、
またシーズン1を見てしまいました。
やっぱり、こっちの方がいい! と思いました。


それにしても、
一年も経ってないのに、
こんなに新鮮に見られてしまうって、どういうことでしょ!
面白かった作品でも、しばらくしたら内容は忘れてるので、
もう1回楽しめることがはっきりしました。
(いいんだか、悪いんだか!)

2025年2月5日水曜日

「ヴィッテル」「コントレックス」「エパール」「ペリエ」

といえばお馴染みの顔ぶれですが、
その販売元であるネスレに関する、こんなニュースが;


まあ、ネスレが、というより、
マクロん政府が、という感じですが。
フツーに見れば、ロビーの(悪しき)勝利ですが、
どうなんでしょう。

ちなみに昨日のフランス2のニュースでは、
ネット・ショッピング大手のShein の販売数が話題になっていました。
圧倒的な安値で、特に服の売上はすごいと。
Shein は中国発の企業で、
これを見ていると、
トランプがゴリ押しをすれば、
ヨーロッパは中国と近づき、
結局アメリカが孤立する気もしてきます。
もちろん基本的な価値観の違いがあるので、
限度はあるんでしょうけど。

2025年2月2日日曜日

『マイ・オールド・アス 2人のワタシ』

去年の末にアマプラに来た

『マイ・オールド・アス 2人のワタシ』(2024)

を見てみました。


原題は My old ass 「わたしの歳とったお尻」なんですが、
なぜこんなタイトルかというと……

カナダの田舎、
広大な土地でクランベリーを育てている農家の娘、エリオット。
彼女は後3週間ほどでこの土地を離れ、
トロント大学に進学する予定です。
こんな300人しかいない村じゃ、ワタシには物足りないの、
と彼女は言います。
で、レズビアンである彼女はある日、
仲良しの女友達と3人で、ドラッグを嗜みます。
夜、森の中で、焚き火の前でです。
そして……、エリオットの前に、
39歳の自分が現れるのです。
そう、その彼女が持っているのが、My old ass というわけです。
彼女は若いエリオットに忠告します。
とにかく、チャドには近づいちゃダメ、と。
でもその翌日、
エリオットはチャド(Percy Hynes White)と出会ってしまうのです。
とってもキュートな男の子に……

この映画を見始めたのは、
39歳の方のエリオットを演じる、オーブリー・プラザを見るためでした。
出番は多くなかったんですが、
彼女はとてもよかったです。

この青春SF映画の評価は難しいです。
メッセージ性があまりに強いこと、
ただしそのメッセージ自体は悪くないこと、
動きが少なく、セリフに頼る部分が多すぎること、
あまりに美化されている登場人物がいること、
カメラワークが平板なこと……

こうして挙げていくとダメな映画のようですが、
実はラスト近く、オーブリー・プラザが関わるとてもいい場面があります。
これは、ちょっと泣けました。

というわけで、
映画としては足りない点が多いと感じますが、
確かにいい場面もあったというわけです。
ビミョーですね!
(カナダなので、一瞬フランス語も出てきます。)

2025年1月30日木曜日

M23

フランスのニュース、
ここ数日は、洪水と、
ゴマでの戦闘のニュースが目立ちます。


ゴマの情勢、
流動的だし、ルワンダも南アも絡んでいて、
(もちろん「列強」の企図もあるし)
かなり複雑。
とにかく、
もう戦争はやめて。

『ナイト・エージェント』2

以前見たこれ、


は、かなり面白かった記憶があるので、
配信が始まったばかりのシーズン2、
すぐに見てみました。

ただ今回は、
ふつうに楽しめた、
というくらいでしょうか。
前回のことはあまり覚えてないのですが、
(なので、これから確認しようかとも思っているのですが)
今回はかなりアクションが多くて、
その分、深さは足りない感じ。
もちろん、
3つの物語をうまく絡めてあって、
ちゃんとできてるのは確かなんですが、
まあ、アクション・ドラマなんですね。
(この人は、というような魅力的なキャラがいなかったことも、
関係あるかな?)

