2021年1月17日日曜日

今週の宿題

授業が再開し、テニスも再開し、
大学業務もまた再開したので、
微妙に落ち着かない一週間でした。

フランス語の授業では、
テキストが終わったので、
RFI のニュースから宿題を出しました。

まずは Google のもめごと。

« Don’t be evil » ne soyez pas malveillant est depuis la naissance de Google son slogan informel, et d’ajouter « si vous constatez quelque chose d’incorrect, dites-le ». Mais c’était il y a 20 ans...   depuis, les salariés de Google ne sont plus autorisés à prendre la parole et ne peuvent plus consulter de documents sans autorisation. Le fleuron de la tech s’est éloigné de son pilier identitaire. Et c’est précisément pour avoir osé rappeler à ses dirigeants sa devise que quatre salariés ont été licencié fin 2019. Depuis rien ne va plus à la firme de Mountain View, les divergences sont devenues monnaie courante, avec le licenciement en décembre d’une chercheuse noire travaillant sur les questions d’éthique en lien avec l’intelligence artificielle. 

赤字の部分、
強調構文で、ただし、
強調されている部分が完了不定詞、
que 以下が複合過去で、
つまり、スローガンを思い出させた(=不適切な点を指摘した)結果、
解雇された、ということなんでしょう。
これは強調される前のふつうの文に戻してから考えたほうが、
分かりやすいでしょうけど、やっぱり難しいですね。
でも、できた学生もいました。

そして、Schwarzenegger の発言について。

Installé à son bureau, les drapeaux américain et californien derrière lui, Arnold Schwarzenegger s’exprime durant près de 8 minutes. 
« J’ai grandi en Autriche, je sais ce qu’était la Nuit de cristal. Une nuit de terreur et de violences contre les Juifs menées en 1938 par l’équivalent nazi des Proud Boys». Né 2 ans après la Seconde Guerre mondiale, Arnold Schwarzenegger évoque son enfance et se rappelle des ravages de l’idéologie nazi. Pour lui, la rhétorique utilisée par les groupes d’extrême droite et certains partisans de Donald Trump reposent sur la même mécanique. « Tout a commencé par des mensonges, des mensonges et de l’intolérance ». Arnold Schwarzenegger a également adressé de vives critiques à Donald Trump. « Donald Trump est un dirigeant raté ! Il restera dans l’histoire comme le pire président ! Il a tenté un coup d’état en manipulant les gens avec des mensonges. Mais il sera bientôt aussi insignifiant qu’un vieux tweet ».

こちらは、この動画がヒントです。


ちょっとヒント過ぎた!?

2021年1月13日水曜日

『ルパン』

オマール・シー主演のドラマ、『ルパン』、見ています。
ただ、5話しかないので、
ちょっとずつ(!)見てます。
で同時に、ドパルドュー主演の『マルセイユ』も、見始めました。

で、今日見ていた『ルパン』の中で、

j'accuse

という名前の犬が登場しました。
これはもちろん、ドレフュス事件の時、
ゾラが大統領あてに発表した公開状、

J'accuse... !

から来ているわけです。
そしてその飼い主は、
無実の罪を着せられた男の名誉回復に、力を貸すことになるのです。
犬の名前に主語と動詞を使うっているのは、
なかなか斬新ですね。

そうそう、物語の途中には、
ディープ・フェイクなんかも出てきました。
もうドラマに登場してるんですね。
今後、どんどん増えそうです。

演出も、脚本も、
工夫はあると思いますが、全体に軽くて、
そのへんが、
韓国ドラマ的な迫真性には至っていないのですが、
食後に、まさに軽く見るにはおもしろいです。

2021年1月10日日曜日

『フランスでは有名人』

ガッド・エルマレが主演したドラマ・シリーズ、

『フランスでは有名人』

を見終わりました。


話は単純で、
フランスでは超人気コメディアンになったガッド本人が、
仕事に疲れ、
やっぱり家族のいる生活がしたいと思っていた矢先、
アメリカから郵便が。
それは、元妻からのもので、
二人の息子に関する権利関係の書類にサインして欲しい、
というのでした。
閃いたガッドは、
アポなしでアメリカの元妻のところに向かいます。
が、彼女はもう長らく、
別の男性と暮らしていて、
ティーンエイジャーの息子は、
この新しい父親と二人三脚で、
モデルの道を目指しているのです。
しかもガッドは、異国アメリカでも、
VIP として扱われるはずと思いきや、
そんなことはまったくなく……

このドラマは、食後の休憩時とか、
疲れた日の風呂の中とか、
そんな隙間で見ていたのですが、
まあ長くないので、
気づいたら終わっていました。
特に面白いわけでもないんですが、
まあ、見てられるというか。
アメリカとフランスの価値観の違いも、
やや戯画的ですがにじみ出ていて、
そのへんはおもしろかったです。

この頃は、
野球もないし、
テレビはつまらないし、
ついネトフリ時間が多くなってしまいます……

Fadily Camara & セネガル

ファディリー・カマラの、

La plus drôle de tes copines (「ユーモアのセンスはピカイチ」)

というステージを、ネトフリで見てみました。
おもしろかったです。
(が、フランス語は、英語交じりだし難しかった!)

違うヴィデオですが、Fadily Camara ってこんな人です。


いわゆる、ユモリストってやつですね。
上に上げた動画でもそうですが、
彼女のネタは、アフリカ系あるある、みたいなのが多いです。
彼女の母親のネタも、広い意味ではそんな感じ。
アイデンティティー・ジョーク、
なんて言葉はありませんが、
まあ、そういう系列と言えるでしょう。

で、ネタの中で彼女は、
父親が、セネガル、モロッコ、ギニア、の血を引いていて、
母親はギニア系だ、と説明していました。
なんだか、このごろ、
よく「セネガル」と遭遇する気がします。
ちょっと振り返って整理しておくと、

・ファディリー・カマラ
・『テイスト&カラー』のイケメン・シェフ、ワリ。
・『アトランティックス』は舞台そのもの
・『ルパン』のオマール・シー

そうそう、これはまだ書いてませんでしたが、
やっぱりネトフリで、『ルパン』を見始めたのですが、
ここで(現代の)ルパン役を演じるオマール・シーが、
セネガル出身だという設定になっています。
第1話では、それも1つの意味あるファクターとなっています。

セネガルについては、
以前、これをあげたんですが、


完全に、更新する必要がありそうです。

2021年1月8日金曜日

confinement

フランスのニュースを聞いていて、
この confinement(外出制限)という語を聞かない日はない気がします。
もちろん、日本のコロナ関連ニュースも、
わりとよく読んでいます。

そのなかで、今日読んだこれ、


この「Xファクター」なるものが、
ある、と思っていたわけではありません。
いや……、それはウソかも。
心のどこかでは、
あって欲しい、と思っていたのかもしれません。
というのも、この記事を見た時、
ちょっとショックを感じたからです。
ここまできて、
こんな首相で、
こんな首長で、
この程度の検査数で感染者が7000を越えて、
もう1万は目の前で、
となると2万、3万も見えてきて、
そうなればもう、十分英仏並みです。
この記事が予告しているのは、
そういう事態なんでしょう。

もちろん、いろいろ気を付けてはいます。
布マスクはやめて、不織布のものにかえたし。
でも、「本番」はここからだとしたら……

長丁場を、もう一度覚悟しなければならないようです。
しんどいですが、
なんとかペースを作って、
一日一日を送っていきましょう。

『テイスト&カラー』

ネトフリにあった

『テイスト&カラー』

というフランス映画を見てみました。
原題は、

Les Goûts et les Couleurs 

で、これは

Des goûts et des couleurs, on ne discute pas.

