アフリカ系女性向けのヘア・サロンがひしめく界隈。
でここは、
『パリ警視庁:未成年保護部隊』
の中では、
アラブ系家族の実家がある場所としても設定されていましたが、
今日見た
https://www.youtube.com/watch?v=MwKBJkObsVs
は、もう全編シャトー・ドー全開の映画でした。
まあ、タイトルが『シャトー(・ドー)での暮らし』なわけですから、
当然とも言えますが。
主人公はシャルル。
コートジヴォワールの最大民族であるバウレ系である彼は、
今や、このシャトー・ドーの「顔」です。
いつも颯爽とおしゃれをし、
たくさんの客引きたちのリーダーとして、
カリスマ的に君臨しています。
が、そこに、
彼の地位を狙う若者ベベが現れます。
自分こそ「未来」だとうそぶく彼は、
サロンの女性マネージャーとも仲良くなり、
シャルルを追い落とす画策を練っています。
一方シャルルは、
いくらリーダーとはいえ客引きであることに飽き足らず、
自分の店を持つ算段を(秘密裏に)進めています。
クルド人老人(←詩人です)が経営する、
客の来ない男性用理容室が標的です。
さらにそんな折、
新たなヒット商品を見つけたと確信するソニアは、
インド人からその商品の素材を仕入れようとするのですが、
さまざまな行き違いと勢力争いの中で、
話しはもつれていき……
これは良くも悪くも、
シャトー・ドーの「サークル」内の話で、
そこには、コートジヴォワール系のいくつかの民族や、
ナイジェリア人たち、
インド系、
クルド系、
中国系、など、
さまざまな民族が入り乱れ、
それはおもしろい点です。
弱点は、ちょっと詰め込み過ぎで、
話しがもつれ過ぎていることでしょうか。
でも、わたしはおもしろかったですが。
シャルルは名乗るとき、
Je suis Charles, comme le prince.
(おれはシャルル、プリンスと同じさ。)
と言うのですが、
あるとき、どうして王様じゃなくて王子なの?
と突っ込まれ、
だってパリにいるのは、
(あなたのような)女王たちだけだからさ!
と答えたりします。
なかなかいいですね!
彼を演じるのは、
『イングロリアス・バスターズ』や、
テレビ・ドラマの『TAXI ブルックリン』にも出ている、
ジャッキー・イド。
彼は、本当はブルキナベでパリ郊外育ちだと、
インタヴューで答えていました。
英語もとてもうまいです。
またライヴァルのベベですが、
彼はサッカー・フリークらしく、
さまざまな国の代表ユニフォームを着て登場します。
中には、日本のそれも含まれています。
そして彼の話は、
たいていサッカーの比喩で語られるんですが、
その中のキーワードの1つが、
lucarne
です。これは「天窓」なんですが、そこから転じて、
「(サッカーの)ゴールの上隅」
を意味しています。
さあ、おまえの lucarne(目標)な何だ?
何て言うわけですね。
これもちょっとおもしろかったです。