2013年4月20日土曜日

LES KAÏRA


今日は寒くて、しかも午後からは雨になり、
楽しみにしていたDVDを見ることにしました。

LES KAÏRA

です。
とにかくまずは Bande-annonce を。

http://www.youtube.com/watch?v=i5FW-nq_QUg

こんな感じ。つまり、
と~っても下品で、くだらない(いい意味で!)のですが、
実はけっこう綿密に組み立てられ、
伏線もうまく張られ、
予想を裏切る展開の連続で、
ワルだらけのように見えてその実、
サンパで弱い人たちが多い、という映画です。

舞台は、パリから50km、ムランの「郊外」。
主人公は3 人。
「小人」で、サッカーがうまくて、
ポルノが大好き(特にKatsumi)なMomo、
ラッパーを気取っていつも突っ張ってるけど、
本当はR&Bが好きなアルジェリア系のAbdelkrim、
そして語り手でもある Mousten。(彼はこの映画の監督でもあります。)
3 人に共通しているのは、「明日」が見えず、
今まで何かを達成したことがない、ということ。
そんな彼らがある日、とある広告に目を留めます。
それは、ポルノ男優の募集でした。
(ここで流れるのは、113 のLes Princes De La Ville )

これが、2012年の大ヒットだったのは、
さもありなん、という感じ。
こんなに下品なお話が、こんなに知的に構成されている映画って、
日本にもあるのでしょうか? 

もう1つ別の、短めの予告編。

http://www.dailymotion.com/video/xr6xwg_les-kaira-teaser-la-haine-full-hd-kaira-shopping_shortfilms

これは『憎しみ』のパロディですね。
実はこの映画、主役が「郊外」系の3 人組であることなどから、
よく『憎しみ』と比較されるようです。
監督であるFranck Gastambide は、実際カソヴィッツの友達のようです。

それにしても、言葉の汚いこと!
知ってても使う機会のなさそうな隠語が、
これでもかっていうほど出てきました。
タイトルのKAÏRA も、
どうやら racaille(「下層民」) の逆さ言葉である caille-ra、
それをこんなつづりにしたもののようです。

おもしろい映画でした。