「好みについては、論議しない」→趣味はそれぞれ、
という表現を踏まえているのでしょう。


結論から言えば、
なかなかおもしろかったです。

パリ、シモーヌとクレールは、
もう3年も一緒に暮らしているレスビアンのカップルで、
結婚を考えています。が、
実はシモーヌの実家は敬虔なユダヤ人一家で、
彼女に早く(異性との)結婚をするようにうるさく言ってきます。
そしてシモーヌはどうしても、
クレールとの結婚について切り出せないのです。
そんな時、シモーヌは、
職場近くのビストロのイケメンのシェフ、ワリと、
関係を持ってしまいます。
ただしこのワリはセネガル系で、
とりわけ彼の友人たちは、
ユダヤ嫌いなのです。
ワリの家族も、白人でユダヤ人の女性というだけで、
シモーヌに拒否反応を示します。
シモーヌは、クレールを愛しながら、
ワリのことが気になって仕方ないありません……

テーマとしては、
ユダヤ人というアイデンティティー、
性的多様性、
家族というもの、
などがすぐに目につきます。
そしてこれらが、うまく絡み合って表現されています。
また「パリ」については、
ワリが働いている13区のビストロ、
彼のアパルトがあるオーベルヴィリエ、
さらにはワリの実家があるマルセイユも登場します。
(ただ、都市に対する意識は高くはないようですが。)

結末も意外で、
でもまあ、これしかないような気もするし、
ちょっと「変わった」、
でもいい映画だと思いました。

ネトフリは、
字幕を切り替えると、
フランス語字幕も出ます。
何度でも見られるわけですから、
日本語字幕、フランス語字幕、
そして字幕なしなど、
フランス語の勉強にもとっても役立ちそうです!

MyFrenchFilmFestival 2021

今年もその季節がやってきました。


真っ先に見たいのは、わたしなら、

Filles de joie

かな。

Camille

もおもしろそう。

2021年1月7日木曜日

りんご

朝は、まずリンゴから始めています。
先日スーパーで買ったサンフジがおいしかったので、
翌日も行って、
同じものを20個ほど買ってきたんですが、
やっぱりおいしくて、いい選択でした。
で、
夜、風呂の後にも、
リンゴを食べます。
これは半分くらいですが。

でも、夜、静かにリンゴを剥いていると、
ナイフがリンゴの皮を削り取っていく音も、
発泡するようなリンゴの甘酸っぱい味わいも、
より鮮明に感じられます。

というわけでこのごろは、
リンゴに始まってリンゴに終わる日々です。

そうそう、
今日(というか昨日)、眼科に行って、
幸いもう眼底に出血は見られないことを確認しました。
とりあえずよかったです。
(ご連絡頂いた方は、ご心配頂きありがとうございました。)
結局原因が(加齢以外)よく分からないので、
またいつか同じことが起きるかもしれませんが、
そのときはそのときで!

というわけで、
来週からテニス再開できそうなので、
(営業自粛にならない限り)
それまでに、ガットでも張り替えておくことにします。

2021年1月6日水曜日

回す


日本における「経済」という語の使い方が、
「経世済民」から遠く離れてしまった歴史は受け入れるとして、
ただそれでも、
このところイヤになるほど聞かされている「経済を回す」という表現には、
いまだに違和感を禁じ得ません。

と思っていたら、
小田嶋隆さんが、
さすがの tweet をしていました。

***********************

「経済を回す」という言い方を好む人たちは、
回す労働に従事する人間と、
回すことによって利益を得る人間が別であることを十分にわかったうえで、
「おまえら回せよな」
と言っている。
私は、「経済を回す」というこの言葉を聞くたびに
「一人で勝手に回ってやがれ」と思うことにしている。

********************************

ナイス。

『アトランティックス』

最初に言ってしまいますが、
とてもいい映画を見ました。

『アトランティックス』

です。
(ネトフリで見たんですが、
これ1本で、今月分は元取りました。)


ストーリーは、一見単純です。
セネガルの、ダカールにほど近い海辺の街、
恋仲のティーンがいて、
でも、スレイマンは働いても働いても金が入らない、
アダは、10日後に、親の決めた男との結婚の予定がある……。
で、スレイマンは、
アダに別れを告げることができないまま、
スペインに移民すべく、密航船に乗るのです……

というところで、
まだ物語の20%くらいで、
その後、思いもしなかった展開を見せます。
ただ、この映画が素晴らしいと思うのは、
その意外な展開ゆえではありません。
そうではなく、もう、
たとえばアダがただ歩いているシーン、
ただ寝転がっているシーン、
スレイマンがトラックの荷台で揺られているシーン、
そして海……
どれ一つとっても、
ああ、これが映画だ、という感触があります。
音楽もいいし。

退屈な映画を見た時には、
テンポが遅すぎる、と思うこともありますが、
この映画のゆるやかなテンポの魅力を前にすると、
やっぱり映画はテンポだけじゃないことを再認識させられます。

何か書くと、映画の内容に踏み込んでしまうので、
今回は書きませんが、
とにかく、最近見た中では一番おもしろかったです。
恋愛映画であり、移民映画であり、
格差を描き、生と死を描いています。

この映画は、カンヌのグラン・プリを獲っています。
ふだん、そうした賞はあまり気にしないのですが、
これをグラン・プリ(ってのは2位なんですが)にするなら、
カンヌはやっぱり捨てたもんじゃない、と、
(つい上から!)思ってしまいました。

それから言葉ですが、
基本はウォロフ語のようです。
ただおもしろいのは、
なにげなく、スピードや抑揚を変えるでもなく、
ウォロフ語の途中にフランス語が挟まっていることです。
それも、
Merci. Voilà. SVP.
くらいならともかく、
(これくらいならレバノン映画でも聞こえてくることがあります)
思い出せるだけでも、
Ça va aller.
C'était pas pour ça.
Vous allez voir.
Il a beaucoup fait pour vous.
など、
短い決まり文句的ではあるけれど、
1単語とかではなく「表現」が使われていて、
不思議な感じでした。
きっとフランス語もできるんだろうな、という感じ。

そして、これが長編第一作だという、Mati Diop のインタヴュー。
(彼女の父親は、セネガル系のミュージシャン、
叔父は映画人のようです。)

2021年1月5日火曜日

「菅氏、1日307万円×2822日支出」

で、つまり合計、86億円だと。


そしてこれとは別ですが、
自民党は、今、議員年金復活に向けた議論に入ったとか。

暇なのか?

『アンカット・ダイヤモンド』

アメリカの批評家の間ではとても評価の高かった

『アンカット・ダイヤモンド』

をネトフリで見てみました。


賭博に溺れた、ユダヤ人宝石商、ハワード。
彼は、エチオピアの鉱山事故の際発見された、
「ブラック・オパール」と呼ばれる宝石を、
10万ドルで入手します。
この幸運を、彼は100万ドルにしようと企み、
有名プロ・バスケット選手に接近。
上手くいくかに見えましたが……
というお話。

ハワードを演じるアダム・サンドラーは、
すでに長いキャリアを持った俳優ですが、
ちゃんと見たのはこれが初めてでした。
で、ほかは見てないのに、
これがハマリ役なのはよく分かります。
彼の映画に見えました。

そしてこのハワードの愛人ジュリア、彼女は
「美人」(←隣の住人の言葉)で、
「尻軽」(←浮気がばれてハワードにそう詰られる)で、
やさしくて、
ハワードを愛している……
これは、ハワードならずとも、
男性的なファンタスムの一つの典型なのでしょう。

で、この映画は、
このジュリアの存在も含めて、
フィルム・ノワールにかなり接近しているように感じられます。
スコセッシや、コーエン兄弟の作品と比較している評もありましたが、
よく分かります。

そういえば、スコセッシの新作が、
ネトフリにあったような……

2021年1月4日月曜日

「ボイス3」

「ボイス1」は AmazonPrime で、
「ボイス2」は Netflix で見られたのですが、
両者とも「3」は」配信しておらず、
初めて GYAO を使い、「ボイス3」を見ました。
全16話ですが、退屈しませんでした。


実は、「2」と「3」は1続きの物語です。
誰かが捕まると、実はその背後に別の人間がいて、
物語はどんどん奥が深くなってゆきます。

16話もありますから、
途中には、メインの物語とは別の事件もたびたび起こるのですが、
わたしとしては、
実はこちらがおもしろかったです。
韓国社会のさまざまな局面が垣間見られます。
イ・ハナ演じるセンター長は、
色恋とまったく関わらないヒロインで、
これはこれですっきりしていました。

<以下、ネタバレあり>

で、メインの物語ですが、
実はこれは、最終盤になってやっと分かることなのですが、
物語の骨格は、「カインとアベル」なのでした。
そういえばどこかで、
「番人」という言葉も出てきたような気が……
こんなキリスト教的な背景が出てくるとは、
考えてもいませんでした。

