2011年10月8日土曜日

1 円


先日、1円(送料250円)で買ったこの本、
今のわたしの興味にあまりにぴったりで、はまりました。
これです;

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%8B%A4%E5%B7%A5%E5%80%B9%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%9B%9E%E6%83%B3%E2%80%95%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A%E3%81%AE%E4%B8%80%E6%BA%90%E6%B5%81-1976%E5%B9%B4-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%BD%95-%E9%95%B7%E5%B7%A5/dp/B000J9LRSQ/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1318083474&sr=8-1

発売が1976年ですから、
もう35年前なんですね。

勤工倹学、というのは、雑に言えば、
第1次大戦末の1917あたりから数年間行われた、
中国人労働者のフランス留学制度です。
半分働いて半分学ぶ、
こうすれば、お金の無い若者たちでも、
フランスで「新教育」を受けられる、というわけです。
周恩来や鄧小平も、そのメンバーだったことは、
以前ここでも触れましね。

でもこの制度、その実態がどうもうまくつかめないんです。
その大きな理由の1つが、
当時の中国の政治状況の乱れ具合です。
辛亥革命は終わっていましたが、
あちこちに軍閥はあるし、
大地主みたいなのもいるし、
税金を含めたお金の流れが複雑だし、
さらにいえば、
貧しいっていってもどれほど貧しいのかよく分からないし、
行った先のフランスでどんな生活だったのかもはっきりしないし。

でこの本は、実際にこの制度を使ってフランスに行った人の回想です。
彼は、共産主義の校長先生にやさしくされたり、
悪名高いルノーのセガン工場で働いたり、
時にはパリを見学したり、
1920年のフランスでの彼らの生活が、リアルによみがえります。

そしてこの本、「注」がすごく充実。
35年前にこの本を訳しておいてくれて、ほんとにありがたいです。
本というのは、「未来へのプレゼント」でもあるわけですね。
今回は、しっかり受け取らせていただきました!