新聞の書評で見かけて、
読んでみたのは、
『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』
です。
マンガです。
帯には、
「移民問題に揺れる欧州
ドイツに衝撃を与えた
社会はコミック」
とあります。
この本、すごくよかったです。
そう、「よかった」のですが、
とても胸が痛む物語です。
モザンビークから、
統一前の東ドイツに渡ったワカモノたち。
彼らは、選ばれたものとしての希望と夢を持っていましたが、
行ってみると、
彼らは単なる単純作業労働者という身分しか与えられず、
勉強もキャリアもままなりません。
しかも給料の60%は天引きされ、
これが、貯まっているものとばかり思っていたのに、
いざ帰国した時、
そのお金はどこにもないのでした。
母国モザンビークは、
激しい内戦を経過し、
ドイツはドイツで統一のごたごたがあり、
そうしたしわ寄せが、
何年もまじめに働いた彼らに集中したのです。
(いや、そうじゃないのかも。
内戦は、国内に残った人たちに、
もっともっと過酷なものを突き付けたわけですから。)
絵もいいし、翻訳も抑制が効いていて読みやすいです。
これはお勧めできます。
こういう本を刊行した出版社も、素晴らしいです。