猟奇的な部分はちょっと引くし、
やや幼い感じもあるんですが、
全体としては、おもしろかったと言えそうです。

2021年1月1日金曜日

J'irai où tu iras

さて、今年の1本目、
やっぱりこれから始めよう、
と思って見始めたのが、

J'irai où tu iras


監督がジェラルディン・ナカシュ、
主演が彼女自身とレイラ・ベクティ、とくれば、
これはもちろん、
大好きなこの映画を思い出します。


この映画との間にどんな文脈を見つけられるのか、
そんな気持ちで見始めました。

舞台はナント。
気のいい、ちょっと変わり者の父親は、
明日から化学療法を始めることになっています。
その彼には娘が二人、
セラピストのミナと、
歌手志望で、
セリーヌ・ディオンのバック・コーラスのオーディションが控えているヴァリです。
ただこの二人、うまくいっていません。
もう1年以上も会っていないのです。
そして、いつもヴァリの世話に明け暮れている父親は、
病気のことを隠してきたのですが、
とうとう入院する日とパリでのオーディションが重なってしまい、
ミナに送迎を頼むのです。
最初は断ったミナでしたが……
というお話。

軽い、というのか、
サラサラッと最後まで来てしまう映画でした。
悪いわけじゃないんですけど、
グッとはきませんでした。
デキだけ言えば、
Tout ce qui brille には遠く及ばない印象です。

ただ、二人とも、
大人になったなあ、という気にはなりました。
当たり前ですけどね。

2021


あけましておめでとうございます!

今年は、奮発してフレンチおせちを注文してみました。

お屠蘇の代わりに、朝からワイン、いっちゃいました!

2020年12月31日木曜日

à la fin de l'année étouffante

AmazonPrime にあったので、
もしかして授業で使えるかも?
と思って見始めたのは、

『フレンチ・コネクション 史上最強の麻薬戦争』

です。
この映画、実は以前見たことがあります。


というわけで、
民族関係などに注目すれば、
授業に向くかと思ったんですが、
どうもそれは違うようでした。
ただ、やっぱり、おもしろい。
でも、なにがおもしろいのか、
ほんとのところは、よく分からないんですが。
人間が生きているという感じ、
なんでしょうか……?

というわけで、
今年も終わりです。
さっきのニュースで、
東京は 1300人だと言っていました。
大晦日に、1000人超え、です。
残念だという意味で、今年らしいですが。

来年の今頃は、
晴れ晴れと、新年を迎える気分でいられればいいのですが。

では、

Bonne santé à TOUS !!

2020年12月30日水曜日

『ロスト・ブレット』

ニコラ・デュヴォーシェルとアルバン・ルノワール、
見たばかりの映画に出ていた二人が共演する、

『ロスト・ブレット』

を見てみました。


ニコラは悪徳刑事、
アルバンは無実の罪を着せられた男、です。
(アルバンを可愛がる刑事役で、
お馴染みのラムジー・ベリアも出ています。)

アクションを中心にしたエンタメですが、
主役の二人はいい演技。
それぞれに個性が出ていて、よかったです。
かつてブニュエルは、どんな低予算の商業映画であろうと、
自分の取ったものの中に、
わたしらしくない作品は一本もない、
と言っていましたが、
ニコラやアルバンにとって、
この作品はそんな感じなんでしょうか。
賞を取るようなものでも、
有名監督のものでもないけれど、
やっぱり自分の出演作ではあるという。

アルバンとちょっと仲良くなる女性刑事を、
ステフィ・セルマという俳優が演じています。
彼女はカリブ系で、他の作品も見たいと思いました。

2020年12月29日火曜日

Une sirène à Paris

Une sirène à Paris

は、2019に発表された小説ですが、
今日は、その映画版を見てみました。
主演はニコラ・デュヴォーシェルです。


まあ、幻想的というか、大人向けのおとぎ話であり、
ちょっとジャン=ピエール・ジュネを思わせる画風です。
まあ、「人魚」ですから、
彼女の歌を聞くと恋に落ちて死ぬ、
というのが物語の肝を形作っています。

どうなんでしょう、
日本で公開されれば、
それなりに話題になるのでしょうけど、
まあ、どうということはない、かな?

『ザ・ゲーム ~赤裸々な宴』

フランス映画では、
時折、しかも定期的に、
室内の会話劇を見かける気がしますが、
この

『ザ・ゲーム ~赤裸々な宴』

も、まさにそれ。
Netflix で見てみました。
(ただこれは、イタリア映画『大人の事情』のリメイクで、
そちらもちょっと覗いてみたところ、
まあかなり「そのまま」のリメイクである印象でした。)


美容整形外科医と精神科医という、ブルジョワ・カップル。
彼らは、古くからの友人たちを自宅に招き、
恒例のディナーを楽しみます。
そしてメンバーが集まりいろいろ話すうち、
秘密がないならみんなのケータイをここに出して!
ということになり、
電話もSNSもみんなで共有する、ということになります。
で、
予想通り、さまざまな秘密が暴露され……
というお話。

この手の映画は、基本的にはあまり得意じゃありません。
ハードボイルドとは対極にある、
行動が乏しく、言葉が過剰な映画、ということです。
ただ今回この映画を見ることにしたのは、

ロシュディー・ゼム
ベレニス・ベジョ
ヴァンサン・エルバーズ

という、好きな俳優たちが出ていたからです。
そして結果から言うと、
いくつか「?」はあったし、
ゲスさがベタな感じもしましたが、
会話劇なので、
ああ、このフランス語表現はこんな状況でも使うのね、
というような発見もあったし、
まあ、おもしろく見られました。

2020年12月28日月曜日

『バッド・シード』

以前、Nous trois ou rien という映画のことを書きました。


残念ながらこの映画、
日本ではまだ簡単に見られるようにはなっていないのですが、
この作品を撮ったケイロンの、
次の作品は Netflix で見られます。

『バッド・シード』(Mauvaises Herbes)

です。


舞台はバニョレ。
30代のワエルは、そこでなかなか派手な養母(ドヌーヴ)と暮らしています。
ワエルは、子どもの頃、
(どうやらレバノン内戦において)
家族全員を失くし、孤児となりました。
彼はムスリムでしたが、やさしいシスターに保護され、
なんとか生きのびることができました。
ただ、パリで生きる今、
養母と二人で小さな詐欺を重ねて生活していて、
まともな仕事には就けていません。
そんなとき、養母が昔の友人と偶然再会します。
ワエルは、この旧友が仕切っている、
問題を抱えた中学生の教育施設で、
ヴォランティア指導員をすることになります。
そこにいたのは6人の中学生たち。
男子は、アラブ系のカリム、アフリカ系のリュド、
そしてインド系とロマ系です。
女子は、IQ140というナディアと、
ユダヤ人のシャーナです。
物語は、ワエルとこの子どもたちとの交流を中心に進んでゆきます。

Nous trois ou rien の時もそうだったのですが、
このケイロンという監督は、
泣き笑い、というか、
悲喜劇、というか、
コメディーの中に深刻な要素を埋め込み、
観客を独特な感覚に陥らせてきます。
戦争、虐殺、貧困、虐待、などが、
軽いおしゃべりの背後に流れているわけです。
この辺が、単なるコメディとは違うところでしょう。

ただ、フランスでのメディアの評価を見ると、
問題になっているのはむしろ作品のヒューマニズムです。
これを湛える評もあれば、
浅い、愚直、と切り捨てている評もあるのです。
たしかにどちらの言い分も分かります。
わたしとしては、評価する前に、
もう1作見てみたい、という感じです。

映画の冒頭、
実は『レ・ミゼラブル』でも引用されていた、
Hugo の言葉が示されます。
(オリジナル・タイトルは、ここから取られているんですが、
わたしは作品と合ってないと思います。)

Il n'y a ni mauvaises herbes, ni mauvais hommes.
Il n'y a que de mauvais cultivateurs.