2025年1月26日日曜日

今日の夕焼け@茅ヶ崎

茅ヶ崎にソロ・キャンプに行ってる友人が、
ついさっき、
今日の夕焼けを送ってくれました;



「……日没は、人間を高め、
彼らの肉体が今日一日その中を彷徨った、
風や寒暖や雨の思いがけない移り変わりを、
神秘な形象のうちに集めてみせるのである。
(……)太陽の円盤が山の頂きを歯のように縁を刻まれた
堅い歯の形に切り取ってゆく時、
とりわけその時に、
人間は、
怪奇な映像の束の間の変転のうちに不透明な力や蒸気や稲妻が示しているもの、
その暗黙の葛藤を、
人間が自らの内奥に、
一日の間漠然と感じ取っていたものを見出すのである。」

『悲しき熱帯Ⅰ』レヴィ=ストロース(川田順造訳)

2025年1月22日水曜日

博士論文説明会

今日、
わたしの研究室の博士課程の院生Nくんが、
ついに、
博士論文説明会を行い、
無事終了しました。
もちろん、それなりに厳しい指摘もあり、
暖かい励ましもありでしたが、
最終提出日までには、
指摘された点を修正して、
きっちり仕上げてくれるでしょう。
(もちろん、本当の意味では、
論文は「仕上がる」ものではなく、
いつでも途中経過ではあるんですが。)

わたしにとっては、
彼が博士号を取ることが、
去年からの最大の(←そのままの意味です)目標だったので、
ここまで来てくれて、少しホッとしました。
まあ、わたしはほとんど何も教えてなどいなくて、
彼が自分で成長していったわけですが。

Nくん、お疲れ様でした。
提出まで、あと少しだけがんばって!

2025年1月20日月曜日

『エミリー・ザ・クリミネル』

ネトフリでたまたま見かけた映画、

『エミリー・ザ・クリミネル』(2022)

監督はデビュー作なので知らない人で、
俳優も馴染みがなかったんですが、
拾い物、なんて言ったら失礼ですが、
思いのほか良くて、びっくりしました。


舞台はロス。
多額の学生ローンを抱えたエミリーは、
前科があり、いい仕事に就けません。
(その犯罪のせいで、美大も卒業できませんでした。)
で、バイトに近いケータリングの仕事をしているんですが、
そんな時、同僚から、
やや怪しい、けれども美味しいバイトを紹介されます。
1時間ほどで200ドル。
それはカード詐欺の手先の仕事でした。
そしてエミリーは、その次の、もっと大きな仕事に誘われ、
イエスと答えてしまいます。
それは、もちろんお金のことが一番でしたが、
若いボスと、なんとも言えず呼吸が合うからでした……

このタイトルですが、
実は中盤、エミリーがある年配女性と話している時、
What do you do in life? と、アクセントの強い英語で聞かれ、
まだ分からない、とエミリーが答えると、
彼女はこう返します;

You will figure out your gift....
Emily the teacher,
Emily the mother,
Emily the something...

あなたの才能を生かして、
何ものかになるはずだ、というわけです……

エミリーを演じたオーブリー・プラザは、
この映画撮影時に38歳くらい。
落ち着いた、とてもいい演技でした。
彼女は、これ



にも出てましたが、今回の方が良かったです。
もちろん、キャラも映画のタイプも違いますが。

こういう映画がさらっとあるあたり、
アメリカ映画の強さを感じます。

2025年1月18日土曜日

2025年1月17日金曜日

AD VITAM

ギヨーム・カネ主演の、フランス製アクション映画、

『アドヴィタム』(2025)

を見てみました。
ネトフリで配信されたところです。
(ad vitam. はラテン語で、 for life。
「終生、生きている限り」)

