2022年9月23日金曜日

『ある告発の解剖』



ロンドンを舞台にしたミニ・ドラマ・シリーズ、

『ある告発の解剖』

を見てみました。
原題は、Anatomy of a Scandal(スキャンダルの解剖)です。 
ミニ、とは言っても、6話あるので、
それなりに長いです。


話は込み入っています。
(まったく分かりにくくはありません。)
大臣
(ルバート・フレンドが演じます。
『ホームランド』でも、分析官として登場していました。)
と、
その妻(シエナ・ミラー、すごくいい)、
そして二人の幼い子ども、
という家庭があります。
この夫婦はともにオックスフォード出身で、
お金も地位も十分すぎるほどあります。
そしてこの順風満帆に見えた夫の、
スタッフの若い女性との浮気が発覚。
夫婦の間に亀裂が入ります、が、
なんとか修復していきます。
……ここまでは、まあ「ふつう」のドラマでした。
でも、この浮気相手の女性が、
彼をレイプで告訴するのです。
5ヶ月の浮気期間中ではなく、
分かれた後、国会のエレベーター内で、
と女性は言うのです。
そしてその後、
オックスフォード時代のスキャンダルも浮上し……

心理的サスペンスなので、
重いと言えばかなり重いです。
ルパート・フレンドとシエナ・ミラーは美男美女で、
それが、「フィクション」感があって、
逆に少し安心するのですが。
そして見所は、女性たちの群像でしょう。
シエナ・ミラー演じるソフィー、
レイプ裁判を担当する女性検事とアフリカ系女性弁護士、
そして検事の助手や、
ソフィー一家の住み込みのロシア系女性も。
そして、「男性中心主義」社会が、
いかに彼女たちを蝕んできたか、
が描かれています。
そういう意味では、
フェミニスト・ドラマとして、
とてもよくできていると感じました。
特に、シエナ・ミラーはよかったです。