この引用自体は、『レ・ミゼラブル』のほうがしっくりきます。
でも、こちらも、
十分見るに値する映画だとは思います。

(小さなことを一つ。
映画の始まりはバニョレの空撮で、
(ツイン・タワー、Les Mercuriales が見えています。)
ただ、それに続くショットがモールで、
バニョレのそれかと思いきや、
明らかにクレテイユの巨大モール、
クレテイユ・ソレイユなのです。
後で考えて、
つまりこれは、
舞台はバニョレだけど、
今はクレテイユに来ている、
ということなんだと分かりましたが、
ちょっと不親切。
2つの場所を知らなければ、同じ場所だと思うのが映画の約束で、
とはいえ、
ある程度パリに詳しくなければまず分からないからです。
ナディアはどうもクレテイユの子らしいので、
学校自体も、クレテイユにあるということなんでしょうけどね。)

あ、もう1つ思い出しました。
ここで悪徳警官役を演じているアルバン・ルノワールは、
この映画の主演でした。


この映画は、明治大学の「フランス映画の夕べ」で取り上げたので、
とても印象に残っています。

2020年12月26日土曜日

Roubaix, une lumière

アルノー・デプレシャン、
先日見た彼の『あの頃エッフェル塔の下で』は……だったのですが、
今日、彼の新作、

Roubaix, une lumière (2019)

を見てみました。
というのも、出演者の中に、

ロシュディー・ゼム
レア・セドゥ
サラ・フォレスティエ

の名前があったからです。
すごいメンバーです。

Roubaix は、北フランスの、
リールよりもさらに北、
ベルギーとの国境の街です。
映画の中のセリフを借りれば、
フランスの大都市の中でもっとも貧しい、
ということになります。
アルノー・デプレシャンはこの街の出身で、
他の作品でも、このRoubaizx が登場していました。

ロシュディー・ゼムは、この街の警視です。
アルジェリア系で、
彼以外の家族は故国に戻り、
彼だけがここに残っています。
いくつもの事件が起きます。
その一つ一つが、
現代の Roubaix の置かれた位置を物語っていて、
おもしろいです。
そこに絡む端役の人たちもなかなかいいです。
中でメインになるのが、老婆の殺害事件です。
そしてその容疑者となるのが、
すぐ近くに住む女性カップルであり、
それを、レアとサラが演じているわけです。

ただ、この女性二人は、
いわば「汚れ役」と言っていいでしょう。
あの華やかな役をこなしてきた二人が、
ここでは、陰にこもった、すさんだ生活を生きる女性を演じています。
もちろんそれでも、
ふたりにはある種の美しさがあるし、
監督はそれに気づいています。

この3人は、素晴らしいです。
特にゼムは、いつもながら。
なので映画自体も魅力的でした。
街のうらぶれた感じも、底冷えのように、
足元から這い上がってきます。

ただ、これはマズイんじゃ?
とはっきり感じる演出もありました。
それは、着任したばかりの刑事が、
モノローグの形で手紙を読む場面です。
とても不自然。
視点がぶれて、混乱します。
これはもうきっちりと、
ゼムの視点で行くべきだったと思います。
それがなければ、
かなりいい作品だったのに、と思います。

*とここまで書いて、
実は日本版DVDが出ていることを知りました。
『ダブル・サスペクツ』
です。


そしてアマゾンのレヴューは低いですが、
それはチガウでしょう。
わたしなら、★★★★☆ です。

2020年12月23日水曜日

2本

今日見た2本、

『パリ、混沌と未来』
『あの頃パリの空の下で』

は、両作とも、ピンと来ませんでした。
前者は、モンマルトルやレピュブリック広場など、
パリの風景に見どころはありましたが、まあそれだけ。
後者は、今風ヌーヴェル・ヴァーグという触れ込みなんですが、
予想通り、わたしとは合わないと感じました。

ブルデューは、
趣味(選好)とは嫌悪である、
と言ってますが、そうなんですよね……
(原文では、「趣味」は goût、「嫌悪」は dégoût です。)

2020年12月22日火曜日

『スクールライフ:パリの空の下で』

Zita Hanrot 主演の「パリ郊外」映画、

『スクールライフ:パリの空の下で』(2019)

を Netflix で見てみました。
オリジナル・タイトルは

La Vie Scolaire

です。(日本では劇場公開されませんでした。)


舞台は、パリ北郊の Le Franc-Moisin。
(これは Stade de France のすぐ東側です。)
この「教育困難地区」にある中学校(現実には le collège Federico Garcia Lorca)に、
新しい教育指導主任専門員(CPE;conseiller principal d'education)が着任します。
サミア・ジブラ。
アルジェリア系の父とカリブ系の母を持つ彼女は、
実は、カレシが収監されている刑務所の近くを希望し、
一人の知り合いもいないこの土地に配属されてきたのでした。
彼女の周りには、
癖の強いスタッフ仲間、
教員たち、
もちろん生徒たち、
生徒の親たち……
等がいて、
いわゆる「荒れた」学校空間を構成しています。
メイン、と呼べるほど強いストーリーはなく、
小さなエピソードが重なっていく感じは、
この手の映画の大先輩、
『パリ20区、ぼくたちのクラス』にも似ているかも。

生徒の一人に、ヤニスというアラブ系の少年がいます。
(ムバッペ似です。)
心優しい彼は、でも、もうしばらく前から、
努力するということを放棄しています。
サミアは何とか彼を励まし、
彼が好きだという映画関係の仕事に向かって進ませようとするのですが、
なかなかうまくいきません……

で、実はこの二人が、この映画の2つの極になっているようです。
二人は、もちろん違う世界にいるのですが、
そのそれぞれの世界での位置が似ています。
それをはっきり示しているのが、
ヤニスの父親もまた、
サミアのカレシと同じ刑務所にいるという事実です。
二人は、刑務所の入り口で偶然出会い、
一瞬見つめ合うのです。
途中、2つのパーティーを、
クロス・カッティングで繋ぐ箇所があるのですが、
そこでも、二人の相似性がはっきり提示されるようです。

またこの映画は、「口が悪い」。
辞書に出てない砕けた表現くらいはともかく、
悪口の言い方に品がありません。でも、
不思議なことに、映画全体はウォームなのです。
アラブ系のヤニスと、アフリカ系の親友の会話ときたら、
「へい、汚い黒人! Sale noir !」
「なんだい、このテロリスト!」
みたいな感じなんですが、
この間二人はずっとニコニコしていて、
とにかく、大親友なのです。
道徳的な PC とはまったく違う次元ですが、
個人的には、こういう世界にも親しみを感じます。

そうそう、大事なことを忘れてました。
この映画の監督・脚本には、
Grand Corps Malade が参加しているんです。
彼の監督作品としては、これがありました。


才能ある人ですね。

そして主演の Zita Hanrot もよかった。
(実際の彼女はジャマイカ系。)
『ガールフレンド・イン・パリ』はひどかったけれど、
こちらはよかったです。

2020年12月21日月曜日

『キューティーズ』


Netflix を散策していて、
おやこれも「パリ郊外」? ということで見てみたのが

『キューティーズ』(2020)

です。


原題は Mignonnes で、
「可愛いもの(物/者)たち」なんですが、
実際は、劇中に登場するガールズ・ダンス・グループの名前です。

舞台はパリの北、のようです。
(途中、ラ・ヴィレット公園が出てきます。
「郊外」と書きましたが、もしかしたら、
ギリ「パリ」なのかもしれません。)
ヒロインは11歳の少女、アミ。
セネガル系の移民で、
母親、小さい弟、そして赤ちゃんとの4人暮らしです。が、
ここに、
セネガルから父親が戻ってくるというのです、
第二婦人を引き連れて。
アミは、自分もそれがイヤだし、
母親も実は深く傷ついていることを知っています。

そんなある日、住んでいる団地の洗濯室で、
同じ学年のアンジェリカが、
Hip Hopに合わせて踊っているのを見かけます。
そして…… あっという間にダンスの虜になります。
家庭内の、古いしきたりと、
Hip な生き方は当然齟齬をきたし……
というお話。

アミを含め、少女たちは可愛らしい。
激しい喧嘩もするし、
言葉は汚いし、
スマホは盗むし…… なんですが、
やっぱり、健気なんです。
ガールズ・ブループは(一応)4人で、
セネガル系のアミ、
アラブ系のアンジェリカ、
アフリカ系のクンバ、
白人のジェス、です。
思い出すのはやっぱり、これです。


