『コラテラル』(2018)
を見てみました。
舞台がサウス・ロンドンだと知って、
これは見なくちゃ、と思ったわけです。
(『君を想って海を渡る』のラストも、
サウス・ロンドンのエレファント・キャッスルです。)
ミニ・シリーズとはいえ、
トータルでは4時間ほどあるので、
プロットはなかなか込み入っています。
(分かりにくくはないです。)
妊娠中の女性刑事、キップ。
その部下であるアフリカ系のネイサン。
二人が働く地区で、ある夜殺人事件が起きます。
殺されたのは、不法労働していたピザの配達員。
(当初彼は、シリア難民だと考えられていましたが……)
またこの地区には、犠牲者の姉妹がビルの地下倉庫に、
さらに労働党の幹部が、
その元妻が、
女性司祭がヴェトナム系の(不法滞在の)若い女性パートナーと一緒に、
それぞれ暮らしています。
ただ犯人は、どうも軍の所属らしい、
しかも、女性のようだ……
というわけです。
わたしは、とても引き込まれました。
深い内容、ではないのですが、
さまざまな社会問題がうまく絡めてあって、
緊張感が持続していると感じました。
特に、主人公である女性刑事、キップと、
シリアでの戦闘後PDSDに苦しむ誠実な女性大尉は、
魅力的でした。
(実は、後者にはむごいハラスメントも降りかかります。
このシークエンスは、イギリスで放映時、
大きな批判を浴びたようです。
たしかに、映画ならともかく、
テレビで流れるドラマとしては、
もう少し表現に工夫があっても。)
ごく単純には、セリフも気が利いていて、おもしろかったです。
ちょっと、日本語字幕では端折られているところもありますが、
ネトフリは英語字幕も出せるので、
確認できて便利です。
主演のキャリー・マリガンのイギリス英語も、
響きが好きでした。
そうそう、
『わたしは、ダニエル・ブレイク』でシングル・マザーを演じた
ヘイリー・スクワイアーズが、
ピザ屋の店長として出演しています。
これも個人的にはプラス・ポイント。
続編は作られていないようですが、
もっと見たいと思いました。