主人公のフランクは、
Le Groupe d'intervention de la Gendarmerie nationale (GIGN
(国家憲兵隊治安介入部隊)
の優秀なメンバーで、
同じGIGNに所属する女性レオとの間に、
子供が生まれようとしています。
そんな時、ちょっとした事件の対応に向かうのですが、
予期しなかった銃撃戦が起こり、
部下を一人死なせてしまいます。
彼に落ち度はなかったように見えますが、
それでも、GIGN は彼を解雇します。
ただ、失った部下のために真相を探ろうとするうち、
国家的な犯罪が絡んでいたことに気づき……
という、まあ、ジャンル映画的な物語ではあります。

フランスのアクション映画としては、
いい方だろうと思います。
ただ、バックストーリーに回したエピソードが長すぎて、
時間の処理には疑問を感じました。
また、主人公フランクのパートナーである女性はなかなか積極的&魅力的で、
ただ、なぜ彼女がフランクに惹かれるのか、
いまいちピンときませんでした。
そして後半には、古い感じの「待っている女」になっちゃう感じもあるし。
もったいない。
(彼女 Stéphane Caillard は、これに出ていました。


ギヨーム・カネは、今回シナリオにも参加しているようです。
俳優としての彼のことは、全然嫌いじゃないんですが、
ただ、アクション俳優として見ると、
トム・クルーズやベルモンドのようなカリスマ性は感じません。
(比べるのは酷かな?)
ヴァンサン・エルバーズの方が華があるし、
ニコラ・デュヴォーシェルの方が影があると思います。
(まあニコラは、アクションは「?」ですが。)
そう考えると、年長ですが、
ジル・ルルーシュとか、
ジェラール・ランヴァンなんかは良かったかな。

2025年1月16日木曜日

『サーミランドの宮沢賢治』

白水社から、1月10日に発売されたばかりの、

『サーミランドの宮沢賢治』

を読んでみました。
おもしろかったです!

これは、詩人とミュージシャンという、
なかなか稀有な組み合わせの二人による、
北の地帯の紀行です。
そして、よく書けた紀行文はそういうものなんでしょうが、
読み終わった今、
年始早々、フィンランドの北の「果て」まで旅してきた気分です。
(自分は持ってもない)スノーブーツで雪道もたくさん歩いて!

「サーミランド」というのは、
「サーミ人の土地」のことだそうです。
(いわゆる「ラップランド」のこと。)
そういう「北」を目指すことになったきっかけは、
宮沢賢治にあります。
彼の「北」を辿るというか、延長するというか、
自分も生きてみるというか。

そしてフィンランドの「果て」の村には、
詩人の友人が母親と暮らしていて、
二人はそこで「となかい」料理をふるまわれもします。
(いい時間!)

思慮深い二人なのに、
どこか「珍道中」風なところも見せてくれる、サービス精神もあります。
(微笑ましい!)

わたしは、賢治については通りいっぺんの知識しかありませんが、
それでも十分おもしろかったので、
賢治ファンなら大変なことになるでしょう!

詩人とは、管啓次郎、
ミュージシャンは、小島敬太(ケイタニーラブ)。
詩人の言葉はいつも通り、時に瞬時に氷結し、読むものを立ち止まらせます。
ミュージシャンの耳は、わたしには到底聞こえそうもない音を聞き取り、
それを掌に載せるように差し出してくれます。

まさに、この時期に読むのにぴったりの本でした。

2025年1月13日月曜日

いよいよ!

フラ語シリーズ第6弾、

『フラ語フレーズ集、こんなの言ってみたかった!』

いよいよ明日発売開始です。

Amazonの、
編集者Mさんに書いていただいたコピーは、こんな感じ;

****************************************************************

超人気の〈フラ語〉シリーズ、待望の会話編!

