2008年6月24日火曜日

傘はいらない?


なんだかつい、「東京詩」ゼミのことを書いてしまいますが、まあ、それだけイレコンデルんだろうと、自分でも思います。そもそも詩を読むのが楽しい上に、学生たちが、わたしの知らないJ-popを運んできてくれるので、ほんとに1粒で2度おいしい授業です。(ただこの授業、後期は開講しないんです。なぜ? 希望者が0だから! ほんとに残念……)

で、ここしばらく考えていたのは、詩なり曲なりの、いい面を見つけ出す(まあそれをず~っとやってきたので)ではなく、批判すべき点をきっちり批判する作法も、多少とも身に付けて欲しいなあ、ということでした。と思ったら、今日の授業で、ちょうどいい(?)素材が登場しました。

今日はいつもにこやかな女子学生の発表の日でした。彼女は4曲のJ-popを用意してくれ、そのうちの1曲、星村麻衣のGet happy は、「東京」に住んでいると思える若い女の子の日常風景を歌い、他の学生の共感も多くありました。


ただ中に1曲、わたしに言わせれば、これはだめだぜ、という曲がありました。まあ批判なので、具体的に曲名はあげませんけど。そこで使われている言葉は、「笑顔が素敵」、「信じることの意味を知ったから」「わたしらしく」…… まあ、申し訳ないけれど、リアリティーのない、どこかで聞いたような言葉をパッチワークしただけの、歌詞だと思います。

「どう、でももし」とわたしは女子学生たちに尋ねました。「彼氏になりかけの男の子とデートしてる最中にね、、偶然喫茶店で流れてきた曲に対して、その子が、今わたしがしたみたいな批判をし始めたら、どう、引くでしょ?」
「どんびきですよ」

Je le savais ! 知っていました! こういう批判て、一般に女子には受けないようです。でも続けましょう!

むか~しむかし、こんな歌がありました。そのタイトルは「世界は2人のために」。これ、本気で言ってるんでしょうか? 「世界は2人のために」ですよ? 

「そんなこと、イチイチ言わなくてもいいのに、って言うんでしょう?」
「そうで~す」

でも続けましょう! これは前にもちょっとだけ触れましたが、こんな歌もありました。ぼくは君に会いにいかなくちゃならない。でも行かれないんだ、なぜなら「傘がない」から。これ、マジなんでしょうか? いや、これはきっとマジだと思います。でもわたしは思うんです、いいじゃん、濡れたって。濡れていけばいいじゃん! と。

もちろん、批判するのって難しいですね。(Désolé ! すみません。ブログ向きの話題でもないかもしれません。)でも、そこは大学生、そういう目ももって欲しいのです。ガンバレ、ワカゾー!