『グローバリズムという病』(平川克美)は、
3年前に出た本なのですが、
最近読んで、今でも十分読む価値がある内容だと思いました。
読みやすいし。
(平川さんの書いているものは、あちこちで読んでいるので、
わたしにとっては、まあ、「まとめ」のような感じなんですが。)
グローバリゼーションは、
人類の歴史過程そのものであり、
これは止められないし、止めようとするべきものでもない。
けれども、
グローバリズムというのは、それとはちがって、
ある種の経済思想であり、
歴史的な必然などというものではない。
そしてこのグローバリズムの根底にあるのは、
「株式会社」という幻想である。
この幻想は、もう1つの巨大な幻想である「国民国家」と、
鋭く対立する。
グローバリズムを掲げる企業にとっては、
国家による規制(関税とか)なんかないほうが、
活動しやすいに決まっているから。
つまりグローバリズムは、
国民国家そのものの存在理由を脅かしているのであり、
それは「右」とか「左」とかいうレベルの、
いわば「幅」の問題とは根本的に違っている……
大事なことだと思います。