2009年6月18日木曜日

言葉はどこへ行った



今日は授業前、なんとなく Henri Salvador のCD を聞きながら雑用をこなしていたのですが、その中に、ああこれ先週の授業の内容と関係あるからちょうどいいかな、と思った曲がありました。Les amours qu'on délaisse (「捨てた恋」) です。

すご~くゆっくりの曲なんですが、歌詞の途中に、こんな行があります。

Où vont tous les "je t'aime"
Où vont tous les "je pars"

Où sont les vœux
Qu'on jetait aux étoiles


すべての「愛してる」はどこに行くの
すべての「さよなら」はどこに行くの

星にかけた
願いは(今)どこにあるの

無粋に「今」なんて付け足してしまいましたが…… ここでアンリが歌っていることって、なんていうか、とってもシンプルな疑問のような気がします。つまり、かつて何度も何度も囁き合った「愛してる」という言葉、あの言葉はたしかにあの時聞いたし、言いもした…… そしてあの時この世界にまちがいなく存在したあれらの言葉は、いったい今、どこにあるの? それともないの? あんなにはっきり存在していたのに。

子供の質問みたい。でも、ちょっといいですね。発せられた言葉って、ほんと、わたしたちの鼓膜を震わせたあと、どこへ行っちまうんでしょう……? Where have all the words gone ?