2013年4月6日土曜日

ラファエロ、そしてベーコン

今日4月6日は、ラファエロの誕生日。
530年前のことです。
それで、というわけではないのですが、
上野の「ラファエロ展」に行ってきました。
(ちなみにラファエロは、命日も今日です。)

チケットやポスターにも使われているのは、
「大公の聖母」。これです。


ラファエロの絵は、きれい。
でもとりわけこの絵のオーラは、ちょっと別格でした。

わりとシンプルでわかりやすい構図、
微細に描き分ける、抜群の技術、
そしてイコン。
わたしのような素人でも、
そんな風に楽しめるのですが、
ただ、キリスト者ではない身には、
宗教的な感銘というのはわかりません。
また、世俗的な絵の場合でも、
描かれる肖像は全員お金持ち。
まあ時代的に言って、それ以外の選択はなかったのでしょうが。
それにしても、
肖像が描かれている人物の誰かに、
自分の中の何かを託すという感覚はありません。
(もちろん、ないものねだりなんですが。)

それで、というわけでもないのですが、
午後から向かったのが竹橋。
近美の「ベーコン展」です。

この近美でのベーコン展と言えば、
学生時代に強烈な印象を受けた記憶があります。
(今調べてみると、1983年でした。)
当時ベーコンは、わたしの周りでとても人気がありました。
あの歪んだ自画像、
あれはオレだ、と、
わたしたちはみな思っていたのです。


そして今日、ベーコンと久々の再会。
これが……
やっぱりいいんですね。
得体のしれない、でも持ち重りのする、影のような何か……
ベーコンの絵の前に立つとき、
20世紀に感じていたその何かが、
今また、生き生きと立ち上ってくるのでした。

今日のベーコン展には、
わりと若い観覧者が多かった。それを見ると、
なんだか親しい後輩たちを見るような気持ちに、
勝手になってしまいました。