2012年3月9日金曜日
フランス語教育実情調査報告書
フランス語教育学会、という組織があります。
その学会が、最近、ある調査結果を発表しました。
今の学生や先生たちの「生活と意見」が聞きとれます。
1番上の項目の、「こちらから」をクリックします。
http://sjdf.org/
25ページに、先生たちが今の教科書についてどう思っているか、
というアンケートがあります。
この中に、
「やさしく幼稚過ぎる」(15.4%)
「内容が簡略的過ぎる」(23.4%)
「説明の仕方が不十分」(16.0%)
とあります。
これらを選んだ先生たちは、おそらく、
教科書をお作りになった経験
(つまり、作るという視点で、教科書のことをマジで考えた経験)
がないんじゃないかな? と感じます。
幼稚でなく、簡略的でなく、十分な説明をすることが、
いい教科書の条件ではないと、わたしは思っています。
教科書は、あくまで授業で使うもの。
授業は「ライブ」ですから、教科書が完結していてはいけないのです。
いい素材で、土台をしっかりさせ、
あとは授業で組み上げてください、仕上げてください、
と、現場の先生に差しだされているものが、そこに阿吽の呼吸があればなおさら、
いい教科書なのだと思います。
もうだいぶ前のことですが、
仲良しの先輩同僚が、
「史上最低の教科書を作るぞ!」と言って、
あるテキストを作りました。
「史上最低」とは、彼らしい照れで、
つまり今までにない思い切った簡略化を行ったテキスト、のことです。
(彼自身は、とてもフランス語ができる人で、バルトの授業にも出てたそうです。)
この教科書、でもほんとに「史上最低」でした!
だから、よく売れました。
つまり、阿吽の呼吸を理解してくれる先生たちもたくさんいる、
ということなんでしょう。