2012年9月30日日曜日
Jaffa
テル・アヴィヴの南側に位置する港町、ヤッフォ。
この土地の名そのものをタイトルにした映画、
『ヤッフォ』
を見てみました。
DVD のパッケージ裏面には、
「中東のロミオとジュリエット」という宣伝文句が踊り、
さらには、
「今日のイスラエルで、
ユダヤ人女性はパレスチナ男性を愛することができるのか?」
とあります。
ただし、この現代版の「ロミオとジュリエット」は、
なかなかに悲痛な物語でした。
http://www.youtube.com/watch?v=bCKtnl5qG6c
ルーヴァン一家は、ヤッファで小さな自動車整備場を営んでいます。
父、母、息子メイール、そして娘のマリ。
ただこの25歳くらいに見える息子は、
働くのが嫌い。
だらしない、器の小さい男です。
彼はアラブ人差別主義者でもあります。
この整備場では、アラブ人親子、
ハッサンとトゥーフィクも働いていますが、
このトゥーフィクはとても働き者で、
いつかマリと恋仲に。
けれどもある日事件が起こります。
イラチのメイールがトゥーフィクに喧嘩を仕掛けます。
そしてメイールが倒れた拍子に、頭を強く打って……
トゥーフィクは可哀そうに殺人罪に問われ収監されますが、
実はこの時すでに、マリは妊娠していました。
もちろんトゥーフィクとの子供です。
彼女は、中絶の予約を取りますが、
結局、どうしてもそれはできません。
そして9 年後、
やっと出所できたトゥーフィクは、
マリに連絡を取ろうとします。
自分の子供が生まれていることなど、
まったく知らずに……
悲しい映画ですが、
胸に迫るものがあります。
先日の『ガザのブタ』もそうですが、
こういう作品がどんどん公開されると、
中東の理解も深まるのになあと思います。
ところでマリの母親役を演じているのは、
あのロニ・エルカベッツです。
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/mariage-tardif.html
やはり、存在感は抜群でした。