ちなみにこの『キューティーズ』は、少女たちの描き方が、
over sexualisation 
なのではないかと、
特にアメリカのライト側から批判が上がりました。
それに対して、監督も Netflix も反論しました。


大人の(「セクシーな」)女性のマネをすればするほど、
成功に近づける……
少女たちがそう信じ込まされる状況こそが問題だ、
というわけです。
つまり少女たち、少なくともアミは、
家父長的は伝統主義と、そうした資本主義の退廃との板挟みなのだ、
ということになります。

たしかに少女たちは、
その意味も知らないまま、
性的な行為を模倣した動きをダンスに取り入れてゆきます。
健気、と書きましたが、
その健気さそのものが、仇ともなっているわけですね。

そう考えてくるとこの映画、
単なる伝統主義と自由主義の板挟み、を描くことから、
大きく一歩、踏み出しているのかもしれません。
新しいです。

"house negro"

『バンリューの兄弟』の中では、
「雄弁コンクール concours d'éloquence」が開かれます。
テーマがあって、
君は肯定、きみは否定ね、
と振り分けられるので、
一種のディベートなのでしょう。
で、
映画内でのテーマは、

L'Etat set-il seul responsable dde la situationactuelle
des banlieues en France ?
(フランスの郊外の現状に責任があるのは、政府だけなのか?)

でした。
主人公は「否定」を振られ、
郊外人としての尊厳において、自らの「選択」の重要性を語ります、
肯定することは、同時に被害者意識の肯定に過ぎない、
白人層の罪悪感の軽減に過ぎない、
というわけです。
一方、「肯定」を振られた、
パリ5区育ちのブルジョワ白人、リザは、
そもそも「政府」とは誰かを問い、
そこには郊外人自身も含まれていることを指摘した上で、
「選択」と社会的流動性を称揚する主人公のことを、
マルコムXの言う house negro(naigre de maison)ではないのか、
Bounty(=外見は黒人で内面は白人)ではないのか、
と反論します。

この論理のぶつかり合いは、
アクティヴィストである監督たちの見せ場なのでしょう。
ただ……
これを「映画」で見せてくれれば、
もっとスリリングだったかもしれません。

2020年12月20日日曜日

『バンリューの兄弟』

「パリ郊外」繋がりで、

『バンリューの兄弟』

を見てみました。
これはNetflix でのタイトルで、
オリジナルは

Banlieusards

なので、『郊外の人々』となるでしょう。
実際、たしかに郊外で暮らす3兄弟がメイン・キャラクターではありますが、
彼らを取り巻く人々、
母親はもちろん、友だち、仲間、敵、も含めて、
「郊外人」を描いています。

舞台は、ヴァル=ド=マルヌの Bois-l'Abbé 地区。
そこにあるHLMで、マリ系の移民系の母と、
二人の息子が暮らしています。
実は長兄もいるのですが、
彼は麻薬がらみの犯罪を繰り返し、
家から追い出されています。
で、
次兄は大学生で優秀。
雄弁コンクールの決勝を控えています。
ただ、15歳の末弟は、
次兄より長兄の生き方をモデルとしているように見え、
それが母親を嘆かせています。
そしてこの末弟が「事件」を引き起こし、
その余波が、遠くまで及んでゆきます……

映画としての構造は、単純です。
麻薬取引や殺人もありますが、
それは「郊外」の日常であるかのように描かれています。
「郊外」の置かれた状況について、
わりと概念的な説明が複数試みられている点が、特徴でしょう。

ただそれもそのはずで、
この作品の監督は Leïla Syと Kery James で、
二人は HipHop 界の有名人で、アクティヴィストです。
(Kery James は長兄を演じています。)
途中、主人公である次兄が、
Kery の Lettre à la République というラップを、
力強く歌う場面があります。

A tous ces racistes, à la tolérance hypocrite,
Qui ont bâti leur nation sur le sang,
maintenant s'érigent en donneurs de leçons.
Pilleurs de richesses, tueurs d'africains,
colonisateurs, tortionnaires d'algériens.
Ce passé colonial c'est le vôtre.
C'est vous qui avez choisi de lier votre histoire à la nôtre.

共和国よ、この植民地主義的な過去こそ、おまえの過去だ。
おまえの過去を、オレたちの過去と結びつけることを選んだのは、おまえ自身だ。

確かにね。

それから小さなことですが、
長兄のダチも次兄も知っていたセリフは、
調べてみたら、
『スカーフェイス』からの引用でした。
ごく単純な論理ですが、
『スカーフェイス』がそれほどまで有名なことに、
あらためて気づきました。

Dans ce pays, il faut d’abord faire le fric, 
et quand tu as le pognon tu as le pouvoir, 
et quand tu as le pouvoir tu as toute les bonnes femmes.

2020年12月19日土曜日

『レ・ミゼラブル』

Hugo ではなく、Ladj Ly の

『レ・ミゼラブル』

Amazon Prime に登場したので、
また見てみました。

舞台は、パリ郊外のモンフェルメイユ、
つまりHugo の同名小説の舞台の地、
ということになっていますが、
Google Earth で近くを探したところ、
舞台となっている団地は、
クリシー=スー=ボワにありました。
そう、あの2005年の暴動のあった場所です。
(で、映画内でも、その暴動への言及があります。)
また、これは字幕には訳されていませんでしたが、
主人公のステファンの元妻は、
ボビニーに転勤になったと。
(ボビニーについては、
ここでもう何度も触れました。
そしてボビニーとクリシー=スー=ボワの間に、
『最強のふたり』のドリスの実家がある、
ボンディがあるわけです。
93、ですね。

やっぱり、緊迫感があっていい映画でした。
「点」が5つあって、
それはBAC(警察)、
「市長」と呼ばれる元締め、
「ハイエナ」と呼ばれる(BACと手を結んでいる)マフィアのボス、
サーカスを経営する「ロマ」、
イスラム急進派のリーダー、サラー、です。
そして真の主役である子どもたちは、
彼らすべてから抑圧される存在なわけです。
多くの映画において、
郊外の少年たちを抑圧するのは「社会」なのですが、
その「社会」の実態の描き方が、
この映画は独特なのです。
そしてもちろん、それが美質なのです。

映画のラストには、この引用;

Mes amis, retenez bien ceci,
il n'y a ni mauvaises herbes, ni mauvais hommes.
Il n'y a que de mauvais cultivateurs.

Victor Hugo, Les Misérables

こういう映画を見ると、
やっぱり、「パリ」が気になってきます。

2020年12月17日木曜日

オニカサゴ

このところ、なぜか眠くて、
40~50分も仕事するとすぐに「つかれた~」となってしまって、
休憩に入るとそれが1時間(!)も続いてしまい、
右眼は相変わらずで、
テニスはないので1日のペースもつかめないし、
その結果読むべきレポートはどんどん溜まるということで、
なんとなくイマイチな感じの進行だったんですが、
今日やっと、
このところの眠い感じから解放されて、
「ふつう」に仕事もでき、
なんとなくほっとしました。
このご時世だと、
ちょっと体調がワルイと、
もしかして!?
と考えてしまうのが人情なので、
まあ、軽い風邪だったのかな、
と思っています。

で、
ちょっと目を覚ますために午前中に外に出て、
ついでに、
ずいぶん久しぶりにちょっと離れた魚屋(角上)へ。
行ってみるとこれがけっこう混んでいて、
でもむべなるかな、
スーパーではお目にかからない魚が、
あれこれ並んでいるのでした。

今日はその中から、
刺身でもいけるというオニカサゴを買ってみました。
ちょっとお高かったんですが、
スーパーではまず出会わないし、
万が一あってももっとずっと高いだろうということで。

で……
さすがにおいしかったです。
キモも一緒に煮つけにしたんですが、
これば特においしい。
体調は戻ってきたし、
オニカサゴはおいしかったしで、
今日はいい日でした。

