2015年3月17日火曜日

本、というもの

電子書籍というものが出始めた頃、
これからは電子だ、
なんといっても場所も取らないし、
だから何千冊も持ち歩けるし、
検索もできるし、
安いし、
いいことづくめじゃん!
という意見がある一方、
やっぱり、本でしょ、
なんといっても、目の前に在るし、
紙の手ざわり、
判型、組、フォント、印刷のインク、
つまりそこにはデザインというものがあるし、
持ち運べるし、
抱いて寝られる(!)し、
スクロールなんかしなくてもパラパラできるし、
なんなら破ることだってできるし、
どうしてこれが捨てられようか!
という意見もありました。
両方、そう思います。

でも……

原稿があって、
レイアウトされて、
そこに目次がついて、
章立てがはっきりしてきて、
図版が入り、註が確認され、
紙とインクが決まり、
カバーデザインが全体を包み込むと、
なんとそこには、
無から有機物が生まれるように、
ひとつの世界、
「本」という生命体が出現するのです!

というわけで、
わたしは「本」派です。
(今日も、それを実感しました。)