2016年7月31日日曜日
Gare du nord
レダ・カテブ(1977生まれ/イスマエル役)、
ニコル・ガルシア(1946生まれ・ピエ・ノワール/マチルド役)、
そしてフランソワ・ダミアンが出演している、
Gare du nord (「北駅」)
を見てみました。
監督は、ドキュメンタリーを多く撮ってきた
クレール・シモンです。(女性です。1955年生まれ)
北駅には、メトロ、RER、TGV、そしてEurostar も来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=bpMudPLh21M
訳2時間の作品ですが、
その95%は、北駅の構内です。
といっても、メインのホールは広々していて、
その明るさから言っても、
ほとんど「外」ではありますが。
北駅を舞台にして、
そこで働く人たち、そこを行き交う人たちを描いているので、
ストーリーはごくシンプルです。
以下ネタバレあります*************************
イスマエルは、社会学の博士論文を書くため、
北駅で聞き取り調査をしています。
そして彼が声をかけた中に、
歴史学の教授であるマチルドがいました。
(彼女は、体の具合がよくないようです。)
イスマエルの積極さの前で、
マチルドも次第に彼にひかれてゆき、
二人はあるときついに、RERのE線のホームの陰にある、
「セックス部屋」呼ばれている物陰で、キスします。
でも、その様子は、監視カメラに収められていて、
翌日、駅職員にからかわれます。
「おまえ映ってたぞ、年取った女性と」そのせいもあってか、
彼は彼女から距離をとりますが、
彼女のほうは、
「小娘みたいに恋してるの、わたし?」
とつぶやくまでに。
(劇中の二人の年齢はわかりませんが、
リアルだと、31歳差です。
監督は、マチルダと自分を重ねているのでしょうか?)
けれど実は彼女、
どうやら化学療法を受けているらしく、
ある日、「今日が最後です。明日は手術だから」
とメールしてきます。
イスマエルはその時、
看護婦たちのデモに参加し、
北駅の線路を占拠、
駅を大混乱に陥れてようとしているときでした。
やがて警官隊が到着。
逃げるイスマエル。
そしてそれを見つけたマチルドは彼を導き、
警官の目を欺くために、熱烈なキスをします……
この二人の物語が、メインです。が、
小さなエピソード的には、
とても多くの人が出てきます。
靴屋のイラン人、
キオスクのネパール人、
(彼はボビニーに住んでいます。)
エクステを売り歩くコンゴ人、
ロマン・ギャリ―の『約束の夜明け』を落とす老人……。
そしてある父親(ダミアン)は、
家出した娘を探し続けます。
しっとりして、いい映画だと思いました。
(そうそう、幽霊も出てきます、ちょっとだけ。
そういうテイストも、少しあります。)
実はラストで、
イスマエルのもとに、
マチルドが死んだ知らせが入ります。
彼女も、北駅の幽霊になるのでしょうか。
*マチルド、と聞いて、イスマエルが歌いだすのは、この歌。
♪ Mathilde est revenue...
https://www.youtube.com/watch?v=PwSWfuk9PIs