2020年12月12日土曜日

キム・ギドク

旅先で、しかもコロナで亡くなったというニュースには、
驚かされました。
わたしより2歳年下だし。

彼の映画、そんなにたくさんは見てなくて、
すぐに思い出せるのは、

『嘆きのピエタ』
『サマリア』
『殺されたミンジュ』
『受取人不明』……

などですが、わたしが一番いいと思ったのは、

『The Net  網に囚われた男』

です。
これは、とってもよかった。
また、取調官を演じたキム・ヨンミンの行っちゃった感じに、
この俳優すごい、と思ったのを覚えています。
(彼とはその後、
『愛の不時着』
『ベートーヴェン・ウイスル』
などでも出会っています。
好きな俳優です。)

もっと作って欲しかった監督です。
残念です。

2020年12月10日木曜日

Google 予想

東京はついに600人を越え、

「ピークアウトしたらしい」

という何人かのコメントは、

俄然怪しくなってきました。

で、Google 予想だと……

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/ncZpB?s=nXbF2P6La2M

Mmm、正月早々4000人を突破すると……


やはり、Go To Hell だったわけですね。

そんなお金があれば、

医療施設、医療関係者に回すべきだと思うんですが。

(あの、小さすぎるマスクの時も、そう思いましたが。)


2020年12月9日水曜日

テニスが……

今年もあとわずかになり、
なんとか大過なく終われるかなあと思っていた矢先、
まあ「過」というわけではないんですが……

先日映画を見ていた真っ最中、
唐突に、右目にパラリと「飛蚊」感を覚え、
なにか光のようなものが走る感じもありました。
まあ、一過性? と思っていましたが、
どちらかいうと症状が進行気味なので、
一応眼科に行ってみたところ、
なんと、眼球の中に出血があると。
ただ、視力は落ちてないし、
網膜に穴などもない(←これかと思ってたんですが)ということで、
血を止める(←血管を強くする、らしい)薬を出され、
それを1月ほど飲むことに。
どうも、赤血球が、眼球の真ん中の、卵の白身状のところを浮遊し、
それが飛蚊になっていたようです。
赤血球が揮発(?)すれば、少しは改善されるけど、
そのカラみたいなものは少し残るかも、ということでした。

誰の文章だったか思い出せないのですが、
たしか、書き手がある女性作家としゃべっているとき、
その作家が突然、今、片方の目が急に真っ暗になった、
と言い出す場面がありました。
網膜剥離だったようなんですが、
この記憶がよみがえり、
ちょっと怖かったのと、
もしも手術になった場合、
年明けの採点や成績付けはどうしようと思っていたので、
とりあえずそれは回避でき、よかったです。
まあ、そこそこ鬱陶しくはあるんですけどね。
あとは、このまま状態が進行しないこと、
1か月後にはなんとかふつうの生活に戻れること、
が目標、というか希望です。

で、ショックだったのは、
テニス禁止令が出たこと、
振動がよくないのだそうです。
これはイタイです……
でも、ということは、
ヘビメタのコンサートはゼッタイだめですね、
ヘッド・バンギングしちゃうから。
(行く予定ありませんけど!)

2020年12月8日火曜日

「ボイス2」

Eテレの「ディスタンクシオン」、始まりましたね。
実は先にテキストを読み始めてたんですが、
すごく読みやすくて、どんどん読んじゃいました。
『ディスタンクシオン』は、
ガチで読むべきだと思いながら〇十年、
まあこれもガチではないものの、
いつ聞いても(読んでも)、
ブルデュー関連は(批判を含めて)おもしろいです。

で、
韓国ドラマの方は、
「ボイス2」
を見終わりました。
もう、ヒロイン(イ・ハナ)のファンになった感じなので、
(事件発生の瞬間、彼女がそれを告げるボタンを押し、
メンバーたちに事件の概要をテキパキとアナウンスする様子、
これがステキ)
物語の評価は措くとしましょう。
(ということは……)
ただ、たしかにツッコミどころはあるものの、
時に意識を失い短期記憶をなくす刑事が、
自分が真犯人ではないかと疑う一瞬は、
ほかのドラマでは見たことがない設定で、
なかなかだと思いました。
ちょっと猟奇的なところは、
韓国ドラマ(や映画)の、ちょっと苦手なところですが。

それ以外には、
院生のレポートに出てきたので、
『血と骨』
『ヴェノム』
『ハーレイ・クイーンの華麗なる覚醒』
などを見ましたが、
(もちろん分析はできるのでしょうが)
そんなに惹かれはしませんでした。

2020年12月3日木曜日

Eテレ売却、反対!

Eテレを売却すれば、

NHKの料金を半額にできる、だから売却!

という考えがあるようですが、それはチガウと思います。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/e%E3%83%86%E3%83%AC%E3%81%AFnhk%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%95%E3%81%AE%E8%B1%A1%E5%BE%B4-%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E8%AB%96%E3%81%AB%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%81%8C%E5%8F%8D%E8%AB%96/ar-BB1bAT1R?ocid=msedgntp

で、速攻会長が反対しています。

NHKのやり方の、すべてに賛成なわけではありませんが、

このことに関しては、

会長に賛成です。

YouTube で新刊!

白水社が、新しい教科書を紹介する、
こんな動画を作ってくれました。

(おもしろい、ってもんじゃないですが、
教科書の紹介ってこんな感じか~、
と思っていただければ。)

これが文法書。


これ、参考書と違って、
書いてあることは多くないです。が、
何を書いて何を書かないか、
どこまで説明してどこからは授業に委ねるか、
この辺の判断にどこまで意識的になれるかが、
教科書のデキの分かれ目の第一歩、
だと思っています。
だから、いい教科書を作るには、
やっぱりどうしても、
いろんなレベルの授業を多くこなしていることが、
必須の条件になるのかなと、わたしは思っています。

でこれが、レナさんが中心になって作った会話の教科書。


会話は、やはり「自然さ」が命。
なんですが、
やはりそこは文の構造に対する意識が芽生えることも超大事。
そこで例文を練るわけですが、
ズバリ、その例文のよしあしが、
会話のテキストのキモでしょう。
(もちろん、それ以外の要素もたくさんあります。
「キモ」といってもそれは50%くらい。
その他の要素が積みあがって、
よりよいテキストになるのでしょう。)

わたしは、得意なことってほんとに何もありません(涙)が、
唯一、
フランス語の教科書のよしあしについては、
まあまあ分かるほうなんじゃないかと思っています。(←ちっちゃ!!)

2020年12月2日水曜日

ブック・レポート/『21レッスンズ』

東京の好きなところの一つは、
冬晴れの日が多いこと。
かなり寒くても、
大陽が出てると気持ちが違います。
なので今日のような天気は、
あまり好みじゃありません。
それはともかく。

ここ数日で、
ブック・レポ-ト、約70本ほど読みました。
(それ以外に、映画分析のレポートもありましたが、
そっちは毎週のことなので、フツウです。)
このブック・レポート読みは、
正直なところ、かなり骨が折れます。
時間もエネルギーもかかるので、
ほんとはそういう課題を出さなければこちらは楽なんですが、
レポートを読み進めてゆくと、
ああ、やっぱり読んでもらったほうがよかったな、
といつも必ず思うので、
やめるわけにも行きません。
学生も、メンドクセーナー、と思いながらやるのでしょうが、
終わってみれば、
たしかに勉強になったかも、
と思ってくれてるはずです。
たった1冊の本ですが、
それを読むと読まないではチガウ本というものが、
たくさんあります。
もちろん、
わたしがまだ読んでいないそういう本も多いに違いありません。

最近学生に勧めることが多いのは、
ユヴァル・ノア・ハラリの『21レッスンズ』です。
この本、わたしが今年読んだベスト3に入ります。
かつて吉本さんは、

ぼくが真実を口にすると ほとんど全世界を凍らせるだろう(……)

と(詩の中で)書いていましたが、
それを思い出しました。
それを思い出すほど、
ああここまで言ってしまうのか、
と何度も思ったのでした。
しかも、たとえ部分部分は知っていたことでも、
文脈の作り方が新鮮で、
なるほどね~と思わされることしばしば。
もちろん、初めて知ることも多く、
最初から最後まで、ワクワクしながら読みました。
年内に、もう一度読むかも。

2020年12月1日火曜日

l'article 24 du projet de loi « sécurité globale »