累計17万部突破の『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』は、
フラ語学習者のアナタなら、もうきっとごぞんじのはず。
まもなく30万部に届く勢いの〈フラ語〉シリーズに、
待望の会話編が加わりました。
フラ語業界〈最強のふたり〉が厳選した「決めセリフ」105&使える表現400余りが、
オール読みがな付きで! 
付属の音声は、フラ語のみをコンパクトにまとめたショートver.と、
日本語解説も含めて聞き流せるロングver.(たっぷり300分! 長っ!)の2種類。
もうこれで決まり![2色刷]

****************************************************************

ちょっと<最強のふたり>かどうかはともかく、
いい感じにでき上がって、
価格も(白水社に頑張ってもらって)抑え目にできて、
トータルで、うまくできたな、という感触を持っています。
あとは、多くの人に、
楽しんでいただくことを願うばかりです。
どうぞよろしくお願いします!

それにしても今回は、音声が300分という、初めての試みもあります。
各フレーズのページのQRコードをスマホで読み取るだけで、
そのページの音読(そのままじゃなく、やや膨らんでます)が聞けちゃいます。
これ、「本」なんでしょうか?
文字と一緒に音声が詰まったナニカ、という感じ。
Mさんのアイディアから始まったことですが、
やってみて良かったと思っています!

(個人的には、他の本もこんな風にしていきたいと思っていますが、
たとえばフラ語シリーズをそういう風に作り直すと、
どうしても定価が上がってしまうのが、気になるところです。
でもやりたいかな!)



2025年1月12日日曜日

『続 夕陽のガンマン』

映画の中で、1度も「夕陽」が出てこないことで知られる

『続 夕陽のガンマン』(1966)

を見てみました。
約3時間。
今の感覚からすると、
編集がずいぶんのんびりしていると感じました。
たぶん、100分くらいにしたら、
もっといい感じになるかも。

南北戦争を背景に、
3人の流れものが、
南軍が失った金貨を探し求める物語です。
なので、
ガンマンたちの撃ち合いもあれば、
南軍、北軍による戦闘場面もあり、
長くなる要素はあるわけですが。

印象に残ったのは、
多用されるクローズ・アップと、
洗練された構図。
これは、『夕陽のガンマン』と明らかに違うので、
撮影監督であるトニーノ・デル・コリのお手柄なのでしょう。
彼の遺作は
(調べてみて今日知ったのですが)
『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997)
でした。
劇場で見たのを思い出しました。

でこの『続 夕陽のガンマン』も、
昔見たはずなんですが、
95%くらい覚えてませんでした。
ただ、ある決闘の場面があるんですが、
そこだけ見覚えがありました。

あとは『荒野の用心棒』を確認したいんですが、
これはDVDを買う必要がありそうです。

「多様性や自由、科学を促進する価値観は、もはや存在しない」

イーロン・マスクが所有するX。
たしかにここしばらく、
右翼的な言説が多く流れてきていました。
アルゴリズムがそのように作られているんだなという感覚、
たしかにあります。
そもそもこのオーナー、
ヨーロッパ各国の政治状況に、
余計な口出ししますが、
まあ、トランプの戦略の一部ではあるんでしょう。

で、このニュース。


学生たちに、
X には注意して!
と言おうと思っていたら、
ドイツなどではもうここまで来ていました。
このへん、さすがドイツ。

ただ、
フェイク・ニュースや巧妙なプロパガンダに対抗するのに、
リテラシーでは限界がある、
と多くの論者が指摘していて、
それはとても困ったことで……
いい方法、見つけないと。

2025年1月10日金曜日

過去1

今日は、
午後、4つの会議あったんですが、
(まあ、そのうち1つは短時間で終わったんですが)
午前中は、テニスでした。
何年も、試行錯誤ばかりして、
それは主にフォームについてだったんですが、
しばらく前から、むしろ「打点」が一番重要だと、
思い至りました。
(練習とYouTube のおかげで。)
で、
最近はもう一歩進んで(?)、
リズムを意識しています。
プロの映像を見ていると、
踊るように滑らかな動きです。
ああはできませんが、
あんまりギクシャクしてるのも……ということで、
リズム、なんですが、
これ、どうもうまくいっているようです。
火曜には、初めてのコーチから、
リズムはいいです、と言われ、
今日は、いつものコーチから、
「過去1よかった!」と言われました!
今日の感覚を、再現できるようにしていきたいです!
(それが難しい!)

