2018年7月21日土曜日

Guerrière

『クロッシング・ウォー』で、
アフガニスタンのドイツ兵の姿を見たわけですが、
そういえば、
ドイツを舞台に、
アフガン難民の少年が登場するドイツ映画があったはず、
と思って積んであるDVDを探してみると、
ありました、これです。

Guerrière (2011)

フランス語字幕で見たのでこのタイトルですが、
日本で公開されたときは、
『女闘士』だったのですね。

https://natalie.mu/eiga/news/229581

画質がイマイチですが、全編版がありました。(英語字幕)

https://www.youtube.com/watch?v=2S3ZwkaGEik

旧東ドイツ地区。
マリザは、恋人ともども、
バリバリのネオ・ナチです。
ヒットラーを崇拝し、
黒人やアジア人を見かければ、
片っ端から襲いかかる……
で、ある時マリザは、
バイクに二人乗りしていたアフガニスタンからの難民兄弟を、
クルマで引っ掛けて逃げ去ります。が、
その行為は彼女の心の中で、
罪の意識に変容してゆきます……

思い出されるのは、
もちろん、『フレンチ・ブラッド』です。
この映画のスキンヘッズたちも、
やはり激しく暴力的でしたが、
この『女闘士』との違いは、
当然ながら、
主人公が男か女か、でしょう。
『女闘士』には、
ヒロインとパラレルに描かれる15歳の少女も登場し、
彼女らの家庭も描かれます。

作品としては、
『フレンチ・ブラッド』のほうがよくできていると感じます。
それは主に、
映画が持つ「社会」への意識の差なのでしょう。
ただもしも、アフガニスタンの少年がもっと深く描かれていれば、
またちがった印象になったかもしれません。
この少年の苦しみも、喜びも、
今一つ迫ってきませんでした。
そこが、弱点なのでしょう。