2018年7月2日月曜日

LA VIE DE CHÂTEAU 2

DVD ジャケットに、
2人の監督に対するインタヴューが載っていました。

ーなぜシャトー・ドー?
セドリック・イド
アフリカ系のぼくとモディにとっては、
ここはずっと馴染みの街だったし、神話の街だからね。
もちろん、ぼくたちにとってだけ、というわけじゃないけど。
シャトー・ドー駅周辺のいくつかの通りでは、
さまざまなジャンルの音楽、ダンス、
そして流行のファッションなんかが生まれてきた。
ここで生まれた文化は、とてつもなく影響力があるんだけど、
それはアフリカで生まれ、
ディアスポラによって拡散されたものなんだ。

モディ・バリー
ここは間違いなく、パリの中心部にありながら、
真に庶民的と言える最後の街さ。
もちろんこの街には、暗い面もある。
でも今回はコメディーを選んだわけで、
だからぼくたちは、悲惨主義(misérablisme)に陥ることなく、
この街の陽のあたる面を描いたんだ。
ここに暮らす人たちのヴァイタリティーが、
ぼくたちをそういう方向に仕向けたんだね。
僕たちが描きたかったのは、
このパリの片隅の街が持つ創造性、
そして溢れるほどのエネルギーだったんだ。


またこれ以外にも、
冒頭でかかるジョゼフィン・バケールの Paris...Paris が、
Djibril Diop 監督の Touki Bouki への暗示であること、
そこではセネガルの若者がパリを夢見ていたこと、
シャトー・ドーにいる人たちの大半が不法移民で、
かれらが着飾ったりいい時計をしたりするのは、
それによって、かつて「夢見られたパリ」を表現していること、
映像的には、70年代の深作欣二監督
(てつまり、『仁義なき戦い』シリーズですね)
の影響を受けていること、
などが語られていました。