2009年6月16日火曜日

「君」


今日の「東京詩」の発表は、建物としての「東京タワー」と、「東京」(ケツメイシ)でした。

「東京」のほうには、J-pop の世界では見慣れた風景が広がっています。主人公の男の子は、「夢」を抱いて上京します、「君」を故郷に残して。そして東京の生活の中で、「誘惑」におぼれ、もがきながら、それでも「今も」「ずっと」「君」を思い出しながらがんばってる、というわけです。ね、見慣れた感じですね?

で…… いかにもアリガチな、深く轍(わだち)のうがたれた物語ではあるんですが、細かく見ていくと、なんかヘン。つまり、この物語って、ほんとに「物語」、つまりフィクションにしか見えないんですね。となると……

今日学生の発表を聞きながら思ったのは、この曲の中に埋め込まれた(そして身動きしない)「君」とは、本物の女性というよりも、擬人化された「故郷」なのではないか、ということです。

先週、東京の開発は賛成する学生も、故郷だけはそのままでいて、みたいな心理が働いている、と書きましたが、このこととも辻褄が合うように思います。(だからといって、なぜそう思うのか、は分からないままですが。)

でも、もし本当にこの曲が「擬人化」によるものなら、ケツメイシはやはりプロだということになるのでしょうか? そう、もう少し轍から外れていれば、もっとよかったとは思いますが。

そしてケツメイシは、積極的にライムを響かせようとしていて、部分的には成功しているようにも思いました。「孤独」と「(思いが)届く」とか、「あぶれてる」と「(思い)溢れてる」とか。

で今週のお題は、「ライム」のある詩、ということにしてみました。カッコイイやつ、SVP !