2018年9月21日金曜日

『長恨歌』


スタンリー・クワン監督の、2005年の映画、

『長恨歌』

を見てみました。
この映画、
日本版もフランス語版もなかったのですが、
幸い英語版を発見し、見ることができました。

舞台は上海。
ストーリーはむしろ単純で、
サミー・チェン演じる女性の半生を、
彼女を求めた男たちとの関係を中心に描いています。
ただ、全体がいくつかのパートに分かれていて、
その間の時間がかなり飛ぶので、
そこがちょっとわかりにくかったです。
ある人物について、
彼は1984年に死んだ、
と(暗転した画像を背景に)字幕が出るのですが、
その後の物語は、まだ70年代だったり。
(字幕が悪いのかもしれませんが。)

基本的な視点は、
レオン・カーフェイ(って、『ラマン 愛人』の彼です。)演じる、
程先生のものです。
そして彼は、
ヒロインのことがずっと好きなんですが、
その思いは(一応)秘められたままです。

新中国建国前から始まって、
文革を経由し、
改革開放の波の中でヒロインは死に、
程先生が2000年代に亡くなったところで物語は終わるのですが、
映画は、
しかし上海は死なないのだ、
と締めくくられます。
この街の映像はほとんど出てこないのですが、
つまり、
この上海を離れないヒロインこそは、
一つの時代の上海を象っているのでしょう。
(男たちは、どこからか来て、どこかへ行きます。)

来週の、
大学院の最初の授業で、
この映画を見る予定です。