cristalliser 結晶化する

ほぼ毎朝、
BS・NHKのワールド・ニュースを見ています。
フランスのニュースは、
8時に始まる回の冒頭に登場します。
(時々変わります。)
それに続いて、ドイツZDFをみて、
その後はスペイン、カタール(アルジャジーラ)と続きます。
ABCは、この時間には流れませんが、
BBCは流れることもあるし、
別の時間のものでも結構見ます。

一番「いい」と思うのは、ZDFです。
(ただしガザ問題は別。
ドイツは、「ユダヤ人」にはからっきし弱く、
ふだんとは別の顔になります。)

で、
このところ毎朝顔を見てしまうのが、
オーストリアの極右=自由党の、キクル党首です。
去年の選挙で第一党になり、
2位以下の3党が連立を目指したのですが、挫折。
どうも、キルク首相が誕生しそうです。
感覚としては、
フランスでル・ペンが大統領になる感じでしょうか。

しばらく前から言われていることですが、
このオーストリア、ハンガリー、ドイツ、オランダ、イタリア、
そしてフランスも含めて、
ヨーロッパにおける右翼の台頭はどうしたことでしょう。
いや、どうしたこと、と言うか、
もちろんある程度想像できるのですが。
「戦前」に似てきたと感じる人も、多いんじゃないでしょうか。

要は、アメリカ的な状況な訳ですね。
蔓延する不満を、cristalliser する政治です。
そこには、エリート層への反感が、間違いなくあります。
「右」であるには違いないけれど、
背後には(左右じゃなく)上下の問題があると、
これは多くの人が数年前から指摘してきたことですが、
その通りだと思います、
(かえすがえす、ハリスの敗北はショックです。)

仲良しの同僚が、来年度1年間、
ウィーンに研究しに行きます。
自由党の嵐についての、現場からの声、期待しています。

APT. と Bad Romance

今日、フランス語のクラスに、
大学で使っている「連絡網」を使って、
どうでもいい(!)情報を流しました。
で、
ここにも貼ってしまいましょう!

***************************************
もう2ヶ月くらい経ちますが、APT. 、ヒットしましたよね。
知り合いの音楽学校の先生は、今は、Bruno Mars を聞いとけば間違いない、
と言ってました。

ただこの APT. 、多くの人が言ってる通り、どうしても、
Lady Gaga の Bad Romance (2009) を思い出してしまいます。
有名な曲なので、知ってる人も多いと思いますが。

https://www.youtube.com/watch?v=qrO4YZeyl0I

https://www.youtube.com/watch?v=_pPnVdxKNDk

で、Bad Romance のラスト近く(3'52 あたり)に、
ちょっとだけフランス語が出てきます。

Je veux ton amour et je veux ta revanche
Je veux ton amour, I don't wanna be friends

Bad Romance をカラオケで歌う時は、ぜひフラ語もいい発音で!
(Remix と試験には出てきません!)

***************************

まあ、YouTube まで開く学生は少ないでしょう。
それはわかっています。
ただ、一人でも二人でも興味を持ってくれれば、という感じです。

2025年1月9日木曜日

「メキシコのアメリカ」

アメリカの次期大統領が、
メキシコ湾をアメリカ湾に名称変更を、
と、訳のわからないことを言い出したのに対して、
メキシコ大統領は、こう言いました;


「メキシコのアメリカ」👍

そしてグリーンランドも、パナマ運河も。
これからの4年間、まだまだ色々ありそうですね……

『愛の賛歌』

今日から授業開始。
で、フランス語の授業では、
『愛の賛歌』を歌ってみました。
条件法がたくさん出てくるので、
その練習です。

この歌、途中に

Je me fous du monde entier.
「全世界なんてどうでもいい」

なんて言ってて、
まあ、いわば「おバカ」な歌ですが、
最後の1コーラスでは、
「死」と、
死後の「再結合 réunion」がテーマ化されていて、
そこはちょっと興味深いです。
使ったヴィデオは、
そうです、開会式のヤツです!