フランスも、なかなか隅に置けません。
政府が導入しようとしている新法(の第24項)は、
個人が、機動隊や警察官などを撮影し、
それが誰か分かるような形で発表することを禁じる、
というものです。
もちろん、激しいデモが怒っています。


どこかで見かけたプラカードのセリフが、印象的でした;

« Je me sens plus protégé par mon portable que par la police »

警察なんかより、ケータイのほうが、わたしを守ってくれると感じる、
というわけですね。
もちろんここには、(アメリカでも頻発している事案と同様の)
警官らによる暴力があるわけです。

がんばって、こんな法案、潰して欲しいです。

2020年11月30日月曜日

『 M Train 』


パティ・スミスと言えば、
70年代にロックに親しんだ人間にとっては、
これはもうカリスマの一人で、
今も時々飲む親友が、
当時、彼女のTシャツをよく着ていたのを思い出します。

そのパティ・スミスが、
『ジャスト・キッズ』で全米図書大賞をとったのは、
今調べてみたら2012年のことで、
(わたしは恥ずかしながらこれはまだ読んでいないんですが)
その3年後の2015年に出版されたのが、
今回翻訳が刊行された

『 M Train 』(パティ・スミス/管啓次郎訳)

です。

読み始めて、まだほんの50頁くらいなんですが、
驚きました。
わたしなんかが言うのはナンなんですが、
すご~くうまい。
読んだ部分は紀行風のエッセイと、
クリスマスのNYなどを描いた文章なんですが、
読み進めると、あっという間に、
彼女の息遣いと自分のそれがシンクロし始め、
彼女を取り巻く風の温度や湿度が肌を上ってくるようなんです。
本を閉じた後も、
束の間、NYにいたような心地がします。

原文と見比べたわけではないので、
はっきりしたことは言えませんが、
まあこれはかなり高い確率で、
訳者である管さんのスゴサでもあるのでしょう。
なんというか、ここにパティがいる、
ここでパティが話している、とした思えないのです。
もう、憑依してる?
さすがです。

本は時空の旅だということを、
あらためて思い出させてくれる本です。
続きが楽しみです。

2020年11月27日金曜日

『ボイス』の終わりの長い一日

時々、「長い」と感じる一日がありますが、
今日はそんな日でした。

午前中に80分テニスをしに行き、
仲良しのカトーさんとバックハンドボレーについて素人談義をし、
ちょっとコーチに褒められ嬉しくなり、
終わると、
ダッシュで帰宅しダッシュでシャワーを浴びダッシュで昼ごはん
(「カラメン」と家庭内で呼びならわしている「辛い麺」。
これは同僚の中国語の林先生に教わったもので、
もう何回作ったか分からないほど)
をすすり上げ、
あわててZoom会議へ。
そのまま会議が1時間ちょっと続き、
終わると今度はその内容を、
「総合文化教室」と「総合芸術系」に伝達。
すぐに返信があり、なんどかメールのやり取り。
で、
やっと一段落したので、
心を落ち着けて『ボイス』の最終回へ。
あ、そうですよね、そうですね……
としみじみした後は、
すぐにパワポ作りを開始。
実はこれ、1か月ほど前にも起きたことですが、
授業で使おうと予定していた映画が、
なんと、AmazonPrimeで配信終了していて、
別の映画に差し替えたため、
急遽新しいパワポが必要になったのでした。
で、終了していたのが『国際市場で逢いましょう』だったので、
差し替えも韓国映画から、
『タクシー運転手 ~約束は海を越えて』
を選びました。
幸い(?)解説しやすい映画だったので、
まあよかったかな。
見たのは二度目ですが、
やっぱり、授業で使うつもりで見ると気合が違うので、
新しい発見もありました。
で、このパワポを作り続け、
(晩ご飯のポーク・ジンジャーを挟んで)
やっとできたので今度は、
今日から始まったアマゾンのセールで、
予想通り値下がりしていたアレとコレを買い、
ついでに「将棋ウォーズ」で1局さし、
二段相手に辛勝し、
それが今です。
あとは風呂であの本を復習し、
元気があれば別の映画かドラマでも……

2020年11月23日月曜日

3連休、の『ボイス』

この3連休、
見事に一歩も外へ出ませんでした。
それはまず、
今日月曜は「休日授業日」で、
通常通りオンラインのコンテンツを用意しなければならなかったこと、
(そして当然レポートをよまなければならなかったこと、)
そしてやっぱり感染が拡大していること、
が理由です。
特に今日は3日目で、ちょっとスタバくらい、とも思いましたが、
休日はどうせ混んでて席もないだろうし、
と考えてる間にどんどん暗くなってくるしで、
諦めました。
明日の午前中のテニスが待ち遠しいです。


で、
韓国ドラマは、『ボイス』を見始めています。
ボイス・プロファイラーで、
特殊な聴力のある女性捜査官と、
街の事情に精通した刑事が、
さまざまな事件と葛藤する物語なのですが、
実はこの2人、
それぞれ父親と妻を殺人事件で失くしています。
そしてその真犯人は、どうやら同一人物のようなのです……

こういう、「声」を分析する物語って、わりと好きです。
(『善き人のためのソナタ』とか。)
そして実際なかなかおもしろいのですが、
ちょっと(韓国映画にありがちな)猟奇的な部分があり、
そこがちょっと……なんですが、
ヒロインはまさに「凛」としていて、ステキです。
これも韓国ものでよく見かける通り、
ホモソーシャルな世界のミソジニーは強烈ですが、
彼女は強いです。
で、
応援したくなるわけですね。

2020年11月20日金曜日

『エミリー、パリへ行く』

ネトフリのドラマ、

『エミリー、パリへ行く』(10話)

を見てみました。


シカゴ出身のエミリーが、
パリのマーケティング会社に派遣され、
フランス語も話せないまま、
イケメンのシェフと仲良くなったり、
実家が超大金持ちの中国人女性や、
実家がワイナリーのパリジェンヌと友達になったり、
シャンペンを飲んだりパンオショコラを食べたり、
既婚者からランジェリーを送られたり、
行きずりの男とベッドインしたりするお話です。

え、なんだそれ?
と思ったでしょうか。
これは、もともとアメリカ国内向けに作られた、
アメリカ人(だけではないでしょうが)の頭の中だけにある、
空想のパリ、伝説の、理想化されたパリが舞台です。
ここには、テロも、デモも、工事も、散乱したごみもありません。
またアラブ系は、一人も登場しません。
つまり、現実のパリではないわけです。

もうあまりに戯画的で、
溢れんばかりの安易さなので、
なんというか、本気で見たりはできません。
ああ、こんなステレオタイプ、まだ描かれてるのね~、
という、渇いた笑い? というのでしょうか?

フランスでの批判も、
半笑いな感じです。


真ん中辺の、Tilo fr という人のtwitter は、

「結局のところ、アンヌ・イダルゴ(パリ市長)は正しかった。
彼女は約束を守ったわけだ;
2020年には清潔なパリになる。
ただ残念なのは、それがドラマの中だってこと。
画像は、パソコンで修正されたのかな?」

それから批評集。評価は低めです。


それからこの日本語の記事は、
分かりやすいです。


シーズン2が作られるようです。
でも配信されれば、
また半笑いで見ちゃうかも。

上の記事の中で言及されている The Eddy については、こちらを;


2020年11月17日火曜日

『バガボンド』

ネトフリ韓国ドラマ、

『バガボンド』

を見てみました。


これ、ネット上での人気は「まあまあ」程度の印象ですが、
わたしは、とってもおもしろかったです。
冒頭、「映画みたい」と思いましたが、
なんとそのテンションが、
最後まで続いたのです。
これは驚きました。
深い、とか、穿ってる、とかいうわけではないんですが、
これほど、
観客を引っ張ってゆく力のあるドラマも珍しいと感じました。
見終わった今、少し「ロス」です。

ドラマが始まって間もなく、
ある「取り返しのつかないこと」が起こります。
この敗北感、ないし負債感が、
通奏低音のように響き続けることになります。
物語は、いわば入子型構造をしていて、
これ、と思ったらそれより大きいこれ、またそれより大きい……
と展開し、これもうまいなあ、とうなってしまいます。

世評の高い『愛の不時着』も、
そして『梨泰院クラス』も、
たしかにおもしろかったですが、
どうでしょう、
わたしは『バガボンド』のほうが上である気もしています。

2020年11月14日土曜日

教科書、2冊

というわけで、
実物が手元に届き、
白水社のHPには書影も出ました。


以前ここで、「シャンパンゴールド」の……
という話を書きましたが、これが完成形です。
ちょっと大げさですが、
わたしは、今までに見たどのフランス語の教科書よりも美しい、
と感じています。
これはもうデザイナーに感謝するしかありません。
ちなみにフォントも、
彼がこの教科書のために作ってくれたものです。

そしてこちらは、レナさんがブレーンで、
わたしはアシスタントです。


前者が文法、
後者は、ネイティヴの先生たちにも使ってもらえるように工夫した、
会話の教科書です。

編集のミドリさんには、
いつものようにとってもお世話になりました。
彼女がいなければ、
とうていできていません。
ありがとうございました!

