2017年11月7日火曜日

セネガル

ワールド映画のゼミでは、
フランス映画はほとんど見てこなかったのですが、
今年は、『最強のふたり』を見ています。
それは、まず、
『となりのイスラム』をブック・レポートにしているので、
この本の中にも出てくる『最強のふたり』を見せるのは、
両者を理解するための相乗効果があるからです。

内藤先生は、この本の中で、
ドリスはきわめてイスラム的な人間だ、と指摘されています。
実際、ドリスのモデルとなったアブデルはアルジェリア系ムスリムです。
で、アブデルが白人であるのに対して、
オマール・シー演じる、映画の中のドリスは黒人なわけですが、
実は映画のほうでは、ドリスはセネガル出身だとされています。

(この「セネガル」という固有名詞、
映画の字幕ではカットされています。

Ils(ドリスの育ての親)sont venus me chercher au Sénégal
quand j'avais 8 ans.

というドリスのセリフがあります。)

で、セネガルは、95%の国民がムスリムなので、
ドリスもまた、とても高い確率でムスリムだと考えられるでしょう。
内藤先生の指摘は、事実としても、正しいと言えると思います。

そして、ゼミでよく見る1本に、『扉をたたく人』があるのですが、

https://www.youtube.com/watch?v=Rn3K199kv6c



ここにも、セネガル出身の、ゼイナブという女性が登場します。
彼女は、NYにいる不法移民、という設定です。
ここで、セネガルが「線」になってくるはずです。

ちなみに授業では、
Little Senegal の冒頭も見せます。

https://www.youtube.com/watch?v=zHYXCKjkWmE&t=2010s

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/little-senegal.html

主人公は、奴隷積み出しの島であった、
ゴレ島のガイドなわけです。

もちろん、これらだけでセネガルのイメージを語ることはできません。
でも、第一歩として役立ってくれれば、と思っています。