2025年1月5日日曜日

『秘密の森の、その向こう』



ずっと気になったまま見ていなかった

『秘密の森の、その向こう』(2021)

を、やっと見てみました。(アマプラ)
よかったです。
期待以上でした。


不思議な話です。
主人公は少女ネリー。
映画は、彼女が大好きだったおばあちゃんが亡くなるところから始まります。
で、ネリーの母親マリオンは、
実家の片付けを(ネリーや夫とともに)しようとするのですが、
理由は語られないまま、ふと二人を置いて実家を去ってしまいます。
そんな時、ネリーは、
森の中で自分と同じくらいの少女と出会います。
彼女の名前はマリオン。
彼女は、どうやら、
まだ子供時代を生きている、ネリーの母親マリオンその人なのです……
(原題は、Petite Maman。そうなんですね。)

多くの人が感じると思うんですが、
なんと言っても、
二人の少女が魅力的。
ちょっと笑ったり、
ちょっと寂しそうにしたり、
ちょっと緊張したり、恐れたり、
でも一歩踏み出したり。
どれ一つをとっても、感情が結晶化しているような、
静かな余韻があります。
死や病や別れや出会いや友情が、
「時間」を超えた場所にそっと置かれている感じ。

そしてシアマ監督は、今回もまた、
「ガールフッド」が煌めく瞬間を用意してくれています。
思い出されるのは、なんと言っても リアーナの Diamond。



この映画も、『ガールフッド』というタイトルで、
アマプラにあります。
来週、これを授業で使おうかな、と思案中です。






「フランス政治は大混迷も」

フランシス・フクヤマも、
今のフランス政治は明らかに「混迷」してると言ってましたが、
こんな記事もありました。


「混迷」してますねえ。

『ザ・ウィドウ 〜真実を求めて』

ケイト・ベッキンセイル繋がりで、
アマプラのドラマ、

『ザ・ウィドウ 〜真実を求めて』

を(ざっと)見てみました。


飛行機事故で亡くなったはずの夫が、
暴動が起きたキンシャサからのニュース映像に映り込んでいて、
それを見たケイトが、
周囲の反対を押し切ってコンゴへ向かう、というお話です。
ケイトを見せるドラマで、
しっかり作られていると思うんですが、
ややスピードが遅いかな。
ただ、今後、
キンシャサが出てきたドラマなんだっけ?
となった時のために、備忘として書いておきます!

2025年1月3日金曜日

Free, White and 21

ハワーディナ・ピンデルの、

Free, White and 21

です。


これ、わたしは初めてみましたが、
1980年制作ですね。
わたしが学部生の頃です。
この「free, white and 21」というのは、
戦前のアメリカ映画でよく使われていたフレーズのようです。
もともとは選挙権を持っていた白人男性のセリフだったものを、
若い女性が言うことで、
独立した自由、みたいなものを主張していたようです。

でもこのヴィデオでは、意味は違います。
ピンデル(や彼女の母親)が人生で受けてきた差別を語り、
(ピンデル扮する)白人女性が、
あなたはパラノイアなんじゃないの?
わたしはそんな経験ないけど?
だって、自由で白人で21歳だから!
と言い放ちます。
当時の、白人女性「フェミニスト」たちが、
有色人女性に対する人種差別を過小評価し、
今でいう「インターセクショナリー」にまったく気づいていない状況を、
キツ〜ク提示しています。

1980年。
いかに自分がボ〜ッと生きてたか、
思い知らされます。
そして色んなものがYouTubeに上がっていて、
ほんとに助かります。