2021年5月12日水曜日

『コラテラル』


BBCとNetflix が共同制作したというミニ・シリーズ、

『コラテラル』(2018)

を見てみました。
舞台がサウス・ロンドンだと知って、
これは見なくちゃ、と思ったわけです。
(『君を想って海を渡る』のラストも、
サウス・ロンドンのエレファント・キャッスルです。)


ミニ・シリーズとはいえ、
トータルでは4時間ほどあるので、
プロットはなかなか込み入っています。
(分かりにくくはないです。)
妊娠中の女性刑事、キップ。
その部下であるアフリカ系のネイサン。
二人が働く地区で、ある夜殺人事件が起きます。
殺されたのは、不法労働していたピザの配達員。
(当初彼は、シリア難民だと考えられていましたが……)
またこの地区には、犠牲者の姉妹がビルの地下倉庫に、
さらに労働党の幹部が、
その元妻が、
女性司祭がヴェトナム系の(不法滞在の)若い女性パートナーと一緒に、
それぞれ暮らしています。
ただ犯人は、どうも軍の所属らしい、
しかも、女性のようだ……
というわけです。

わたしは、とても引き込まれました。
深い内容、ではないのですが、
さまざまな社会問題がうまく絡めてあって、
緊張感が持続していると感じました。

特に、主人公である女性刑事、キップと、
シリアでの戦闘後PDSDに苦しむ誠実な女性大尉は、
魅力的でした。
(実は、後者にはむごいハラスメントも降りかかります。
このシークエンスは、イギリスで放映時、
大きな批判を浴びたようです。
たしかに、映画ならともかく、
テレビで流れるドラマとしては、
もう少し表現に工夫があっても。)

ごく単純には、セリフも気が利いていて、おもしろかったです。
ちょっと、日本語字幕では端折られているところもありますが、
ネトフリは英語字幕も出せるので、
確認できて便利です。
主演のキャリー・マリガンのイギリス英語も、
響きが好きでした。

そうそう、
『わたしは、ダニエル・ブレイク』でシングル・マザーを演じた
ヘイリー・スクワイアーズが、
ピザ屋の店長として出演しています。
これも個人的にはプラス・ポイント。

続編は作られていないようですが、
もっと見たいと思いました。