2018年7月15日日曜日

『ムースの隠遁』

イザベル・カレは、1971年生まれで、
もう、おそらく50本以上の映画に出演しているでしょう。
有名なのはもちろん、
評価も高いのでしょう。
わたしが見たのは、
たかだか10本程度なので、
この女優の全体像を語る資格はないのですが、
好きな女優の一人ではあります。
(すごく、とまではいかないけど。)
わたしには特に、
Tellement proches (2009)
の時の彼女が好印象でした。
(まあ、映画そのもがとってもいいし。)

https://www.youtube.com/watch?v=cMOqwjo5_-U

(今、彼女のキャリアを確認していて初めて気づいたのですが、
なんと、デビュー作は、
『ロミュアルドとジュリエット』(1989)
なのでした。
この映画は、シナリオ版の教科書があり、
以前、よく授業で使っていました。
なつかしいです。
この映画は、残念なことに、
日本版のDVD出てなくて、
VHSしかありません。
フランス版はあるんですが。)

で今回は、
イザベル・カレが妊娠中に撮ったという、
『ムースの隠遁』(2010)
を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=N52FnZ2ReOg

ブルジョワカップルがいて、
2人とも麻薬依存で、
ある時男は死に、女(ムース)は生き残る。
そして彼女は、自分が妊娠していることを知る。
迷った挙句、産むことを選択し、
田舎の別荘に「隠遁」する。
するとそこに、死んだ男の弟が現れ、
仲良くなるものの、
ゲイである彼は、やがて去ってゆく。
そして出産。
あの弟が見舞いに来る。
赤ちゃんを彼に預け、
ムースは失踪する……というお話。

まあ、特に言うことのない作品です。
気は強いけど、
結局は甘ったれのヒロイン、ムース。
映画の最初と最後に映るパリの景色も、
あきらかに映像美優先で、
とくに意味もない。
監督の資質なのでしょうか。