2020年3月1日日曜日

『コインロッカーの女』

朝鮮族が描かれているということ、
女性が主人公だということ、
この2点で見始めたのが、

『コインロッカーの女』(2015)

です。
コインロッカーに捨てられた女の子が、
臓器売買を手掛ける朝鮮族マフィアの女性ボスに買い取られ、
育てられ、
マフィアの一員として働く、
けれどもその過程で出会い、
人間の心を取り戻しかかるも、
それは彼女にとって「お母さん」となったボスにより、
あっさり殺される、
そして彼女も殺されかかるけれど……
というお話。

まあ、結論から言えば、
イマイチでした。
韓国でたくさんの映画賞を獲ったようなんですが、
深刻さが仇になっているように感じました。
そして、またもやミソジニー。
ボスの女性と拾われた娘、
映画の終末近く、
この二人が交わすのは、
わたしたち以外みんな死んだ……
という言葉です。
そう、
主人公にやさしくした若者も、
彼女のことが好きだった男たちも、
彼女の「兄」も、
死んでゆきます。
この二人は、もう「死神」級です。
ホモソーシャルであるのが「ふつう」の世界において、
女性ボスを戴いたせいで、
男たちは破滅するのです。
もう、ミソジニー以外の何物でもありません。

この映画に対するわたしの評価は、
かなり低いです。