2020年11月13日金曜日

リアル会議

今日は、今年度に入って初めて、
リアル会議がありました。
午後1時に始まり、4(+α)の会議が続き、
終わったのは6時15分。
長かったです。

長かったですが、
でも、久しぶりに同僚たちの顔が見られて、
来年度のもろもろについてマジな話し合いができて、
じわり、嬉しかったです。
ただ一方では、
おそらくもう今年はこんな機会はないでしょうから、
それに気づくとちょっとさびしい気も。

唐突ですが、
わたしが小学校の頃のヒット曲、「恋」に、
こんな一節がありました。

逢っているときは なんともないが
さよならすると 涙がこぼれちゃう

逢うたびに うれしくて
逢えば 又せつなくて
逢えなけりゃ 悲しくて
逢わずにいられない


子ども心に、
このパッセージは沁みました。
(「恋」ではなく、
その頃ちょうど、
母親が入院してたからなんですけどね……。)

もちろん今日の感じは、
これとは違いますが、
思い出すということは、
少しはかすってるんでしょうかねえ?

2020年11月12日木曜日

Mahler Sym. 5

数日前夕食中に、
なにか音楽でもと思ってYouTube
(テレビで見られるようになってます)
を見回っていると、
ふと、マーラーの5番が目に入りました。
ああ、久しぶり、と思って、
試しに聞き始めたのですが……


結局、食事が終わっても聞き続け、
とうとう最後まで聞いてしまいました。
アバド、素晴らしい。
感動しました。

マーラーの5番と言えば、
交響曲の中では大好きなものの1つで、
テンシュテット、
ショルティ、
バーンスタイン、
インバル、
ラトル、
などを中心に聞いてきて、
特にテンシュテットがお気に入りだったんですが、
Mmm、アバド、なぜかちゃんと聞いていなくて、
あんまり良くてびっくりしました。
(まあ、今のわたしに合っているのかもしれませんが。)

テンシュテットには、
ただ、少し残念な記憶があって、
彼の来日公演の時、
すっごく楽しみにしてチケット買って、
夕方、体調万全でサントリーホールまで行ったのに、
なんと、病気で交替。
彼のライブを聞くことはできませんでした……

それからインバル。
彼のCDは、実は、シリアル番号の入った高音質版で、
当時でも4000円以上したのを、
がんばって買って、
これは今でも時々聞いています。
たしかに音はいいと感じます。

それにしてもアバド。
CDでも聞いてみることにします。

2020年11月10日火曜日

日本学術会議会員任命拒否に関して(声明文)

わたしが所属している、

明治大学大学院理工学研究科 建築・都市学専攻 総合芸術系 

では、先の学術会議会員の任命拒否問題について、
声明を発表しました。


同じ建築・都市学専攻の先生方や、
わたしが「学部」において所属している

理工学部 総合文化教室

の有志の先生方も、賛同人として参加してくださっています。

2020年11月9日月曜日

選挙と宿題

とにかく、バイデン候補が勝ってよかったです。
個人的に注目したいのは、
イスラエルやイランとの関係。
オバマの時のような体制に戻すと言われていますが、
どうなるでしょう?

そして副大統領には、彼女ですね。
演説の全文がありました。


そして、
これは選挙結果が出る前のインタヴュー記事ですが、
フランス語のクラスで宿題にしたのがこれです。

Je crois que Joe Biden gagne, à moins que des batailles judiciaires n’en décident autrement. Pour l’instant en tout cas, je suis optimiste. Mais à vrai dire je me sens comme si on avait évité de justesse un désastre mais qu’il n’y a rien à fêter pour autant. Pour moi, Biden n’est pas le candidat idéal. Il n’est juste pas l’horrible président que nous avons eu. Et à vrai dire je m’interroge : comment est-il possible d’avoir vécu avec un tel président pendant quatre années et d’avoir des résultats encore si serrés ?

例の、RFIの Journal en français facile を、

一部改変したものです。

最後の一文がおもしろかったので、このパッセージを選びました。

2020年11月4日水曜日

ポスト・トゥルース

大阪は、どこかうさんくさい話を蹴散らしました。
よかったと思います。

で、アメリカでも投票が始まりました。
これが先進国? と思わせられたのは、
起こりうる暴動に備えて、
店舗を板などで保護している映像です。
明らかにお金も、手間もかかっています。
それでも、店舗が破壊されたり、
商品が略奪されたりするよりはマシ、
ということなんでしょう。
銃の販売が伸びているというニュースもありましたね。
(アメリカは、建国神話の中に、
銃で自分を守る物語が組み込まれているので、
銃を買うことの持つ意味は、
日本での印象とはずいぶん違うでしょうけれど。)

ポスト・トゥルース、という言い方が目立つようになったのは、
ちょうど前回トランプが勝った頃だったように思います。
たしかに、ポスト・トゥルースと言って真っ先に思い浮かぶのは、
あのイカシタ髪型の大統領でしょう。

でもところで、「トゥルース」は大事なんでしょうか?
それはもちろん、そうでしょう。
自由主義ていうのは、真実を土台にしている(ことになってる)わけですから。
ただ、ユヴァル・ノア・ハラリによれば、
そもそも人類は、「ポスト・トゥルースの種」だということになります。
どういうことか?
いい例は宗教です。
聖書でも、クルアーンでも、アヴェスタでも、
そこに書かれているのはフィクションであり、
「ポスト・トゥルース」以外ではありません。
いや宗教は同じじゃないでしょう? という気もしますが、
10億人が1000年信じれば宗教で、
100万人が1年だけ信じると「ポスト・トゥルース」なのか、
という問題があります。
ただハラリは、
この「ポスト・トゥルース」を作り出し、
それを集団で信じるように持っている力こそが、
人類をドライブさせているのだ、というのです。
人間は、「物語」で、「フィクション」で動くのだと。
たしかに戦争も虐殺もするけど、
橋や病院や学校を作ったりもするわけです、
フィクションを信じた人間は……。

まあそれはともかく、
あのイカシタ髪型は、
もう見たくありません。

2020年11月2日月曜日

免許更新

のタイミングになり、
手続き可能な警察署の「混雑状況」を確認すると、
あらら、
いつも行っていた警察署は、
終日「大変混んでいます」。
どうやら、コロナのせいで、
時間当たりの受付数を制限しているよう。
それじゃあ混むわけです。

で、
いつもとはちがう、
距離的にはさほど変わらない警察署なら、
午後3時以降は「空いています」だったので、
行ったことのない場所だったけれど、
ふと思い立って、
今日行ってきました。
すると、
ラッキー!
空いてます。
どの窓口も、一人くらいしか並んでいません。

ちょっとおもしろかったのは、
わたしの次に窓口に並んでいた男性、
まあ40歳くらい? の男性が、
簡単な視力検査の途中、
「もっと大きな声で。聞こえないから」
と、やや雑な感じで言われた後、急に、
「左」
と声を張り上げ、
その場にいた人たち全員がふり向くという、
なんだか時間が止まったような瞬間があったことです。
その後も彼の声は、
右だの上だの、狭い室内に響き渡ったのでしたが、
その後、はいじゃあこれ持って座ってて、の言葉には、
一転聞こえるか聞こえないかの声で、
「はい」
と答えるのでした。

外に出ると、
なにかありますね。
コロナ飽きた!