2012年9月15日土曜日
Comme les autres
いわゆる「homo 映画」を見る機会は、
そんなに多くありませんが、
今日見た Comme les autres (Like the others)はまさにそうした1本でした。
http://www.youtube.com/watch?v=I5nBNa8IMAo
主人公は40歳代の小児科医、マニュ。
彼はもう15年、カレシである弁護士フィリップと暮らしています。
もちろん周囲も、そういう彼を受け入れています。
というかマニュは、とても感じのいい、優しい人なので、
周りの人は彼が大好きです。
(マニュを演じるランベール・ウィルソンは、
その後『神々と男たち』で主演することになります。
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/des-hommes-et-des-dieux.html)
そしてマニュの最大の望みは、子供を持つこと。
でもフィリップは、そんな気がなく、
結局2人は別れざるを得ません。
でマニュは養子の道を探しますが、ゲイであることがばれて失敗。
(ゲイじゃなぜいけないのか、という根本的な問題も問いかけます。)
するとあろうことか、
交通事故を通して知り合った、アルゼンチンから出身の若い女性フィナに、
「白い結婚」を申し出ます。
不法滞在中の彼女にはフランス国籍を、
自分には子供を、というわけです。
もちろんフィナは怒り出します。
でも……
その後フィナがマニュのおかげで送還を逃れられたり、
彼の家の居候となったりする過程で、
フィナはあの申し出を引き受けることにします。
それはパスポートのためじゃありません。
彼女はマニュを愛し始めていたのです。
けれどここでまた問題が。
検査の結果、マニュは無精子症であることが発覚したのです。
落ち込むマニュ……
そしてフィナが提案したのは、
誰かに精子の提供を受ければ? ということでした。
マニュは考えます。
そしてたどり着いた結論は、
フィリップに頼む、ということでした。
フィリップもまた、最初は怒り出します。が、
マニュが子供を欲しがっていることを、
1番知っているのはフィリップなのです。
彼は結局OKします。
そして本当に、フィナは妊娠したのです。
やがて、マニュとフィナは結婚。
アルゼンチンから両親も駆けつけます。
でも、フィナの愛に応えられないマニュ。
僕はゲイで、これからもずっとそうなんだ……
フィリップとよりを戻したマニュ。
フィナは姿を消します。
それから数か月後、
あらたな代理母を探しているマニュたちのもとに、
電話がかかってきます。
フィナは言います、生まれそうなの……
最後はハッピー・エンディングなので、
それほど驚いたりはしませんが、
そこに至る過程こそがこの作品だと考えれば、
これはとても魅力ある映画です。
そしてもう1つ興味を惹かれるのが、
マニュが住んでいるアパルトマンが、
ベルヴィル公園のすぐ北側にあること。
映画の冒頭も、ベルヴィルの多民族的な雰囲気が映し出されます。
マニュは、「だからベルヴィルで子供を育てるのは、いいことなのさ」
と言ったりもします。
ゲイ映画であることは確かですが、
彼らの存在が、まったく自然。
ベルヴィルという街が舞台に選ばれたのは、
偶然ではないですね。