スタンリー・クワン監督の、2005年の映画、
『長恨歌』
を見てみました。
この映画、
日本版もフランス語版もなかったのですが、
幸い英語版を発見し、見ることができました。
舞台は上海。
ストーリーはむしろ単純で、
サミー・チェン演じる女性の半生を、
彼女を求めた男たちとの関係を中心に描いています。
ただ、全体がいくつかのパートに分かれていて、
その間の時間がかなり飛ぶので、
そこがちょっとわかりにくかったです。
ある人物について、
彼は1984年に死んだ、
と(暗転した画像を背景に)字幕が出るのですが、
その後の物語は、まだ70年代だったり。
(字幕が悪いのかもしれませんが。)
基本的な視点は、
レオン・カーフェイ(って、『ラマン 愛人』の彼です。)演じる、
程先生のものです。
そして彼は、
ヒロインのことがずっと好きなんですが、
その思いは(一応)秘められたままです。
新中国建国前から始まって、
文革を経由し、
改革開放の波の中でヒロインは死に、
程先生が2000年代に亡くなったところで物語は終わるのですが、
映画は、
しかし上海は死なないのだ、
と締めくくられます。
この街の映像はほとんど出てこないのですが、
つまり、
この上海を離れないヒロインこそは、
一つの時代の上海を象っているのでしょう。
(男たちは、どこからか来て、どこかへ行きます。)
来週の、
大学院の最初の授業で、
この映画を見る予定です。