2018年7月30日月曜日

「フランスのW杯優勝は「アフリカの勝利」なのか 」

ワールドカップが終わって早2週間。
この、「アフリカの勝利」だという指摘も、
一段落ついて(?)、まとめられています。

http://www.liberation.fr/debats/2018/07/28/coupe-du-monde-la-victoire-de-la-france-n-est-pas-celle-de-l-afrique_1669369

また日本でも。

https://www.buzzfeed.com/jp/yoshihirokando/france-africa?utm_term=.ww04vwWJXO#.djWZKrV1Pz

これについては、堀茂樹先生が、
ズバリと言ってくれています。

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このノア君は、国籍とエスニシティを混同し、
ナショナルアイデンティティを民族性に還元している。
差異主義の米国人は普遍主義のフランスの理念性を理解できず、
その無知ゆえにフランスの現実を曲解し、
いつもこの手の偉そうなトンチンカンを言う。

米国人ノア氏の多文化主義的言説は
レイシズム”racism”でないとしても、
"racialism"を帯びている。

オーストリア生まれの作家S・ツヴァイクはユダヤ系だったが、
ユダヤ人である事を意識せず、
完全にドイツ語圏文化に同化し、
両次大戦間には欧州を代表する程の知識人として活躍していた。
その彼に、
お前は「本当は」ユダヤ人だ、
その「本当の」アイデンティティを自覚しろと迫ったのがナチスであった。

他人が標榜するナショナル・アイデンティティを素直に認めず、
その人をエスニシティに回収して定義する「民族的ルーツ主義者」は、
レイシストを裏返しただけの偽アンチ・レイシストです。

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御意。